2021/01/17
【静岡】「透水性コンクリート16年の普及活動の本質」ヤマトガーデン・長岡生コンクリート

静岡県伊東市。アプローチとカーポート下舗装に「見た目がいいから」透水性コンクリート《ドライテック》採用。生コンポータル地元静岡でも認知が進み、近隣生コン製造者の関心も高まっている。
製造:長岡生コンクリート(担当:渡辺まさつぐ)、施工:ヤマトガーデン(36m2/4.0m3、100mm、3名、90分)
既往の取引先生コン製造者も製造に前向き
今回現場が発生した伊東市は生コンポータルの地元伊豆の国市からおよそ1時間の道のり。
生コン業界は全国200を数える生コン協同組合が組織されている。
伊豆の国市と伊東市は生コン協同組合としては「お隣さん」となっていて、普段通常の生コンクリートは長岡生コン(生コンポータル)から届ける地域ではない。
地図で見ると伊豆の国市や伊豆市は伊東市、熱海市と近接しているように見えるが、実際は山間部が伊豆の東西を隔てている。
(出典:https://go-izu.com/)
「最近ドライテックの問い合わせ、よくありますよ。長岡さん(生コンポータル)に連絡してくださいって振っちゃってるけど」
もちろん、熱海や伊東の生コン製造者とは「代納」と言って既往の取引先施工者が地域を跨いで生コンを必要となった場合などには互いに協力関係を持っている。
1時間もかけて普通の生コンを持っていくのは明らかに不合理であるからだ。
生コン製造者の中でも、まだまだ情報は浸透しておらず、「どこの生コン製造者でもドライテックは製造できる」は意外に知られていない。
だから、「ドライテックは生コンポータル(長岡生コン)がやってる」というイメージでパスしてしまう。
今回の伊東市の現場ではパートナー工場伊東共同生コンのご担当者にも詳細をお伝えし、次回以降同エリアでの製造協力を取り付けることになった。
生コンはなるべく近いところからお届けするのが定石だ。
協力してくれる生コン製造者が1社でも増えることが地球に蓋しないコンクリートの普及にとって重要。
生コンポータルでは現場の様子がつぶさにメッセンジャーで共有されている。
文章を書くのが苦手な人だって、スマホ(無線を兼ねている)があれば写真で状況を伝えることができる。
大昔やっていた営業日報よりもよほど適時に状況を理解することができる。
まるで、現場に一緒にいるかのようだ。
施工After。
駐車場2台分とアプローチはたった3名で1時間半で終了。
この時短(土間コンに比べて)はこの時期施工者らの苦労を癒す効果がある。
今後は伊豆の国市からではなく地元伊東市から届くからさらに施工者らにとっては利便性は高まる。
生コンポータルでは日本全国を「生コンと変わらず当たり前に買える」地域にしたいと思っている。
しつこいようだが、生コン工場であればドライテック練れます。
16年前は0社だった。
今、500を突破した。
全国には3200工場あるとされている。
今年中には20%の640を突破する見込みだ。
最初は、どこぞの馬の骨(長岡生コンのこと)のお願いを聞き入れてくれる工場は皆無だった。
1社1社丁寧に口説いていった。
「透水性コンクリート」
という言葉を使うのは得策ではない、というテクニックも手に入れた。
「この配合、練って下さったら、いくらになりますか?」
同じ内容の質問でも、反応が違うのだ笑。
それだけ、透水性コンクリートという言葉が持つ特殊性・負のイメージは生コン製造者にとって根強かった。
日に30件以上飛び込み営業や紹介営業で勝ち取った案件はもちろん日本全国ダーツの旅のようにどこに発生するかわからない。
だから、その度に、見知らぬ土地の初めましての生コン製造者に製造の依頼をしていた。
この動画を見れば生コン製造者はその作り方がわかるようになっている。
透水性コンクリートを製造する生コン製造者が全体の20%を突破しさえすれば、それは特別ではなくなる。
「普通」になる。
そんな供給体制が確立されさえすれば、その次はもっと円滑に新しいコンクリートテックは普及するだろう。
16年も待つ必要はない。
ドライテック同様指数関数的な伸びを示すはずだ。
例えば、これから必要とされている、CO2収容コンクリート(CCU技術)だって、すでに出来上がっている全体の20%の供給体制に提案するだけで比較的簡単に理解され製造されるようになるはず。
「どこぞの馬の骨」ではない、すでにドライテックで関係性のある製造者の群。
ドライテックのようにその有用性がきちんと理解されさえすれば。
CO2収容コンクリートだって、再生骨材コンクリートだって、環境配慮型コンクリートの全ては受け入れられ市場と顧客に届くようになる。
透水性コンクリート16年の普及活動の本質は実はそこにある。
従来の縦割り・階層構造を前提とした産業では絶対に叶えられないこと。
新しい文脈を帯びた環境コンクリートテックの普及は辺境が自主的に活動するシームレスな自律分散型の産業構造でなければ実現することはないだろう。
ここから生コン産業の再定義は本格的に始まる。
宮本充也