2021/08/30
【静岡】「顔の位置が大人より低い子供やペットの体感温度は7度以上も高い」晴照造園

静岡県伊豆の国市。正蓮寺庭園舗装追加工事。もともと建物は敷地の中で低い場所にあり、流れ込んでくる雨水の排水に苦慮されてきた。前回庭園園路につづき、今回はアプローチ、犬走にドライテック(7号砕石)が採用された。
製造:長岡生コンクリート(担当:Masatsugu)、施工:晴照造園(担当:大矢健晴)
地面はいつも晴れ
アプローチ、玄関前、犬走に採用されたドライテック。
ご住職がお住まいの建物は敷地の中でも低地に位置している。
僕自身こちらに身を寄せる檀家ということもあり、以前から建物周りの水はけについてご相談をいただいていた。
こちらは前回施工が完成していたメイン庭園のサークル園路のドライテック。
裏山から流入してくる雨水の水はけを考慮して前面「地球に蓋しない」コンクリート舗装とした。
ドライテックをたいそう気に入っていただけたことで今回は追加発注。
いよいよ建物周りの水はけ問題を完全解消することになった。
ご住職によれば、今後既設アスファルト舗装を順次撤去、ドライテック舗装を計画されているという。
併設されているこども園の園児たちのことを考えても、アスファルトに比べて路面温度が上昇しにくいドライテックの貢献できる幅は広い。
温暖化に伴いよく知られるようになったように、顔の位置が大人より低い子供やペットの体感温度は7度以上も高いことが知られている。
これが、日本の地面の現在の残念な常識だ。
つまり、95:5でアスファルトに水を大きく開けられているコンクリート舗装の進化が求められている。
アスファルトと違って蓄熱作用のないコンクリートはただでさえ路面温度が下がりやすい。
さらに、ポーラス(水を通すための空隙が内在している)構造であれば水や空気が流通するためさらに路面温度は減少する。
打ち水で気化熱を利用すれば10度以上路面温度を下げることができる。
毎年のように、「今年は異常な暑さですね」なんて挨拶が当たり前になったのは他でもない人類の仕業だ。
そして、この当たり前を癒し以前の当たり前(大地が何にも覆われておらず露わになっていた時代)に戻すことができるのも、テクノロジーを生み出す人類の使命だ。
もちろん、実用上のメリットも大きい。
「水はけ」に悩まされていた敷地もこれで完全に問題解消。
施工の晴照造園の健晴さんの名前のように、雨の日だって、地面は晴れのように一切滞水することはない。
雨が上がれば真夏でも涼しげな風が戦ぐ。
この夏も園児たちの笑い声で境内は溢れていたのだろうか。
水は溢れないけどね笑。
地面はいつも晴れ。
産業人としての使命を感じることがある。
色んな動機で人は働くのだろうけれど、生コン産業に身を置く僕はなんのために働いているのだろうか。
もちろん、生活のためってこともあるかもしれないけど、人は呼吸したり食料を摂取するために生きているわけじゃない。
呼吸や食事はあくまで手段であって、そのためにはお金が必要だから、仕事を通して利益を生み出すことは手段として求められる。
生コン21年目の僕は次第に存在目的のようなものを意識するようになっている。
自分の職業領域を通してどんな貢献がしたいのか。
インターネットを通じて多くの一般消費者の喜びの声に触れることができた。
一様に雑草や水はけ問題を解消できたこと、水勾配が要らず平らにできたこと、そんな快適さを喜んでくださっている。
SDGsの例を引くまでもなく現在地球環境の悪化は深刻だ。
50代以上の人は一様に自分が幼少時代を過ごしていた頃の環境との違いを指摘する。
異常だ。
この異常さをさらに10年、20年続けたら、僕が仕事をそろそろ引退しようかなんて時代には、一体地球はどうなっちゃうのだろう。
先日誕生日を迎えて今僕は43歳。
いわゆる、働き盛りを迎えている。
今後産業をリードしなければならない世代という自覚もある。
そんな生コン産業は果たしてどんな道を選ぶべきなのか。
95:5でアスファルトに大きく水を開けられた状態でいいのか。
CCU、中性化によるCO2固定、理屈では地球の渇きを癒す手段はすでに確立されている。
理屈や夢を語るだけじゃダメだ。
それを形にするのは全国で実際に生コンクリートを製造し販売している生コン工場の責務。
僕がやらずに誰がやる。
大地はコンクリートのように固いスポンジで癒すべきなのだ。
宮本充也