2020/12/12
【東京】「いよいよ2期工事ドライテック完成。3期工事は倍6,000m2へ」岡庭建材工業・前田道路・隈研吾隈研吾

年末の数日間で3,000m2もの規模を誇る東洋大学赤羽キャンパス外構工事ドライテックは巨匠隈研吾によるデザイン。本日(2020/12/12)でドライテックは完成。3期工事では倍の6,000m2もの規模を予定しているという。こんな現場が当たり前になるんだろう。「いよいよ2期工事ドライテック完成。3期工事は倍の6,000m2へ」。
6,000m2生コン材料750m3
アスファルトフィニッシャや生コン車が路盤の上に直接乗り入れて大掛かりな施工が続いていたこの現場。
最後の打設はなんと手作業となった。
3000m2近い規模の現場でも、基本的な施工要領は同じ。
敷設された材料を平坦に均し(水勾配が要らないので真っ平らでOK)、その後を振動プレートで転圧するだけ。
1m2でも、1,000m2でも一緒。
4m2(0.5m3)から納品できる透水性コンクリート《ドライテック》。
袋タイプもある。
1m2、5cm角、どんな小さな面積でも舗装ができる唯一のポーラスコンクリート舗装は「小能く大を制す」なのだ。
この分野は大規模よりも小規模の方が本来は難易度が高い。
15年かけて構築してきたのはこの「全国どこでも0.5m3から現場に届ける」という価値。
元々あった全国に存在する生コン工場を別の文脈で再定義する。
拡大再生産ではなく、資源循環型のハブとしての生コン工場。
特定の会社が自前の資本で供給体制を構築しているわけじゃない。
元々あった生コン工場が新たな役割を付与され市場に新たなプロダクトを供給する。
だから、伸び代しかない。
限界がない。
施工After。
従来のプロダクトのおよそほとんどは最初にこういった大規模案件を志向する。
製造も施工もおよそ自前でやろうとする。
だから、伸び代が限られている。
透水性コンクリート《ドライテック》は元々建設に携わっている人たち。
施工、製造のラストワンマイルたちが元々のフロー、プロセスで市場と顧客に届ける。
だから、10,000m2でも、1m2でも、届く。
電気、水道、生コンだ。
水の次に流通する材料を製造し現場に届けている生コン工場が裏付けだから、「在庫切れ」ってのがない。
スーパープロダクトだ。
いよいよ赤羽キャンパス外構舗装も完成を迎えた。
次なる3期は倍の規模の舗装が予定されているという。
6000m2。
100mm厚で考えれば、750m3という規模になる。
生コンの3倍の価格だったとしたら、2,250m3の売り上げと利益に比肩する。
生コンポータルは静岡県伊豆の国市で操業する田舎の生コン屋さん。
月の出荷量は2,000m3くらい。
この20年で8割ほどの減収となっている。
そんな最中にあって、月750m3(生コン換算2,250m3)は新たな生コン産業の到来を予兆する出来事だ。
そして、それは需要地埼玉や東京で始まっている。
辺境のイノベーションは、インターネットと企業間連携であっという間に全体(市場)に共有される。
地方の生コン屋さん(長岡生コンクリートみたいな)の操業のあり方が変化する。
2個1、集約化、撤退。
生コンといえば、ともするとネガティブな話題ばかりではあるが、資源循環、エコ、SDGsの視点で眺め、その世界を具現化すると、決して暗くない産業であることがわかる。
今はまだ辺境の変化、大規模案件、750m3。
でも、これは、5年以内に生コンの当たり前になる。
人口減少の影響をダイレクトに受け低迷する生コン産業にあって、こうした大規模案件の発生は悪くない知らせだ。
これからさらにどん底を迎える(従来の文脈で製造されてきた)生コン市場。
今こそ口だけじゃないSDGs、資源循環にハンドルを振り切ろう。
生コンの未来は明るい。
大地を削らない、汚さない、蓋しないコンクリート。
次なる生コン産業の役割は環境再生だ。
宮本充也