2019/10/10
「樹脂舗装が10年経つとどうなるか?」

真砂土舗装と並んで景観に配慮した舗装で人気を誇るのは天然石・化粧砂利を配合した樹脂舗装。でも、その「樹脂」は有機物。「樹脂舗装が10年経つとどうなるか?」
※参考記事:「自然と調和する舗装は真砂土なのか?」
化粧砂利の樹脂舗装は時間が経つとどうなる?
10年経過した樹脂舗装は骨材(化粧砂利)が飛散・剥離し砂利敷きのようになってしまう。
軒下の様子。屋根のあるところは雨水の影響を受けづらく劣化の進行は遅い。右側の雨水が直接当たる箇所は湿気の影響で黒ずんでいる。
ドアップ。剥離した骨材には黒カビが繁茂している様子がわかる。
紫外線、雨水、樹脂はどこまで行っても樹脂。
確かに見た目オシャレ。
天然石は色々選べるし、高級感あふれる舗装の代名詞だ。
こちらの写真は某公園の舗装で10年経過した天然石舗装(樹脂舗装)。
いつもランニング中に通る公園ではたと気づいて写真を撮った。
いつも、アスファルトを引き合いに出して樹脂をディスり倒しているが、普遍性、耐久性を考えた場合、樹脂舗装はナンセンスだ。
もちろん、適材適所。
何でもかんでも無機・コンクリート舗装をお勧めする立場ではない。
ただし、一生に一度の買い物になりがちな、舗装(土間コン、アプローチ、犬走)。
樹脂の本質、性質を知らないまま、「最初はとても美しい」を動機に決断をするのは勧められない。
輪ゴムやポリバケツの例。
もっとわかりやすい例を挙げる。
コンクリート舗装と樹脂舗装の違いが分かりやすい。
「30年経って溶けてしまったガラスってありますか?」←コンクリートはガラスの仲間
「輪ゴムを炎天下に10日も放置しておいたらどうなりますか?」←輪ゴムは樹脂
それと同じことが樹脂舗装にも言えるということ。
コンクリートは溶けない、たわまない。
一方樹脂は溶ける、たわむ。
カビる。
汚れる。
軒下の例のように日光や雨水にあたらない室内などには意匠性からいいかもしれない。
ただ、歩行者や車が往来し始終日差しや水にさらされる過酷な条件では考えた方がいい。
「樹脂舗装が10年経つとどうなるか?」
よくよく考えて、コンクリート or 樹脂舗装 採用されたし。
宮本充也