2020/08/14
「何でもかんでも安くしろ」ストリートバスケブランド《ballaholic》との協業 #6

世間は夏休み期間中でも毎日開催生コンポータルのオンラインセミナーには全国の熱い建設関係者が集まる。みんなが休んでる時でも、誰かに言われなくても、主体的に新しい知識を得ようとする人たちとの交流はいつも必ず得るものがある。数は多くないけれど、僕たちはそんな熱い皆さんとの出会いを求めている。
受講者:オールラウンド新井代表(北九州市小倉)。
主体性のある建設関係者との交流で生まれること
オンラインセミナーが標準となった生コンポータルの生コンでいいことセミナー。
今回(2020/08/13)受講いただいたのは北九州小倉エリアでエクステリア等建設業を営むオールラウンド新井代表。
夏休みの最中だ。
問い合わせが寄せられたという透水性コンクリート《ドライテック》に関しては既にブログや動画でじっくりと予習されており話も弾む。
これまでの土間コンの常識
- ブリーディングや仕上げなどで作業が1日仕事となる
- 左官屋さんと生コン屋さんの予定が合わず工期がずれる
- メッシュ配筋施工の面倒と打設中の足元の面倒
- いつも頭を悩ませる水勾配の問題
- 土間コン表面に発生する「色むら」と「ひび割れ」でお施主さんとトラブル
- そのほか面倒くさいが沢山
最初に共有される「土間コンクリートあるある」。
全てに実感を込めて「あるある」と頷いてくださった。
新井「梅雨時期は地獄でしたよ」
宮本「ですよね。でも、ドライテックは7月もたくましく出荷を維持したんですよ」
新井「50m2のワイヤーメッシュだと1人でおよそ半日かかりますね」
宮本「ドライテックはワイヤーメッシュが不要なので、生コン車が路盤上に直接進入して直接荷下ろしができるので作業員の配置を合理化できるんです」
新井「犬走で草押さえの土間コンを施工するのは施工そのものも大変だし、水勾配は微妙な調整が必要で、さらには排水設備も設置しなければならない」
これまでの土間コンクリートで培ってきた多くの経験が一言一言に滲む。
土間コンクリートの施工は本当に大変。
それでいてコモディティ化してしまっているので、単価もダンピングされがち。
せっかくいいものを提供してもなかなか評価をされづらい。
「何でもかんでも安くしろ」
そんな心ないお施主さんにいつも気持ちは複雑だったという。
コロナでつくづく感じました。下げたくない頭を下げて無理して仕事するのやめました。仮に儲からなかったとしても仲間たちと楽しい時間を過ごすことを目的にしたい
新しい土間コンの常識
- 夕方から打てる土間コン→完成までたったの30分(住宅外構)
- 午後なら生コン屋さんの予定も入りやすい
- 水勾配を考えなくてもいい、透水性コンクリート
- メッシュ配筋の設置不要、打設作業も楽
- ペーストがないから「色むら」がない「ひび割れ」が見えない
- その他ハッピーが盛り沢山
宮本「そんで、透水性コンクリートのそんな性能が今、バスケットコートに応用されようとしてるんですよ」
新井「実は今日のブログ(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/instagram.html)でそれに気づいちゃったんですよ。まさかバスケにドライテックなんて」
ちょうどその日(2020/08/13)更新したブログはバスケットとドライテックについてだった。
宮本「バスケがお好きなんですか?」
新井「一家4人ともバスケ選手で、地元で子供たちにバスケのスクールも開いてます。ほら、見てください」
ZOOMの向こう側で玄関の下駄箱を示す。
堆く積まれた大量の靴の箱。
新井「これ、全部バッシュです笑」
新井「見てください、これは4万円もするんですよ」
下駄箱から1つ箱を抜き出す新井さん。
画面から「バスケが大好き」が溢れてくるようだった。
新井「よく教えてる子供たちの親御さんから相談を受けるんです。自宅にバスケットコートを設置するにあたって舗装はどうしたらいいかって」
確かに土間コンの場合水勾配(排水のための傾斜)が必要で平坦にならないし、路面が濡れていると滑りやすく危険だ。雨の中練習しても水しぶきがひどい。
一方、このところストリートバスケアパレルブランド《ballaholic》との協業が浮上している通り、ドライテックは従来のアスファルトや土間コンクリートが抱えてきた問題を全てクリアにしている。
さらには、空隙(すきま)が吸音効果を発揮し、近隣からの苦情の原因ともなりがちなドリブル音も低減することができる。
宮本「土間コンだと埋れてしまってるからお客さん側も《なんでもかんでも安くしろ》みたいなこと言い出しかねませんけど、ドライテックに対してもしそんなことを言うお施主さんがいたらハネつけちゃいましょう笑」
新井「そうですね。もう、コロナの時期に散々感じました。下げたくない頭を下げて無理して仕事をするのはやめました」
ほんの30分ほどのセッションだったけど、画面を通して心が通じ合えた気がした。
きっと《ballaholic》のバスケコートだって普通の土木施工会社が施工するよりも「バスケが3度の飯より好きです」な新井さんのような方に施工してもらったほうがいいものができるはずだ。
8月27日に白石建設さんで行われる《ballaholic》の岡山市バスケコート設置の打ち合わせにも気持ちよく参加を約束してくれた。
こうして夢のバスケットコートは情熱ある大人たちの手によって形になっていくのだろう。
「なんでもかんでも安くしろ」
残念なことに仕事をしているとこうした消費者との接点を持つことが多い。
気持ちはわかる。
一生に一度の買い物でヘタ打ちたくない。
なるべくお金は払わず、他に回せるものなら回したい。
僕だってコンビニで水買うときは一円でも安い(あるいは多い)方を選ぶ。
ただ、製造者・施工者はそれぞれ事情を抱えて仕事をしている。
ネットで1クリックで購入するんじゃなくて、目の前の相手はあなたや僕と同じ人間だ。
ものづくりにそれなりの熱情を燃やして使命感を持って誇りを持って打ち込んでいる。
(残念ながら、そうではな人もいるから物事は複雑になる!)
真剣にものづくりに打ち込んでいるそんな相手に「何でもかんでも安くしろ」は失礼に値する。
まずは、その製品の価値をしっかりと見つめよう。
絶対価格だけで比較するのではなく、その製品が持っているあなたの人生にもたらすだろう価値を見つめてみよう。
それでも透水性コンクリートが購入に値しないのなら黙って立ち去って欲しい。
僕たちはそんな人にペコペコ頭を下げて押し売りするような仕事はしない。
価値をわかってくれる人に割く時間が奪われるからだ。
あなたはどこにでもあるような規格化された誰とも同じような製品を購入しどこにでもあるような誰とも同じような規格化された人生を過ごせばいい。
それはそれで幸せなのだろう。
僕たちはそれを選ばない。
たった、それだけのこと。
みんなが休んでるとき、誰に言われるでもなく仕事関係のセミナーに参加する人はやっぱり普通ではない。
およそ毎回素晴らしい出会いに恵まれている。
真剣にものづくりに取り組んでいる人との交流はやっぱり刺激が多い。
そんな人たちとの交流を今日も、明日も、できることが幸福でならない。
そんな人たちとの共同の末に、素晴らしい日本の地面の常識が創造されることだろう。
自然と人が調和する世界を創造するコンクリートテック《ドライテック》。
大地に蓋をせず、降雨は植物の根系や地下水系に水を届ける。
緑陰は実り、湧水や井戸水は蘇る。
そんな世界。
誰が作れるかって、どこにでもいるような普通の人じゃなく、熱情を燃やしてものづくりに打ち込んでいるあなたと僕が作るもの。
宮本充也