長岡生コンクリート
骨材の再生利用、CO2の削減、コストダウンに

「いつでも見学受付中!」残コンステーション、ソリューション開発

  1. 建設現場における残コン対策:先行モルタル代替ページにリンクするボタン
  2. 建設現場における残コン対策:ホッパ内外の残コンページにリンクするボタン
  3. 生コン工場における残コン対策:残コン・残水・洗浄水ページにリンクするボタン

2020/06/06

「地球は困っても《産業は困っていない》コンクリート再生」1.1 本研究の背景(博士号取得への道 #12)

「地球は困っても《産業は困っていない》コンクリート再生」1.1 本研究の背景(博士号取得への道 #12)

論文の全体構成を目次としてまとめ、いよいよ「1.1 本研究の背景」草案作成に取り掛かる。50年の歴史を数える環境再生コンクリートが未だ汎用化の目処が立っていない事実に課題を立て、その理由と打開策を探る道。「地球は困っても産業は困ってないコンクリート再生」。



地球は困っても産業は困っていないコンクリート再生

環境再生コンクリート

とりわけ残コン(再生コンクリート)は僕が20年もの間現場・ラストワンマイルでぢかに取り組んできたテーマだ。

ライフワークとも言える残コンを主題とした論文をまとめるために調べていたある日、僕はとある事実に愕然とした。


再生骨材コンクリートはそろそろ50年目の節目を迎えるという事実だ。

※1974年に、(財)建築業協会建設廃棄物処理再利用委員会における「再生骨材及び再生コンクリートの使用基準(案)・同解説(案)」作成に関するプロジェクト研究が開始されたことが端緒とされている。


我が国での生コン産業は70年と言われている。

その始まりは現在スカイツリーがそびえ立っている場所で現東京エスオーシーが日本初のバッチングプラントを造営したことに遡る(1949年)。

僕が経営する長岡生コンクリートも現在54期目。

聞けば、戦後復興や高度経済成長に求められていたのは「拡大再生産」という文脈。

あらゆる機関(とマネジメント)は資源をより付加価値の高い製品として作り替え、市場の要請に応えるべく発展して来た。

ピーク時は2億m3をうかがうほどまでに成長した生コン産業はやがてバブル崩壊リーマンショックを経て現在1億m3を割り込み、人口半減社会・マイナス成長に向かってその生産量はさらに減少の一途を辿っている。

揺籃期・発展期・成熟期と経過し、現在は衰退期を迎えている生コン産業が今一巡しようとしている影で、揺籃すら迎えていない環境再生コンクリートという分野。

なぜ、50年近く前に生成されたテーマがいまだにその地位を確立していないのか。


水の次に流通している材料「コンクリート」。

有限なる星の大地を、最も削り、汚し、蓋して来た産業「コンクリート」。

数ある産業の中でも最も地球環境に影響を及ぼしているコンクリート産業において、環境再生コンクリートの開発や普及の重要性に関しては議論の余地はない。

事実これまで数多くの研究や実践が世界規模で展開されてきた一方、それら取り組みはいずれも限定的で、未だ汎用化されているとは言い難い。

49076B22-6B12-4191-A00E-C5D7CA3CF2A9.jpeg

(減少する再生コンクリートの供給)

2012年の出荷数量は60,000m3で、生コン総生産量のたった0.06%程度でしかない。

さらにグラフからは2006年から年々減少の一途を辿っていることが読み取れる。

(出典:https://acrac.org/wp-content/uploads/2018/03/ad1dd86edefce14764650e7acfc27277.pdf)。


50年の蓄積をもってしても未だ「汎用化」という地位を築くことのできない環境再生コンクリートという分野。

その事実は市場と顧客・社会はつまり環境再生コンクリートを必要としていないと言うことの現れなのか。

一方地球環境の悪化は誰もが理解するところであり、サステナブル社会・クローズドループ・マイナス成長時代の新たな産業構築・パラダイムシフトは地球規模の急務となっている。

総論では環境再生コンクリートの必要性は理解され、各論(現実)には50年の蓄積はいまだに出口を見出せないでいる。

果たして、現在の産業が前提とする開発プロセスの先に環境再生コンクリート分野の発展の道はあるのだろうか。

僕が立てた課題はここにある。

一言に集約すればこう言うことだ。

「地球は困っても産業は困っていないコンクリート再生」

現在の産業が前提とする文脈と構造では地球が困っている環境破壊への対応を自らの主題として位置付けることができない。

求められるのは現在のOSのアップデート。

そして、産業が成果を生み出すために駆動する上での構造の刷新。



有限なる星の上で無限の拡大再生産と言う虚構。

今を生きる全ての人たちは無限の拡大を夢見た時代を生きて来た。

時代とともに物質的豊かさは世界に拡充し、先端技術ITやAIは未曾有の繁栄をもたらそうとしている。

こうした時代の底流に存在し産業を支える文脈は「無限の拡大再生産」

進化・成長・発展。

もっと資源を削り、もっともっと付加価値の高い財に変換する。

コンクリート産業も御多分に洩れず無限の拡大再生産を前提として発展し、我が国では72年目を数える。

生コン産業というハードウェアを駆動させるOS・文脈は「拡大再生産」。

「拡大再生産」を前提とした産業とそれを駆動させるための構造にとって、地球環境が求める「クローズドループ」「マイナス成長」「サステナブル社会」と言う文脈はどのように受け入れられるだろう。

産業というハードウェアは常に拡大再生産というプログラムに従って駆動して来た。

その産業の一隅で生成された環境コンクリート(再生骨材コンクリート)という変化。

これまで産業が「是」として来たものを突如否定する環境コンクリートという主題。

50年もの蓄積があっても未だブレイクスルーを起こすことのできない環境コンクリート。

問題の根本には、現在の産業を駆動させるプログラムや構造があるのではないか。



地球という星「全体」は人類の拡大再生産を要求していない。

むしろ、クローズドループ・サステナビリティという別の文脈(OS)こそ必要とされている。

人類を含む地球環境を考えた環境コンクリートが適切に普及拡大していくために必要なこと。

それはテクノロジーの開発ではない。

そのことはこれまで数多く生み出されたテクノロジー群がいまだに環境コンクリートを汎用化さえていないことに明らかである。

テクノロジーは飽和している。

今必要なのはテクノロジーの開発ではなく、世界全体が求めることに応えられる産業の存在。


「21世紀の最も輝かしい躍進は、テクノロジーではなく、人間とは何か、というコンセプトを拡大することによって成し遂げられるだろう。」
ジョン・ネイスビッツ


つまり、今の産業を駆動させているOS(文脈)の見直しと、その構造の改善

IT革命以前の情報格差を前提とした縦割り・階層の構造の見直し。

中央集権的な特定の全体構想が上意下達で指令と統制を行う産業構造ではなく、インターネットと企業間連携が創造するニューラルネットワークが辺境の自己組織的な環境変化を可能とする流動的な産業構造

世界の要請に応えるためにはこうした産業の再定義と実践が必要なのではないか。

環境コンクリート50年の蓄積の延長にはもブレイクスルーは訪れないのではないか。

こうした仮説が本論文の主題となっている。



僕がこの20年携わって来た残コンという現場では見出されずとも再生コンクリートのブレイクスルーが生み出されている。

環境変化は頭脳(中央集権・全体構想)が感得するものではない。

ラストワンマイル。

現場最前線の細胞としての個人や組織が感得し、その変化に対して自らの姿を変える。

全体が欲する世界のあり方は中央の統制により導き出されるものではなく、自己組織化された辺境でこそ生み出されることなのではないか。

自己組織化された辺境が自ら姿を変え、その事実は全体に共有され、もって産業全体が変化するあり方。

「自己組織化された辺境が拓く環境コンクリート」

「地球は困っても産業は困っていないコンクリート再生」

次節ではこうした背景をもとに、本論文の目的について考察を進めたい。



宮本充也

宮本 充也

主な著者生コンポータル 主宰
長岡生コンクリート 代表取締役 宮本充也

宮本充也のFacebook

1級建築施工管理技士/1級土木施工管理技士/コンクリート診断士/コンクリート主任技士

「生コンてなんて悪いことだらけなんだろう!」
僕が家業の生コンに入職した時に感じたこと。
朝は早いし、休みは少ないし、残業(残コンのせいで)もあるし。
建設業界の底辺に位置する産業 [ 続きを読む ]

このページのトップへ

施工実績はこちら

お問い合わせはこちら