2019/11/29
「既存枠組みとの2分法ではなく関係性のアップデート」建設ECコミュニティ第1回定期交流会(その2)

環境技術を流通させづらい既存枠組み(施工・製造・流通)を批判する立場ではなく、その枠組みを新しい時代の文脈に沿ってアップデートする。誰も否定されない。アンチテーゼではない。そんな関係性の模索。
施工・製造・流通を新しい関係性として定義してみる
カーポート&透水性コンクリートという今後エクスショップ(https://www.ex-shop.net/)でのネット販売が始まるキラーコンテンツの【施工】の体験する。
透水性コンクリートを【製造】して現場にお届けするのは日本全国どこにでもある生コン工場の役割。
埋もれ光が届きづらかったものづくりラストマイルを市場と顧客にITを駆使して【流通】させ普及させることのできる新小売の存在(写真はエクスショップバイヤーの山田さん)。
施工も製造も流通も「とる」「ひく」じゃない関係性へ。
高度経済成長を支えた枠組みは縦型階層構造に合理性を求めた。
結果、ものづくりのラストマイルから市場と顧客に至るまで幾重もの階層が生まれる。
その階層を経ていく中で価値は減衰する。
市場が広がる高度成長期なら良い。
「なんでもいいから持ってこい」
市場がそう求めている以上施工・製造・流通は一丸となってフロンティアを求め続けた。
一転収縮局面を迎える。
「もういいや」
市場と顧客はそっぽを向く。
限られた富は階層構造の中で搾られる。
十分行き渡っていたものが突然滴になってしまう。
当然関係性はギクシャクしていく。
でも、その関係性・枠組みにいる誰もが思いやりを持っていないわけじゃない。
製造なら施工や流通がより仕事をしやすくなるモノを作りたいと願っている。
施工ならモノを届けてくれる製造や流通の想いに応えられる形を作りたい。
流通もそんな製造や施工がより価値を生み出しやすい流通を整備したい。
だけど、既存枠組みが規定する関係性はそれを許してはくれない。
ネットや企業間連携は既存枠組みの破壊ではなく再定義。
IT(ネット通販)で生コン(透水性コンクリート)を売りましょう。
こんなふうに書くときっと「既存秩序への挑戦」かのように捉えられてしまうのかもしれない。
ただ、現場にいる僕たちはそんなことつゆほども思っていない。
既存枠組みにいる人たちが悪いのではない。
僕だって既存枠組みにいる人たちの1だ。
既存枠組みが時代の要請にズレているということであって、善悪の問題ではない。
そこを強調したい。
⚫︎施工
⚫︎製造
⚫︎流通
3者のギクシャクした関係性を解きほぐす。
農業革命や産業革命に次ぐ大変革期にある現代のツールITを駆使して新たな関係性を模索する。
縦割り階層構造は「情報格差」を前提に置いていた。
ITはその情報格差を解消することができる。
これまでつながりを見出すことのできなかった施工や製造がITでつながる。
Amazon、楽天に象徴される新しいネット小売と建設がつながり、各地に埋れていたものづくりのラストマイルと市場と顧客がワンストップでつながる。
誰も否定されない。
誰もが招かれる。
階層が欺きや隠蔽を生み出すのでは無い風通しの良い産業構造。
そんな既存枠組みとの2分法ではなく関係性のアップデートを志向しているのだ。
そして、それは一体どんな形を取るのだろう。
縦割りでは無い階層型でもない施工・製造・流通の関係性なんてことは実現可能なのだろうか。
(その3につづく)
宮本充也