長岡生コンクリート
骨材の再生利用、CO2の削減、コストダウンに

「いつでも見学受付中!」残コンステーション、ソリューション開発

  1. 建設現場における残コン対策:先行モルタル代替ページにリンクするボタン
  2. 建設現場における残コン対策:ホッパ内外の残コンページにリンクするボタン
  3. 生コン工場における残コン対策:残コン・残水・洗浄水ページにリンクするボタン

2020/06/18

JIS A 6209 「コンクリート用火山ガラス微粉末」に見る「残コン」規格化の可能性について(博士号取得への道 #15)

JIS A 6209 「コンクリート用火山ガラス微粉末」に見る「残コン」規格化の可能性について(博士号取得への道 #15)

JIS A 6209「コンクリート用火山ガラス微粉末」の生成過程が興味深い。「辺境の技術で優れたもの、キラリと光るものがあるというのであれば、それを共有して地域社会に合った形で展開していければいい」(博士号取得への道 #14)。特定の地域(辺境)で生まれた技術「コンクリート用火山ガラス微粉末」が「鹿児島のシラスだけじゃない」JIS規格となった。このプロセスはまさに「残コン」に適用可能なのではないか。



フレキシブルでテーラーメイドな規格

78A98BA7-084B-4BA2-A1E9-0A90B602530C.jpeg

火山灰を原料とする「火山ガラス微粉末」は、コンクリートに混ぜることで強度・耐久性が向上することがわかっており、高層ビルなど、高い強度が求められるコンクリート材料としての活用が期待されています。
有数の火山国である我が国に存在する火山ガラス微粉末資源の建設分野における活用を進めるためには、その品質や試験方法を定めるなどの環境整備が必要です。
こうしたことから、今般、JIS A6209 (コンクリート用火山ガラス微粉末)として制定しました。

※新市場創造型標準化制度を活用してJIS制定に至った。

(出典:経済産業省HP



辺境で埋もれていた技術に光を当てる規格の変化

⚫︎参考記事: 「コンクリート用火山ガラス微粉末(シラス)に関する標準化」の意義

「鹿児島のシラスだけじゃない」

もともとは鹿児島の個別企業(と東京大学の連携)が辺境で生み出した技術。

中央集権に対応した言葉としての「辺境」。

その場所の環境変化を自ら察知して姿を変える、さながら細胞分裂のような技術開発。

鹿児島の言わずと知れた問題「火山灰」の有効利用をして機会に変えた。

まさに、鹿児島だからこそ生まれる技術革新。

火山ガラス微粉末のコンクリート混和材利用。

本来であれば地域限定。

その場所だけ。

日本全国を対象エリアとするJIS規格(Japan Indastrial Standard)。

日本全国空気量は4.5%(±1.5%)。

そんな前提に鹿児島の火山ガラス微粉末は果敢に挑戦し全国区の規格としての地位を確立した。


以前にもこの規格化については紹介したことがあるが、ここで改めて「残コン」という視点からこの出来事を眺めると興味深い洞察を得ることができる。

「特定の地域で循環している技術開発」

例えば、生コンポータル(残コンフォーラム)で日頃紹介している全国各地辺境の技術。

その土地ならではの残コン処理方法。

クローズドループの実例。

3.3.1 残コンステーション(長岡生コンクリート)
3.3.2 脱水ケーキ由来の下層路盤材(白石建設)
3.3.3 残コン由来の再生生コン(大分総合建設)
3.3.4 スラモル(金子コンクリート)
3.3.5 残コンブロック(泰慶)
3.3.6 アウトレット生コンマッチング
3.3.7 セルロース系瞬間吸水材を用いた現場での再利用(グロースパートナーズ)
3.3.8 荷下ろし後洗浄しない生コン車(大里ブロック工業)
3.3.9 その他失敗事例との比較(乾燥スラッジ他)
3.3.10 《参考》ラストワンマイルたちによる透水性コンクリート(生コンポータル)

博士号取得への道 #14


これらいくつかは「その環境条件ならでは」で成立している。

その点ではまさに「鹿児島のシラス」と同様だ。

中央集権で作られた規格に従い運用するのではなく、その環境条件ならではの工夫で生み出された数々の辺境の技術。

実際に生コン工場独特の問題(その環境条件ならでは)は鹿児島のシラス同様その辺境ではたくましく解消されている。

規格でお膳立てされる以前よりもすでに辺境ではその問題は解消されている。

鹿児島のシラスという辺境の技術開発が広く全国区の規格として制定された事実はつまり残コンという特定の辺境の技術をも規格化する可能性を示唆しているのではないか。

JIS A XXXX 「コンクリート用残コン」



規格ができたから実用化されるのではない。

規格のおかげで地産地消というのではない。

生コン実務者が陥っている思考停止は深刻だ。

規格(ルールブック)をきちんと守る、満足する、そのことが仕事だと思っているようだ。

もちろんそれは技術者として最低限のことであって、規格を遵守すること自体はとても大切な基礎だ。


企業の目的が顧客の創造であることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。すなわち、マーケティングとイノベーションである。(P.F.ドラッカー)


イノベーションとは新しい価値を創造すること。

マーケティングとは市場と顧客を創造すること。

ルールブックはあくまで創造された過去であって、その過去の蓄積の上に新しい価値を生み出す(イノベーション)ことこそ企業に所属している僕たちが志向すべき仕事だ。

そして、市場と顧客を創造することがつまりは火山ガラス微粉末が果たしたようなJISの制定(マーケティング)とすることができる。

主従を取り違えてはならない。

仕事とはイノベーション(付加価値創造)とマーケティング(市場と顧客の創造)。

思考停止に陥って恭順に出来合いの規格を遵守することだけではない。

それは単なるルーティーンだ。

きっとそんなものはRPA(robotic process automation)などで代替されてしまう。

生コン実務者の本来の仕事。

例えば、目の前の問題としての「残コン」を問題ではなく機会に変えること(イノベーション)。

そして、その辺境で生み出された技術を広く普及させること(マーケティング)。

これこそが、仕事だ。


「コンクリート用火山ガラス微粉末」に見る「残コン」規格化の可能性について。

時代とともに変化するフレキシブルでテーラーメイドな規格(新市場創造型標準化制度)がある現代。

辺境の夢はきっと広く全体に共有されることになる。

そのことで広がる市場は広大だ。

世界中全ての残コンがその時その場所で付加価値を帯びる時代。

地球を削らない、汚さない、蓋しないコンクリート。

誰もが希求するその産業のあり方を創造するのは今を生きるコンクリート技術者全ての仕事だ。



宮本充也

宮本 充也

主な著者生コンポータル 主宰
長岡生コンクリート 代表取締役 宮本充也

宮本充也のFacebook

1級建築施工管理技士/1級土木施工管理技士/コンクリート診断士/コンクリート主任技士

「生コンてなんて悪いことだらけなんだろう!」
僕が家業の生コンに入職した時に感じたこと。
朝は早いし、休みは少ないし、残業(残コンのせいで)もあるし。
建設業界の底辺に位置する産業 [ 続きを読む ]

このページのトップへ

施工実績はこちら

お問い合わせはこちら