2019/11/08
【愛知】「1000年前の自然と現代の便利な暮らしの両立」大地の再生プロジェクト

FOREST GARDENの志向する究極の自然と人が調和する舗装を目指して。愛知県新城市で実験的に施工された透水性コンクリートの骨材最大寸法は40mm。やがては植生(空隙に客土を詰め植物を生やす)も織り込んだ究極の自然調和舗装。
製造:スエヒロ産業、施工:FOREST GARDEN
なるべく自然に還る材だけで人の暮らしも支えられる舗装
下層路盤の施工風景。
使用している材料はすべて森で手に入るもの。
化成品は使わない。
度重なる踏圧や車両の乗り入れ荷重による土壌のグライ化を避けるためにクッション性のある路盤を志向する。
水も空気も通過できるような。
そして、先々ではこれら有機路盤材はすべて土に還元される。
そこから草花が芽吹く。
そんな地面を志向する。
アスファルトやコンクリートで自然の流れを阻害したくない。
とはいえ代々そこに暮らす人々がぬかるみに苦しむこともしたくない。
自然の通気性を阻害することなく最低限便利な暮らしを両立する。
そこで採用されたのが、透水性コンクリート。
それも、骨材最大寸法40mmと普段(20mm)よりも倍の大きさ。
その分空隙も大きくなり風と水の流通はそれだけしやすくなる。
梢枝や竹木に馴染むように透水性コンクリートが施工される。
頑丈な板(舗装)を設置しなければやがて踏圧や車両乗り入れ荷重で路盤のクッション性は破壊されてしまうだろう。
通常のコンクリートやアスファルトではせっかくの通気性が台無しだ。
路盤に馴染ませるように透水性コンクリートを敷設していく。
乗り入れ部の舗装完成。
風と水の自然な動きを阻害せず、人々の暮らしをも支える舗装の完成。
やがて路盤が土に還る時。
透水性コンクリートの隙間にはその土地の土が入り込み草花の萌芽を許す。
舗装をすることで周辺の植生に悪影響を与えたくない。
人の暮らしと自然植生が共存するコミュニティ。
先週お会いしたばかりのご縁が突然形となる興奮。
施工に立ち会ったまさつぐも神がかっている。
以下の動画を参照されたし。
語るまさつぐ。
カンブリア宮殿でも狙ってるのだろうか。
言ってることは間違いない。
これまで樹齢1000年を超す老木に活気を与えてきたのは事実だ。
踏圧や車両乗り入れ荷重、舗装による覆い。
それらは1000年前にはなかったはずだ。
1000年前の自然と現代の便利な暮らし。
その両立を果たすことができるとしたならば。
未来世代に大切な財産を残すことができる。
誰しも感じているはずの環境の傷。
具体的な実践を起こしたくても非力な自分たちではどうにもならない痛みを日々感じている。
大地の再生を目指す人たちと、新時代のコンクリート普及に携わる人たちが出会う。
そして、形が生み出される。
透水性コンクリートが施工される。
そのことはすなわちそれだけ大地が再生されることを意味する。
心の底で囁く声に逆らわず。
これからも使命を果たしていきたい。
宮本充也