2020/09/28
【群馬】「4日連続でドライテック出荷しました!」モトキ建材

「昨日は、群馬県前橋市、そして本日は、群馬県太田市に、それぞれ2.5m3と2.7m3のドライテックを納品いたしました。本日の太田市の現場は、15日の続きでした。昨日の群馬県前橋市富田町の現場は、住宅メーカー様がドライテックを試してみたいとのことで、建売住宅の駐車場の一角を施工しました。前橋の現場の画像を撮りましたので、添付いたします。よろしくお願い申し上げます。4日連続でドライテック出荷しました。今日も1件ドライテックの問い合わせがありました」(モトキ建材中根さん)。
4日連続でドライテック出荷しました
モトキ建材中根さんからお寄せいただいたご報告写真とメッセージ。
「とある地方のとある生コン工場」
当社長岡生コンクリート(生コンポータル運営)もその1だ。
随分前から夢見ていた。
「透水性コンクリートのような《自分たちが主体的に創り出した》生コンが毎日当たり前に出荷するようになったらなんて素敵なことなんだろう」
と。
生コン工場はJIS規格や産業ヒエラルキーという鎖に縛り付けられた悲しい生き物だ。
箸の上げ下ろしまでいちいちチェックされる。
15年前に当社が出会ったチャンス。
透水性コンクリート(当時は「ドライウェイ」)。
当時から今に至るまで、上述の夢を思い描きながら日常業務に打ち込んできた。
「とある地方のとある生コン工場」
だけの出来事で終わらせてしまったら意味がない。
この取り組みに共感してくれる全ての生コン工場とこの大きな夢を果たしたい。
ありがたいことに生コン工場を取り巻く多くの共感者の協力の甲斐あって今では中根さんが寄せていただいたように、
「4日連続でドライテック出荷しました」
それこそ毎日のようにドライテック(透水性コンクリート)という言葉が工場で交わされ実際にその材料が建設現場の元に届くようになった。
少しずつ。
少しずつ、僕たち生コンラストワンマイルを縛り付けている鎖が解けかけてきたように思う。
僕たちが主体的に行動に移し自分たちが納得できる製品を自らが届け市場と顧客を創造する。
誰かが作った市場と顧客に下請け使いっ走りのように唯々諾々と製品を届ける。
そんなんじゃない、生コン産業。
全ての現場でこの「ダレ試験」は行われている。
ペーストが多すぎず、材料の艶の状態も良好であれば施工開始の合図だ。
敷設作業が先行し、端部については写真でも分かるようにタンパと呼ばれる道具で丁寧に締め固められる。
端部以外の広い面はトンボで平坦に均された後にプレートコンパクタ(30kgタイプ)が続く。
30kgタイプのプレートコンパクタで「それ以上沈まない程度」まで転圧すれば締め固め(兼仕上げ)の終了。
施工After。
この面積、ものの1〜2時間で施工完了となる。
通常の土間コンクリートなら生コン車が帰ってもそこから半日はかかるだろう。
もし、この光景が建設の当たり前になったら?
毎日出荷「駐車場や舗装といえば透水性コンクリート」という世界になったら?
未来を予想する上で参考になるものは過去にあるとは言い古されたものだ。
15年前と現在を比較してみる。
15年前、僕たち生コン工場にとって透水性コンクリートなんて聞き慣れないものだった。
ごく稀に佐藤渡辺社のパーミアコンが設計指定されている大型案件の発注に伴って地元生コン組合に引き合いが寄せられ(あるいは製造され)、
「聞いたことあるよ」
という生コン技術者に稀に出会うことがある、程度のことだった。
つまり、
「1日はおろか、1年、下手すると、一生に一度も製造したことがない」
それが、透水性コンクリートだった。
その時代に僕たちは「生コン屋さんの透水性コンクリート」をローンチした。
当然、そう易々と売れるものではない。
「1ヶ月1度も現場がありませんでした」
なんてこともあった。
頑張って頑張って営業して、たまにもの好き(失礼)な方が発注していただく。
その程度の、とある地方の生コン工場が必死でセールスしてようやっと現場がポツポツ出てくる程度。
それが、生コン屋さんの透水性コンクリートだった。
無論、事業性は成立していなかった。
交通費や経費などを考えれば、赤字。
本業(生コン)でようやく積まれた利益を捧げてやっていた。
その当時に切望していた世界。
毎日出荷「駐車場や舗装といえば透水性コンクリート」という世界。
「4日連続でドライテック出荷しました!」
中根さんからの嬉しい報告にその世界がいよいよ立ち現れようとしているのを強く感じる。
生コンが想定していた市場の外に活躍のフィールドを見つけることができる
透水性コンクリートはなにも生コンがもともと利用されていたところを代替するだけのものではない。
⚫︎アスファルト
⚫︎ブロック
⚫︎樹脂舗装
⚫︎砕石敷き
つまりは、地面全てが対象市場だ。
もっといえば、建物の屋上などの温度低減などを期待した新しい市場だって開かれるかもしれない。
そう考えれば、人が創造できる領域全て、ということになる。
「15年前は0」
だった市場は、
「4日連続で出荷しました!」
という当たり前になりつつある。
このことが、生コン産業にどれほどの可能性をもたらすか。
想像力が大切だ。
生コン産業だけじゃない。
生コン産業が作っているのは、「水の次に流通する材料」生コンだ。
その生コンの常識が変われば?
舗装に覆われ蓋されていた大地が再び呼吸を始める。
降雨は舗装や排水設備に阻まれることなく地下水系に還元され湧水や井戸水は蘇る。
植物の根系に水と酸素が届けられ緑陰は実り人々の暮らしを豊かにする。
想像力が大切だ。
15年前には信じられないような奇跡。
群馬のとある生コン工場での出来事。
「4日連続でドライテック出荷しました!」
に触れ、改めて胸に抱いていた夢を再確認した。
想像力が大切だ。
人間が想像しうるものは必ず形になる。
宮本充也