2020/11/01
【京都】「連日ドライテック 今日はカラー」「1.5時間の柵の外へはみ出し始める生コン」吉岡商店

日本全国のパートナー(生コン製造者や施工者)から毎日寄せられる透水性コンクリートの共有。メッセンジャーやLINEなど現代のツールを用いて届けられる透水性コンクリートの施工の様子。大地に蓋しない先端コンクリートテック《ドライテック》はこれまで繋がりようがなかったものづくり現場ラストワンマイルの才能を解放し有機的に繋ぎ始めている。
連日ドライテック 今日はカラー(吉岡商店)
京都の吉岡商店吉岡広光さんからLINEで届いた施工風景。
⚫︎参考記事: 【京都】「なぜ、ドライテックは《顔料》添加ではなく《トップコート》なのか」
この前日にも通常色のドライテックの施工の様子が共有されていた。
このように、全国それぞれの地域で生コンに携わっている多くのパートナーから「楽しそうな」施工実績の様子が共有される。
お一人お一人、インターネットと企業間連携のなかった時代には、それぞれの地域で、
「組合 or アウト」
という二者択一のみの枠組みの中で、JISが要求する生コンを製造し地域の顧客に届けるだけだった。
地域や枠組みを超えるということはなかった。
ましてや、京都の生コン屋さんが静岡や群馬の生コン屋さんと喜びを分かち合うなんてことはなかった。
せいぜい型にハマった組合(または別の)有志の会みたいな団体が受け皿になって別の地域の生コン屋さんと真面目な研修という立て付けであまり具体性のない交流を行う。
夜になればお楽しみ宴会・懇親会でハッスル。
その程度ではなかっただろうか。
喫煙所の足元に採用された透水性コンクリート。
コーポレートカラーの顔料を配合されたドライテック。
勾配がうまく取れておらず、もともとこの場所は水が流れてきて足元ビチャビチャだった場所だが、こうして水を通すコンクリートで嵩上げしておくことで問題解消。
そんな、ドライテック。
実際、どれほど水が抜けるのか?
それも、前日に施工が終わっていたドライテックの透水の様子を吉岡さんは共有してくださった。
お分かりのように「ザル」だ。
少しも水がとどまってくれない。
これなら、問題解消にも納得してもらえるだろう。
繋がる、現場ラストワンマイル。
20年前生コン工場に入職した時には想像できなかった。
「え?出張無いの?」
それもそのはず、1時間半以内に荷下ろし、というJISの厳しいルールがある。
生コンは地場産業。
半径1時間半の外には出る理由がない。
その柵(さく)の外に行っても、商売やビジネスがない。
だから、柵の中の人たちと来る日も来る日もずるずるべったり。
これが、健全な状態だと思う人はいないはずだ。
僕はもともとひと所にじっとしていられない性質だったこともあり、とても耐えられなくなった。
外へ、外へ。
その思いに答えてくれたのが透水性コンクリートを始めとする先端コンクリートテックだった。
こうしたきっかけを得て、柵の外の人たち、例えば神奈川の桜ヶ丘生コンの依田専務や岐阜レミックマルハチの山下社長、千葉の佐倉エスオーシーの金塚専務、大阪は寝屋川コンクリートの山路工場長らとの交流が広がっていった。
あれから15年の時が経過した。
国内外問わず多くの人々との交流が当たり前になった生コン業。
僕自身、来週の打ち合わせの相手は、京都・岡山・滋賀・東京・徳島・愛知など、20年前であればまず間違いなくご一緒してなかった人たちと行われる。
静岡県民がいない笑。
時が立ってみると、常識はいくらだって変わっている。
インターネットと企業間連携という現代の手段を駆使して色々な常識が再定義されようとしている。
京都、群馬、青森、沖縄。
従来であれば考えられなかった人と人との交流はさらに加速して僕たち業界の当たり前を変えてしまうことだろう。
「連日ドライテック 今日はカラー」
ちょっとしたこうした共有の積み重ねは生コン現場ラストワンマイルの集合的意識に少しずつ蓄積されていく。
有機的に結びついた僕たち現場ラストワンマイルはこれから世界の景色を変えていくことになる。
「1.5時間の柵の外へはみ出し始めた生コン」
宮本充也