2019/10/03
「10月モノタロウでのリリース決定」生コンとITの出会いは必然だ(その1)

最終調整を終え、10月いよいよ大手通販(EC)モノタロウでの生コン(透水性コンクリート)の販売がはじまる(施工を伴うm2単位での販売)。「生コンとITの出会いは必然だ」。
(※ついに掲載!https://www.monotaro.com/g/04477965/ 2019/10/23)
モノタロウ(MonotaRO)での生コン販売
現場に製品を納める場合の詰めの打ち合わせに担当者まさつぐも参加。いよいよ「ネットで生コン」という挑戦が始まる。
打ち合わせの最中にたわむれに「ドライテック」とGoogle検索をしたところ、なんとまだ表示すらされていないのにモノタロウの広告が表示される。
70年産業生コンの流通は永久に変わらないのか。
今年の11月で丸70年を数える生コン産業。
(※https://840.gnpp.jp/nama-concrete-kojo/)
この30年ITは「広告」「小売」を劇的に変えた。
あらゆる産業の「広告」「小売」(流通)は変革にさらされ、30年前の常識は跡形もないかのようだ。
一方、生コン産業。
その流通構造に一切変化が無い。
各地に組織されている生コン組合。
その上部団体である都道府県を単位とする工業組合。
そして、地区本部。
全国生コンクリート工業組合連合会(ZENNAMA)。
縦割りに作られた産業に端を発する流通は、それぞれの組合ごとに登録販売店制度が採用され、ゼネコンなどが発注する大口をはじめおよその生コンは、
発注者→登録販売店(商社)→組合→生コン工場
という画一的な商流を辿る。
それ以外は「小口」「諸口」と呼ばれ流通脈に属さない小規模ロットの生コンが無数の案件として散らばっている。
IT革命以降の30年はおろか、産業の歴史70年、一切この形は変化していない。
良くも悪くも硬直化し閉鎖的な流通構造はおそらく日本の産業の中でも生コンが最後なのではないか。
70年という区切りを迎える産業はこのまま全く変わらないということが果たしてできるのだろうか。
第3の流通としてのIT(EC、通販)。
昨年10月から協議が始まったモノタロウでの生コン販売。
モノタロウでは「1物1価」が原則であり生コンの流通という構想はすぐに暗礁に乗り上げた。
ただし、「施工を伴う」物販であればあるいはITでの販売はいけるのではないか。
協議の最中にふと「透水性コンクリートの材工共の販売」を提案したところ、再び議論が活性化する。
「ただ、モノだけを売るという業態を脱皮したい」
という彼らの意向も相まって、この透水性コンクリートの全国販売という協議はこの度晴れて10月モノタロウにおける販売開始という形で帰結した。
ただし、
「WEB上でバスケットに入れてものがぽんと届く」
というわけにはいかない製品特性があるため、協議は慎重に慎重を重ねた。
ただ、おそらく「世界初」の試みとなる生コンのネット販売。
想定外もきっと多く起きるだろう。
一々の現場を慎重に慎重に経験することで、
「生コンのIT流通」
という脈を大切に大切に育てていきたい。
きっとこの脈は「水の次に流通する材料」生コンが流通する建設産業の流動性を飛躍的に高めるきっかけになるはずだ。
続々始まるITの生コン流通。
モノタロウとの協議を契機にECとの協業は加速する。
エクステリアネット販売日本1エクスショップ(https://www.ex-shop.net/)などIT文脈で急成長した組織への打診も始まっている。
いよいよ透水性コンクリートの普及活動が開いた日本中の生コン工場223工場が縦割りの既存枠組みではなく、階層の無いWEB状の流動的な組織として市場に解放されることになる。
生コンポータルはこの223を5年以内に800にまで引き上げたいと考えている。
日本の地面を変えてきたアスファルトプラントの数を意識してのことだ。
この意図はITにより加速する。
縦割りに埋もれていた日本中の生コン工場(または施工者)は、ITで活性化する。
すると、供給体制は強化されIT販売にも好影響を及ぼす。
IT小売と生コンが出会ったことによって両者にシナジーが生み出される。
そのスタート地点に立ったのだ。
70年を迎えた生コンはここから再新再生を果たし新しい時代の要求に応えるべく新しい生コン産業に変化していくことだろう。
ITに接続することでものづくりのラストマイルに光が当たる生コン・建設産業という像が立ち現れる。
宮本充也