2020/07/18
「材料は《高い》のにどうして《安い》駐車場になるの?」土間コン vs 透水性コンクリート

《最もよくある質問》「材料は高いのにどうして安い駐車場になるの?」。消費者(施主)は機能にはそれほど興味はない。わかりやすい「安い」「高い」にしか興味ない。すべての条件で「安い」とは言わないけれど、以下が材料(透水性コンクリートの単価)は高いけど、駐車場(トータルコスト)として安くなる理由。
お庭作りの隠れた費用《排水》という罠
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_1168.html
例えばこんな地形で駐車場を舗装することを考えてみる。
写真ではわからないかもしれないが、手前側の側溝に向けて左手は敷地からなだらかに勾配(傾斜)がついているため水はけは問題ない。
問題なのは右手側は側溝から敷地奥に向けて勾配がついている。
つまり、敷地の一部に水が溜まってしまう地形「逆勾配」。
まず選択肢として考えられるのは、「舗装しない」。
ただ、舗装しなければ夏になるたびに勢いよく繁茂する雑草との格闘を覚悟しなければならない。
だから、舗装する。
以下が、通常の土間コンを舗装して水はけを改良するためにかかる費用となる。
土間コンクリート舗装:142500円(普通の生コンのため安い)
に加えて、
追加U字溝 150 6m
集水桝 1基
エンビφ150 8m
目地 4.5m
計:87,750円
合計:230,250円
1.5日
一方、こちらの現場の透水性コンクリート《ドライテック》の施工費は以下の通り、
ドライテック:228,000円(材料単価が高いため舗装そのものの単価は高い)
以上
合計:228,000円
1時間
また、別のサンプルで比較をしよう。
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/post_1212.html
こちらも見ての通り排水設備が周辺にない環境での舗装工事。
土間コンクリートで施工してスリット目地を入れた時
66m2
土間コンクリート330000円
追加で、
スリット目地型枠 35m
70,000円
合計:400,000円
2日
一方の透水性コンクリートは以下の通り。
ドライテック400000円
合計:400,000円
3時間
《結論》「お値段はちょっと安くなるか、同等くらい。でも、圧倒的に時間は短縮されている」
Time is moneyという言葉があるが、消費者(一般施主)はとにかくぱっと見「安い」が好きなようだ。
警鐘を鳴らしてもきっと「安い」の魅力に取り憑かれてしまうから冷静に聞いてはくれない。
専門的に言わせて貰えば、高い安いには色々ある。
よく知られているところでは、
イニシャルコスト vs ライフサイクルコスト
もちろん、一番安いのは「舗装しないこと」。
ただ、多くの人たちは「舗装しないこと」を選んだ数年後に「舗装する」を選んでいる。
これはイニシャルコストには示されないコストがかかっているからだ。
新築の時点で施工した方が絶対に安く済む。
なのに、最初に「舗装する」を選ばないのは、「安い」が好きだからだ。
戸建て住宅の駐車場に舗装する。
その時に選べる選択肢は、
⚫︎舗装しない
⚫︎土間コンクリート
⚫︎アスファルト
⚫︎透水性コンクリート
それぞれに、それぞれの言い分があるはずだ。
ただ、現実として多くの施工実績を生み出している透水性コンクリート。
上述の解説だけでは伝えきれない「安い」があるからこそ選ばれている。
もちろん、イニシャルが安いことも重要。
ただ、その後、「ぬかるみ」や「水たまり」に悩まされないことにいくらの値札をつけるのか。
さらには、「草むしり」という重労働をしないことは貨幣価値としていくらか。
アスファルトと違って「変性」しないし、滞水しないから「苔」「カビ」が生育しないことは果たしていくらになるだろう。
物事の価値というのは二者択一「安い」「高い」だけでは論じきれないことのようだ。
さらに、圧倒的な時短は「浮いた時間で他の作業ができる」ということを意味している。
それは具体的に「安い」を誘引する要素となっている。
これからも多くの現場の「土間コンではなく透水性コンクリートが選ばれた理由」を紹介していきたい。
庭ライフをエンジョイしたい多くの人たちの参考になれば幸甚だ。
宮本充也