2019/12/10
【福島】「この1週間毎日ドライテック出荷します」東北レミコン・水勾配

昨年秋からスタートした福島の雄東北レミコンではいよいよ透水性コンクリート出荷の定番となりつつある。月曜日の初戦は100m2、駐車場、排水設備に逆勾配のため、透水性コンクリートしかなかった。
製造:東北レミコン原町工場、施工:匿名希望(100m2、100mm厚)
「排水設備に逆勾配のため、透水性コンクリートしかなかった」
本来は手前右側にある既存U字溝に傾斜をつけて排水したいところだが、写真のように敷地奥に向けてなだらかに傾斜していた。
「敷地内で排水するためには透水性コンクリートしかなかった」
と説明するのは東北レミコン原町工場佐藤社長。
東北レミコン原町工場。
構内にはドライテックの看板とサンプル舗装が設置されている。
今週は毎日、それも100m2クラスのドライテックの出荷が予定されているという。
毎日100m2の出荷が当たり前になったら?
佐藤さんと車中空想してみた。
今週のように、ほぼ毎日100m2以上の出荷が当たり前になったら。
この問いの立て方は仮に土間コンの常識が透水性コンクリートになったら非現実的ではない。
むしろ、もっと増えるはず。
毎日100m2以上。
毎日12.5m3以上。
1ヶ月稼働日数25日として、312.5m3。
年間、3,750m3。
その売り上げは生コンの2〜3倍。
仮に2.5倍として、生コン換算9,375m3もの売り上げとなる。
これが、透水性コンクリートという「今はまだ当たり前じゃない」生コンに積極的に取り組むことで創造される生コン工場の姿だ。
出荷低迷に喘ぐ地方の生コン工場にとっての福音。
もちろん市場と顧客に届くためには施工者や施主を満足させる必要がある。
そして今施工者と施主にきちんと届くような形になりつつある。
そうすれば、年間10,000m3近い生コンがとある積極的で前向きな生コン工場に新しい需要としてもたらされることになるのだ。
この時代に10,000m3は悪くない話だと思うのだがどうだろう。
これぞ僕が15年前に夢にまで願った新たな生コン産業の形だ。
下りのエスカレーターに乗ってしまった危機感にいてもたってもいられなくなって取り組み始めた透水性コンクリートの生コン工場にとっての意義だ。
それがいよいよ現実のものとなろうとしていることに興奮を禁じ得ない。
「自分が良くなるため」
はっきり言って最初の動機はそうだった。
自分が良くなりたい。
この下りのエスカレーターに乗っていたら30年後の未来はない。
危機感、焦り。
自分だけはなんとか生き残りたい。
その動機はいつの間にかあらゆる経験で変化した。
今ではむしろ、
「自分たち(=生コン産業)が良くなるため」
という意識の方が強い。
人はむしろ自分のためよりも自分の信じていることのために働く方がモチベーションが高くなりやすいようだ。
自分たちのため。
現場ラストマイルで働く全ての人たちのため。
夢にまでみた透水性コンクリートの理想はいよいよ具現化し始める。
宮本充也