長岡生コンクリート
骨材の再生利用、CO2の削減、コストダウンに

「残コンスラッジ処理システムの全て」

「残コンスラッジ処理システムの全て」

市場から戻ってくる「残コン」「残水」終業時に発生するドラムの「洗浄水」それぞれは2日以内に製品(生コンなど)として再び市場に還元される。残コンスラッジ処理システムの全てをここに解説する。



残コンスラッジ処理システムの全て

「残コン」「スラッジ」

一口に言っても発生要因を分解すれば、

・残水(現場から戻って来たドラムの中に残る少量の洗浄水)

・洗浄水(終業時に発生するドラム内部洗浄水)

・残コン(現場で使用されず持ち戻された生コン)

の3つがある。

逆に3つ以外にはない。

そのため、この3つから「廃棄物」を生成しなければつまりは、残コンスラッジの問題は解決することになる。

一つずつ解説していく。



残水(ざんすい)・スリットピットの利用

スラッジの問題をもっとも深刻化させているといっていい。

1台の車が1回生コンを運べば必ず発生する残水は、

現場で荷下ろし完了後ドラム内やブレード(排出口)にコンクリートが固着しないように少量の水で応急的に洗い流すことで発生する。

つまり、1台の車が日に4回配達をしたとして、

それぞれに30ℓの水で洗い流した場合、

発生する残水の量は120ℓ。

1日に15台の生コン車が稼働したとして、

15台×120ℓ=1,800ℓ(およそ2m3)

※実際の数量は排出時にさらに水を利用するためこれ以上だと考えられる。


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※現場から戻るいちいちの残水はスリットの設置されたピットに排出を標準化されている。

※スリット(鋼管の隙間)から透明な水が搾られる。濾過の役割を果たす。


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※翌朝スリット(鋼管)を撤去した様子。一昼夜水が搾られることで自立した残渣となる。ここからさらに夕方まで6時間程度感想曝気(セメントの材齢30時間程度)


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※スリットの形状。75角の鋼管をチェーン(2個飛ばしで溶接)で固定。隙間が開くためはいウォッシャーなどでの洗浄(メンテナンス)が容易


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※断面図。ベースにはめ込むように鋼管を設置するのが重要。でなければ、土間コンと鋼管の間から水が湧き出てしまう


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※掻き出された残渣は夕方残コンとブレンドされるまで6時間程度、さらに乾燥曝気をすることで極限まで水分を飛ばす



ドラム洗浄水・スリットピットの利用

終業時にドラム内部を大量の水で洗浄した後に排出される、

「洗浄水」

1日に1回だけであり量は限定的であるものの、

残水と違って成分が薄いため濾過が難しい。


基本的には残水同様にスリットピットで濾される。

ただし、成分が薄いため懸濁水が湧出する場合がある。

そのため、翌朝湧出し沈殿したスラッジ水(スラッジ固形分は1%以下)をサンドポンプなどで再度スリットピットに貯める。

1日かけて濾すことで極限までスラッジ水の濃度を薄める。

水が搾られた残渣の扱いは「残水」と同様に処理される。


多少発生するスラッジ水は濃度が規定値以下であるため、

主に再生生コンや流動化処理土の練り水として、

(※もちろん通常のJIS生コンの練り水としても)

再利用されるため場外に汚水が排出されることはない。



残コン・紙おむつと急結材の利用(Re-con ZERO)

通常もち戻される残コンは「ポンプ返し」などスランプの高い(高含水)状態となっている。

残コンスラッジ処理システムとは残コン(またはスラッジ中)にある水分をできるだけ早い段階で(材齢初期)取り除くことで再生可能な骨材を抽出するシステム

そのため、水を取り除く作業はスランプが高ければ高いほど、

つまり単位水量が多ければ多いほど難航する。

そこで、30時間乾燥曝気を行なった残渣物(搾り残渣)が有効に働く。


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※既出。搾り残渣(材齢は30時間程度でありセメントの活性は十分残っている)


持ち戻された残コンに搾り残渣を投入混練することで含水率(単位水量)を下げる。

さらに、Re-con ZERO(紙おむつと急結材)の作用で5〜10分で水分を取り除き、

さながら再生砕石状の物質を生成する。

※こちらはホイルローダーで残渣物(手前土手)と残コンを混錬している様子(白い粉がRe-con ZERO)

※こちらはバックホーを用いてグラウンドレベルよりも低く設置したプールで残渣物と残コンを攪拌している。


いずれも、5〜10分の作業で程よく水分が取り除かれる。


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※再生砕石状の物質(写真)を生成するのに関わるRe-con ZEROの費用は砕石1tあたり500円程度(既設スラッジを混ぜることでさらに圧縮)。主な用途としてはJIS外品の生コン(非構造体用)として出荷され、残水/洗浄水発生2日以内には市場に還元されることになる。



再生骨材コンクリートの出荷

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※40mmふるいの設置された補助グランドホッパーでプラントに材料は荷揚げされる。


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※細骨材、粗骨材を区分することなく1系統でストックされ計量される(規格品と同様の配合)。写真は再生骨材コンクリート。粘性が多少出てブリーディングは早くおさまる。


これら生コンクリートはまたその日のうちに工場に戻され、

それら残水、洗浄水、残コンはさらに2日以内に市場に還元される。

まさしく無限ループ。


こうして、残コンやスラッジは問題ではなくチャンスとなる。

これが、残コンスラッジ処理システムの全て。

随時工場見学を受け付けている。

生コンでいいことの普及。

それが、生コンポータルの使命。



宮本充也

宮本 充也

主な著者生コンポータル 主宰
長岡生コンクリート 代表取締役 宮本充也

宮本充也のFacebook

1級建築施工管理技士/1級土木施工管理技士/コンクリート診断士/コンクリート主任技士

「生コンてなんて悪いことだらけなんだろう!」
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2018/08/28

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