長岡生コンクリート
骨材の再生利用、CO2の削減、コストダウンに

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2020/05/10

「階層が生み出した不信が阻む環境コンクリートの普及」再生骨材JIS A 5021・5308の併存(博士号取得への道 #6)

「階層が生み出した不信が阻む環境コンクリートの普及」再生骨材JIS A 5021・5308の併存(博士号取得への道 #6)

環境コンクリートが普及しない理由は個別テクノロジーや携わる個人や法人の努力の良否によるものではない。限界を迎えた中央集権的な全体構想による「命令」「統制」の1つの弊害。「階層が生み出した不信が阻む環境コンクリートの普及」。



身近なコンクリート塊「残コン」が使えない?

A.1 一般 

この附属書は,構造物の解体などによって発生したコンクリート塊1) を破砕などの処理を行って製造したコンクリート用再生骨材Lについて規定する。 

なお,原コンクリートは,レディーミクストコンクリートの戻りコンクリートを硬化させた塊を破砕して製造したものも含む。ただし,フレッシュ時に水を加えたもの及び運搬車から排出後1〜3日で砂利状に砕いたも2) のは除く。 

注1) コンクリート塊には,構造物の解体によって発生したもの以外に,コンクリート製品,レディ

ーミクストコンクリートの戻りコンクリートを硬化させたものなどがある。

(出典:https://www.kikakurui.com/a5/A5023-2018-01.html



生態系は誰か特定の意図(全体構想)によって循環している?

産業には特定のボス(発注者、規格行政)がいて、それを頂に据えたヒエラルキーが形成されてきた。

これは、ITを前提としていない頃、情報は特定の受け皿を伝って産業の隅々にまで伝播する必要があった時代のリアルだ。

ITにより今や情報は瞬時に産業の隅々にまで伝播される。

情報を伝えるための機関や組織としての受け皿は必要ではない。

誰もが主体性的な行動さえ起こせば同質・量の情報を手に入れることができる。


柿は秋になると誰かに命令されて色づくだろうか。

カエルは春になると誰かの指示で一斉に鳴き始めるのか。


生態系は無秩序混沌になるかならないかの絶妙なバランスで成り立っている。

一方の人間が生み出した産業構造は特定の全体構想が指揮を振るって、

「命令」

「統制」

を前提とし、上意下達で循環・機能している。

中枢にいる一部の人々が産業の隅々辺境に至るまで箸の上げ下ろしにまで統制を求める。

一方の辺境は自分が携わっていない場所で作られた規格の文言に一喜一憂する。

命令(規格)を遵守しなければ罰則(統制)が与えられる。

だから辺境は自らが生み出したわけではないプロセスを無条件に飲み込む。

それがいかに実体に即していなかろうが。

現在の産業構造は意図せず辺境に思考停止を要求する。



とある大阪における取り組み「残コンを前提としたJIS A 5021の標準化」

以前パートナーの1が大阪地区で残コンを前提とした再生JISの標準化に取り組んだことがあった。

結論から言えば、その挑戦は暗礁に乗り上げた。

単一工場における5308と5021の併存・標準化という取り組みだった。


生コン工場(JIS A 5308)にとって最も身近なコンクリート塊は残コン(戻りコン)だ。

多い工場では生産量の5〜10%にも及ぶ残コン。

月産5,000m3生産している工場であれば、Max500m3(1000t以上)ものコンクリート塊が発生する。

仮にこの工場が環境コンクリートテック「再生骨材コンクリート」の生産を志向したとして、

「残コン(コンクリート塊)を廃棄してわざわざ再生骨材生産業者から再生骨材を購入する」

のは誰から見ても合理的ではない。

そもそも、残コンを廃棄・運搬する際に発生するCO2(とコスト)。

一旦工場から運びこまれた残コンは解体コンクリート塊などと一緒に処理され再生骨材に生まれ変わって生コン工場に運び込まれるまでに発生するCO2(とコスト)。

言ってみれば再生骨材コンクリートの規格は上記のような現実を辺境生コン工場に強いる存在となっている。

辺境の声は複数の階層を上がっていく途中で減衰し消滅する。

現在の産業構造において現場ラストワンマイルの現実を無視せざるを得ない規格はますます現場の現実に乖離したルールブックになっていく。



階層や壁がなく現場と規格行政が適時共同することは可能か

上述の取り組みに携わっていた頃、現場ラストワンマイルに身を置くパートナーは常に規格条文の解釈に苦しんでいた。

読み方によってはどうとでも捉えられる規格文。

「排出後1〜3日」

の解釈の仕方を、「それなら、0日(数時間で改質)ならいいのか?」という立場で、高分子・急結剤で排出直後に改質された残コン(再生骨材)を利用してJIS A 5021の標準化を試みた。

こんな「禅問答」というか、「一休さんのトンチ」というか、そもそもこうしたやりとりは相互に壁や階層を認識し、信頼関係を前提としていないことの証左と言っていい。

ものづくりに携わっている産業人のそれぞれが、こうした壁に遮られ自由に議論ができていない状況は産業にとって決して望ましい状況とは言えない。

「命令」「統制」を前提とした産業構造に世界が求める環境コンクリートテックを普及させる役割は期待できない。

インターネットというテクノロジーは、上意下達の産業ヒエラルキーではなく、産業の隅々で行われている全ての現象について、すべての当事者は瞬時に情報を共有し思いやりを寄せることを可能とする。

特定の全体構想による命令ではなく、環境変化を感じ取って自ら細胞分裂するように。

自己組織化された辺境が自ら情報を入手して主体的に活躍する産業構造。



生態系の当事者は誰かの指示や命令を待っているわけではない。

それぞれが環境の変化を知りその上で自ら変化している。

世界がコンクリート産業に求めているのは、持続可能な環境コンクリートテックの普及。

50年にわたる環境コンクリートテックが未だ拓くことのできない再生コンクリートの汎用化。

それは、個別テクノロジーや携わる個人や法人の努力の良否によるものではない。

個別テクノロジーや携わる個人や法人が土台とする産業構造を駆動させる文脈(OS)にその答えがある。

「中央集権的な全体構想ではなく、自己組織化された辺境が拓く環境コンクリート」

ここにブレイクスルーを起こさない限り僕たち産業は世界の要請に応えることはできない。



宮本充也

宮本 充也

主な著者生コンポータル 主宰
長岡生コンクリート 代表取締役 宮本充也

宮本充也のFacebook

1級建築施工管理技士/1級土木施工管理技士/コンクリート診断士/コンクリート主任技士

「生コンてなんて悪いことだらけなんだろう!」
僕が家業の生コンに入職した時に感じたこと。
朝は早いし、休みは少ないし、残業(残コンのせいで)もあるし。
建設業界の底辺に位置する産業 [ 続きを読む ]

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