2020/08/02
【岐阜】「舗装(土間)は建物(家)と同じくらい目立つ」視野専有率・勾配・平ら・トップコート #1

岐阜県中津川市馬籠。新築戸建て住宅の前庭舗装。家の顔ともいうべき最も目立つ大面積であるため、施主の希望でトップコートを施工。平らで高耐久性の舗装がわずか2日間で完成した。透水性コンクリートの隠れた性能「視野専有率」という面からその性能を解説。
製造:中津川生コン有限責任事業組合 落合工場(担当:山本)、施工者:裁建築(51m2、80mm厚、生コン5m3、2名、2時間)。
舗装(駐車場の表面)は家と同じくらい目立つ
施工Before。
考えてみれば当然のことだけれど、家は家単体で成り立っているものではない。
通常は家の周りに「庭」という空間があって、植栽やカーポート、フェンスなどの構造物、そして駐車場などの地面と組み合わさって、「家」となる。
ただ、どうしても(あるいはハウスメーカーの営業の口車に乗せられて)家・建物の方に目が行ってしまい、ついつい後回しになって庭に予算がつかないなんてケースもある。
結果、「庭は後回しでいいか」みたいなことになって引っ越してから毎年夏には繁殖する雑草に悩まされる、いけてない殺風景な庭に寂寞を感じる、など新築あるあるとなっている。
その庭において最も目につくといっても過言でないのが、駐車場などの舗装。
そこには、平面と立面しかない。
立面は家の壁で、平面は地面。
家と同じくらい視界を占有しているそこ(舗装)が、「いけてない」と家全体の雰囲気が「いけてない」になる。
賢いお施主さんはそのことをよく理解しており、アプローチ・犬走りや駐車場の平面にも気を使う。
今回の現場はそんなお宅だった。
なんと、たった2人で51m2を2時間で土間を施工できるのは透水性コンクリートの強みといっていい。
一輪車で材料を均一に配り、そのあとをトンボで均して行く。
平坦性が確保されたらその後はプレートコンパクタ(30kgを推奨)で転圧すれば終了。
見事「真っ平ら」に転圧されている。
通常の土間コンクリートの場合水を通さないため、「真っ平ら」では「水たまり」を意味する。
水はけが悪く雨上がりいつまでもそこはジメジメとしていることだろう。
立面が地面に対して90度であるのに、舗装に少しでも角度(勾配)がついているというのは「仕方ない」ことだったとしても、直角の方が「映える」に決まっている。
最も視界を占有する壁と地面が見事直角で綺麗だったら、家の雰囲気もグレードアップだ。
設計の方もきっとご存知ないだろうけれど、「透水性コンクリートなら建物の壁と地面の舗装は直角にできるんです」である。
施工After。
かくして真っ平ら(壁と直角)の施工は完成した。
#2ではさらに視界専有率の高い舗装を施主の好みの色にする「トップコート」について紹介予定。
このブログを書いていて改めて気づいたのだが、「水勾配いらない」ってことは「まっ平にできる」ということであり、さらには「壁と直角」ってこと。
一つの価値でもそれを連想ゲームのように色々と変換して行くと、新たな価値が生まれる。
「視界専有率」という言葉もブログを書きながらあれこれ考えていたら浮かんできたワードだ。
家の視界専有率なんて新しい言葉なのではないだろうか。
で、早速ググってみたところ「視界」ではなく「視野」、視野占有率という言葉は存在している。
空間をどのように感じるかという意味の遠からずな建築用語のようだ。
透水性コンクリートを視野専有率の面から考える。
視野専有率の高いそこ(舗装)が「ダサい」ということはつまり「家がダサい」になる。
これは、なんだか朝から新しい発見のような気がして興奮してくる。
#2に続く
宮本充也