2020/03/06
生コン「小能く大を制する」「0.5m3に魂を燃やせ!」透水性コンクリート・補修・砕石

0.5m3から日本全国にお届けできるのが透水性コンクリート「ドライテック」最大の強み。「0.5m3に魂を燃やせ!」生コンポータルの古くからのスローガン。「生コンこそ小能く大を制する」。僕たちの想い。
もっとも苦しかった時に助けてくれたのが小口のお客様
僕が入社した20年前(2001年4月2日)に遡る。
当時生コンポータル(長岡生コンクリート)を取り巻く事業環境は過酷だった。
出荷量が低迷する中各社のダンピング受注が横行。
当時同エリアに20を数えた生コン工場は組合ルールを無視して生き残りをかけた闘いの中にあった。
「1物件出る度に1,000円ずつ下がる」
それら物件は誰もが知るような有名ゼネコンによるもの。
ロットも少なくとも1,000m3、中には10,000m3を超すボリュームメリットを背景にタフな交渉を強いられた。
組合は機能していない。
最低価格で6,000円代なんてことも経験した。
「お金をつけて生コンを運んでいる」
そんなふうに揶揄された。
「殺し合い」
入職した当時のなんの経験もない僕はそんな過酷な市場環境に放り込まれた。
「隣の工場が倒産するまでがんばろう」
こんなものビジネスでもなんでもない。
単なる意地の張り合い。
そんな市場環境で各社各様に事業を営んでいた。
僕も捨て鉢で片っ端からやれることはやっていたがその時の長岡生コンクリートを支えてくださったのが小口客の皆様。
住宅基礎、エクステリア駐車場土間コン、小ロット
住宅基礎コンクリート。
その規模は1件であっても10m3〜20m3くらい。
エクステリア駐車場(土間コンクリート)ともなればさらにぞの規模は縮小する。
アプローチ(玄関前)の土間コンの中には0.5m3(最小ロット)での注文も少なくない。
こうした小ロットで発注される生コンクリートは手間がかかる分価格もしっかりといただける。
そして、大手ゼネコンのようにたった数ヶ月だけのお付き合いというわけではない。
数年、数十年という時間軸の取引関係に及ぶ。
苦しい時も、楽な時も。
互いの状況に思いやりを寄せ合う。
そんな人情味あふれる関係性が当時絶望の淵にいた僕たちの救いとなった。
そして業績はなんとか回復し安定していった時にこうも思った。
「小口のお客様のために力を注ごう」
「小能く大を制する」その理由
如上の経験から僕たちの市場設定は徹底して小口・小ロットを志向していく。
「0.5m3に魂を燃やせ!」
というスローガンも生まれた。
オフィスの壁にはしつこいくらいこのスローガンが掲示されている。
唱えるだけでなく現場での実践も積み重ねてきた。
現場ラストマイルにいる生コンユーザー(小口客)にとって有益な製品。
⚫︎透水性コンクリート
⚫︎コンクリート色合わせ補修
⚫︎残コン再生製品
そのいづれも小規模な現場の「困ったの解消」を志向した製品だった。
そして、20年経った今強く感じていること。
「生コンこそ小能く大を制する」
ふと気づいた。
「誰が透水性コンクリートを0.5m3から現場に届けることができるだろう?」
どこぞの巨大プロジェクトに100m3、1,000m3単位で届けることのできる名だたる企業グループはあるだろう。
でも、現場が本当に困っている0.5m3(4m2分)には名だたる企業であったとしても透水性コンクリートを届けることはできない。
彼らの前提は大規模な固定費をきちんと計上できる大型物件のみ。
巨大案件のみ。
大手ゼネコンがそうであるように、そんな巨大プロジェクトには多くの企業が蝟集する。
そして、天秤にかけられ叩かれ叩かれ結果受注する企業が決まる。
僕にも経験があるがそんな関係性に血も涙もない。
一生付き合えるような人間関係とは到底言えない。
そして、そんな関係性は疲弊する。
大規模案件ですらそうした仕入れ先の確保に窮しているのが現実だ。
「小能く大を制する」
このところ寄せられる大規模案件からの引き合い。
これは大規模案件そのものを志向したためではなく、小規模・小ロットで圧倒的な経験を重ね、全国規模の圧倒的な供給体制を確立したからに他ならない。
いつのまにか大規模案件も僕たちに頼らざるを得ないのだ。
僕たちの原体験。
地元小口客に救ってもらった。
彼らのために自分たちも貢献したい。
そんな思いの積み重ねが新たに全国規模の小規模・小ロットという市場を拓いた。
そこでは血の通った人間関係がある。
そこでは互いに思いやりながらものづくりに力を合わせられる場がある。
互いにWIN×WINでものづくりに打ち込める。
社会貢献ができる。
生コン工場にとってこうした市場は新しいフロンティアだ。
今も変わらずいばり散らす大手ゼネコンに値引き要請を受けている工場もあるだろう。
特に組合が機能していない僕が入社した当時のような地域であれば今も大型物件はダンピング受注の的になっているはずだ。
僕はそんな奪い合い、なすりつけ合いの市場環境に貴重な一生を捧げたくない。
思いやりを寄せてくれる小口客の皆様に僕の一生を捧げたい。
小口客に全力で尽くすことが結果的に僕たち生コン工場に新しいチャンスがもたらされることを知っているからだ。
僕たちが「0.5m3に魂を燃やせ!」を志向する理由。
それは血の通った協業関係という市場を生み出すことでもっともっと社会が良くなることを知っているからだ。
宮本充也