2019/01/16
「左官工が1人入るだけで仕事が早い」 拡がる活躍のフィールド

岐阜のヤマジョウ建設さんで採用された【透水性コンクリート】工事で明らかになったこと。「左官工が1人入るだけで仕事が早い」。さすがは建設現場の花形、左官工のポテンシャルを見た。
左官工のポテンシャルを見た
前日にはいなかった左官工の方が1人いるだけで施工スピードが段違いに上がる。写真は透水性コンクリート施工の様子。ジーパン姿のその男(左官工)が1人で100人力。
こちらブロック塀の下地を作るのも、左官工の職人技。専門工として建設現場における期待も高い。#デコブロ (デコレーションブロック塀)は左官下地に打ち放しコンクリートの打ち肌を再現。
左官工の活躍する領域にはこんな意匠材・仕上げ材の施工もある。写真はフッコーの塗り壁を特殊なパターンで仕上げたもの。
日本の職人技の担い手【左官工】の活躍する領域。
担い手や継承者の不足が問題となっている左官工。
建設現場ではやはりひときわ存在感がある。
その技能はあらゆる業種の尊敬を集める。
事実、岐阜のヤマジョウ建設さんで採用された透水性コンクリート。
前日とは打って変わり、1人の左官工の存在がその施工スピードの質を劇的に変化させた。
スピードだけじゃない。
平坦性を確保するための均し作業も正確。
「誰でも施工ができる」を売りにしている【透水性コンクリート】
実際DIYのお問い合わせを一般の方からももらうくらい。
実際にDIYの実績もある。
そんな簡単施工が売りの透水性コンクリート。
それなら、「特殊工【左官】が不要ってこと?」
あまりに短絡的で、大きな誤解。
たしかに身近なものとなった土間コンクリート(透水性コンクリート)施工。
それが実は左官工の活躍のフィールドを広げているという事実はあまり知られていない。
たとえ話として。
「絵画」
という領域が仮に門外不出で特殊な専門家に限定されたものだった場合。
果たして、ピカソやゴッホの名声は今ほどのものになっていただろうか?
今や小学校の美術の時間など、誰でも筆や絵の具に触れることができるほど絵画は一般的。
誰でも絵を描いたことがある。
だから、ピカソやゴッホの凄さが普遍的なものになっている。
それと同じことが、土間コンや#デコブロ にも言える。
身近になればこそ、左官工の実力が適正に評価される時代と言える。
事実各地の左官業組合から寄せられる熱視線。
生コンポータルの【生コンでいいことセミナー 】は全国で開催されている。
中には左官組合の方がご参加いただけるケースも少なくない。
「組合のセレモニーでセミナー やってくれない?」
そんなオファーもある。
建設現場における特殊技能者として憧れの存在。
そんな【特殊】技能は一般に知られれば知られるほど。
その地位は高まる。
世間の尊敬を集めることになる。
どんなにすごい技術や特殊性でも。
知られていなければ存在しないのと同じ。
その意味で、透水性コンクリートをはじめとするコンクリートの新しくて身近な工法は、左官工の活躍のフィールドを広げることに一役買っている。
左官工の活躍のフィールドが拡がる。
それも1つの、生コンでいいこと。
宮本充也