2019/08/21
「月間1,000m3で売り上げ5,000万粗利50%の生コン業を創造する」透水性コンクリート等特殊コンが開く生コンの未来(その1)

人口減少と共に生コン需要も低迷する。マイナス成長時代の生コン工場の求められるあり方とは?「1,000m3で売り上げ5,000万粗利50%」の生コン業態を創造する。
透水性コンクリートなど特殊コンクリートが開くブレイクスルー
僕の生コンが始まったのは2001年。
超就職氷河期。
当時月間5,000m3はザラだった。
時には10,000m3なんてこともあった。
年末、年度末ともなると嫌という程忙しかった。
その当時でさえ、「今は昔に比べると随分暇になった」なんて先輩から聞かされていた。
それから、18年。
振り返ればひたすら下り坂。
途中近隣のさくら生コンと事業提携を開始し固定費圧縮など経営改善を行うもその合理化をちゃらにするほどの低迷は今も続く。
長岡生コン単体(JV数量を除く)は3,000m3を切った。
時に2,000m3を下回る月もある。
そして、このトレンドはさらに続くはずだ。
これは長岡生コンに限った話ではない。
全国を俯瞰してもおよその生コン工場は長期的にこうした軌跡を辿っている。
売り上げが往時の半分、4分の1に低迷する。
その市場環境で生コン工場が健全にインフラ基礎資材を供給するにはどのような形が求められているのだろうか。
ここ15年の当社の足跡はまさに等身大でこの課題にぶつかった経験だった。
透水性コンクリート事業開始。
下り坂を3年ほど経験したころ、
「これが後30年続くと思うとぞっとする」
と切実に思ったものだ。
なんでもいい。
低迷を打破できる何かがないものだろうか。
日々考えていた時に出会ったのが、透水性コンクリートという技術だった。
JISで四角四面にはめられた差別化のできない生コンなんかじゃない。
やる気と思いさえあれば広がる可能性を孕む特殊コン、透水性コンクリートという可能性。
当時の価格設定はなんと70,000円。
(現在は35,000円がおよその流通価格)
普通の生コンを製造して販売するのに比べ7倍以上もの単価で売れる。
信じられない夢のような経験だった。
それから、多品種少量生産へ舵を切るようになった。
「工場がすごく暇そうにしているのにめっちゃ儲かっている」
そんな生コン工場を志向した。
(その2につづく)
宮本充也