2016/12/25
「コンクリート知られる元年」 ALL CONCRETE

未だに、「水を透すコンクリートあるんですよ」なんていうと、
「え?」
なんて、なる。
僕の身近はさすがにご存知の方が多いけれど、
一般にはやっぱりコンクリートは水を透さない固い塊ってイメージ。
先日、博多駅前で大規模陥没事故が起きて、
その復旧に使用されたLSS流動化処理土が世界の称賛の的になり、
報道されまくったおかげもあって、LSSの売れ行きが好調。
もちろん、売上が上がることもうれしいけれど、
「お役に立てる」
ということがとてもうれしい。
LSSの場合は7年もやってても
「え?LSSなにそれ?」
みたいな感じで、ようやくここにきて他力本願な形で日の目を浴びている。
透水性コンクリートは、10年以上もやっている。
きっと何かのきっかけで適正に「知られる」ようになれば、
すぐに、
「水通すなんてすごいじゃん」
「え?まじ?水たまりできないの?」
「すげー、買う買う」
みたいな感じで火がつくのだろう。
ただ、「知られる」ようになるのは実に実に大変だということもわかり始めてきた。
ITの時代、
確かに安価に情報発信ができるようになった。
そして、僕たちは気づいた。
「情報が埋もれる」
ということに。
よっぽどのことでない限り、「知られる」ようになることはない。
これまで「知られる」の王道だったTVだって最近では万能ではない。
よっぽど本物の価値があって、
なおかついいタイミングでそれが世間に知られないと、
日の目を浴びることにはつながらない。
ここ一年せっせとブログなんぞを書き続けていてようやっとわかってくる。
「知られる」ってすごく大変。
透水性コンクリートが「知られる」きっかけになること。
陥没みたい負のことで考えるとやっぱり、
「ヒートアイランドさらにはゲリラ豪雨における冠水被害」
みたいなことがあるのかもしれないけど、
LSSが衆人環視の元役に立ったように、
「わかりやすくない」
どうしても、予防保全的な技術は派手さがない。
派手にモノが動いて大変な被害が復旧される。
そんなものに人はストーリー性を感じまたそれが注目される。
建設業全般のように人知れず災害が起きないための仕事
→予防保全
はどうしても地味で理解されずあまつさえ、
「公金の無駄遣い」
扱いされてしまう。
本来透水性コンクリート(水たまりのない駐車場)はせっせと路面温度を下げ、
ヒートアイランド現象の抑制に貢献し、
降雨をせっせと地下へ浸透させているというのに。
だからって、知られない(=売れない)のは社会の所為か?
といえば、そうではない。
僕は社会というのはふるいわけ機構の役割を持っていると思っていて、
発信したい価値は時を経て彫琢されてある程度実力が見出されるまでは、
世に出ないようになっている
と思う節がある。
「知られない」
から、
「役に立てない」
と嘆くのではなく、きちんと知られるための努力は、もはや、
「供給者単独」
の努力の範疇を超えたものだと思う。
ALL CONCRETE
という共催プログラム構想がある。
個別団体で自分たちの取り扱っている価値を情報発信することに腐心するのではなく、
コンクリートにまつわるすべて(建設・コンサル・行政・メーカー・メディアetc)
すべてが共同でALL CONCRETEを世間に問う。
情報があふれ、
生半な情報発信ではかえって埋もれてしまう昨今。
セメント新聞に突如現れた猪熊夏子さんが業界内だけじゃなく、
その持前の明るいキャラクターを武器に広く一般にも向けて放つ、
共催プログラム→ALL CONCRETE
LSSが「知られた」だけで一気に世間に認知され役に立ったように、
僕たちが持っているコンクリートの技術は、
とても世間にとって役に立つ価値だ。
その価値は適正に「知られる」ことによって多くの人たちの役に立つ。
「知られる」
それだけで大きな価値を生む。
2016年が暮れていく。
来年2017年は、「コンクリート知られる元年」になる。
僕たちが築き上げてきた技術で、
世のなかをさらによくするために。
宮本充也