2020/07/23
「設計で《透水性コンクリート》だったけど《土間コン》ならいくら?」目地・タマリュウ・化粧砂利(土間コンクリート vs 透水性コンクリート #4)

《最もよくある質問》「材料は高いのにどうして安い駐車場になるの?」。長年のエクステリア工事経験を有する渡辺まさつぐ監修のもとに始まったシリーズでは、「いまいちはっきりしない透水性コンクリートのコスパ」をじっくり解説。
土間コンだったらいくら?「目地」「タマリュウ」「化粧砂利」
透水性コンクリートが採用されるプロセスにはいろいろとあるけれど、こちらの現場は設計の時点で検討され透水性コンクリートが採用された。
今の時点ではまだまだ「戸建て住宅の駐車場といえば土間コン」が相場。
その相場の中で新しいものを志向する事はある意味「火中の栗を拾う」のように考えられる。
設計士を悩ませる幾つかの問題の中に「排水」があって、水を通さない通常の土間コンの場合、「スリット」といって水切りのために地面を露出させる部分を設けることがある。
また、その場所を路盤剥き出しにしておくのは「意匠」的にNGとなるので、玉竜や化粧砂利などを植栽・敷設することが一般となっている。
水はけのために設置されたスリットの中に敷設されている化粧砂利(出典:https://styleblog.soyokazezakka.com/2019/03/parking.html)
こちらは<strong玉竜(タマリュウ)を植栽したもの(出典:https://styleblog.soyokazezakka.com/2019/03/parking.html)。
透水性コンクリートで施工する場合は排水(スリットやタマリュウ・化粧砂利)を設置する必要はない。
その分追加の費用はかからない。
土間コンvs透水性コンクリート《コスト比較》80.3m2
⚫︎透水性コンクリート
合計:586,190円(7,300円/m2)
3時間
⚫︎土間コンクリート
土間コン:401,500円(5,000円/m2)
玉竜&目地56m:193,200円
合計:594,700円(7,406円/m2)
3日
こうして、今回は間接費用(駐車場、時間、養生)ではなく直接費ベースで透水性コンクリートに軍配が上がった。
戸建て住宅の駐車場舗装では当たり前の座をほしいままにしている土間コン。
ただ、費用面ではそんなに安いというわけではない。
さらに、タマリュウや化粧砂利をあれこれ調べてもらえればわかるが、その後数年で「雑草」にいずれも悩まされているようだ。
ライフサイクルコストを考えても透水性コンクリートに利があるようだ。
いつしかこんな解説記事が不要になるくらい、透水性コンクリートが当たり前の世界にしていきたい。
施主のみならず、施工者にとっても利益の多い土間コンが当たり前にすることは僕たち生コンポータルの使命だ。
生コンは土間コンで多くの苦しみ(長時間労働、クレーム)を生み出していてはいけない。
生コン(先端コンクリートテックとしての透水性コンクリート)はいいこと。
生コンでいいこと。
その伝道者として今日も活動は続く。
宮本充也