2020/08/08
【静岡】「僕たちがお届けしているのは《安心》」コンクリート診断

全国に100億立方メートルと言われるコンクリート構造物は形あるもの。形あるものはいずれ壊れる。それが、あなたが普段利用している道路やトンネル、あるいは居住する自宅の基礎だったとしたら。知られていないだけで全国地元の生コン屋さん(3200工場)にはコンクリートの専門家がいる。専門家は現場に安心をお届けしている(二見メンバー報告)。
既存トンネルのひび割れ調査
平成27年竣工のトンネル(三島市)。
高所作業車を利用し地上5〜10mの位置のコンクリートの現況調査。
ひび割れ調査。
ひび割れの進展、竣工時からの劣化度合い、補修の要否など、今回は基礎的データを収集。
半円形トンネルとカルバートトンネル、現場2か所の現況調査となった。
コンクリートと関わるのは地方公共団体だけではない
水の次に流通する材料生コン(コンクリート)。
国・県・市・町などの地方公共団体がトンネルやダムなどを管理するのにこうしたコンクリート診断など基礎調査は必要だけど、何もコンクリートは公共だけに関係のあるものではない。
昨日知り合った全く異業種の方から尋ねられたこと。
「うちの建物大丈夫?」
その建物は神戸駅のすぐ近くの竣工後55年経過した鉄筋コンクリート。
オーナーのその方は防水屋さんに随分脅されたらしく、さらには神戸震災も経験していることもあり建物の耐久性や強度に心配をされているようだった。
そりゃ、そうだ。
自分が働いているその本社ビル。
万が一強度が足りてなかったりしてペシャンコになったら多くの人命に関わる。
もちろん、一般の方だからコンクリートに関する基礎的知識だってない。
なるほど、一般の方々が抱いているコンクリート構造物に対するえも言われぬ恐怖心というのはこういうことなのか、とやけに得心した。
そちらを訪問したのは全くの別件だったのだけど、すごく心配そうにされていたので目視による簡単な調査を即興で行なった。
ざっと眺める限りひび割れや、錆汁は見当たらなかったし、浮きや剥離も見当たらない。
古びた塗料・仕上げ材に阻まれていたけれど、55年経過していても綺麗な建物だったので、
「大丈夫ですよ、安心してください。鉄筋コンクリートはそんなにやわじゃない」
と見解を述べたところ、その方の表情にパッと明るさが浮かんだ。
「なるほど、僕たち(コンクリート診断士)がお届けしているのは安心なんだな」
そんなことをやけに思った一幕だった。
知られていないだけで、日本全国にはそんなコンクリートの専門家が10,000人以上いる。
それほど多くはないにしても、その一部は地元の生コン屋さんに在籍していたりする。
公共団体であればそうした専門家へのルートを持っているから今回のように容易に診断を依頼することができるけど、神戸駅近くのビルオーナーのように一般の方にはなかなか敷居の高いのも事実。
それは僕たち産業がBtoBを継続してきて情報を内向きに発信してきたからだ。
インターネットと企業間連携の時代。
僕たちのみるべき先はBtoCなんだと思う。
BtoCの人たちに適切な情報を発信し、そしてプロの実力から届けられる安心を提供すること。
階層で区分されている誰が顧客かわからないようなBtoBよりも、実際に目の前で顔を明るくしてくれる「ありがとう」と言ってくれるその人に、僕たちは僕たちの仕事を届けたい。
そんなコンクリートの専門家は日本中に知られていないだけで大勢活躍している。
生コンポータルの使命はそんな価値を埋れさせず社会に伝えること。
「僕たちが大臣おけしているのは《安心》」
コンクリート診断という仕事。
宮本充也