2020/06/21
「フェラーリ、BMW、スポーツカー。車高短(シャコタン)どんと来い!透水性コンクリート知られざる性能」駐車場・土間コン

友人の別荘を訪ねて聞いた話。「スポーツカーだと車高が低すぎてちょっとしたスロープで車体を擦っちゃうんだよね」。ここではたと気づいた。透水性コンクリートなら「ちょっとしたスロープ(水勾配)をつける必要がない」。真っ平らでも排水に困らない。「フェラーリ、BMW、スポーツカー。シャコタンどんと来い!」
車好き集まれ!透水性コンクリートなら自宅の駐車場が真っ平らにできます!」
スポーツカーなどで通常の車高(左)よりも幾分低くなることをシャコタンと言う。
仲間たちで休暇を過ごしに集まった食事の時にBMW(右)を所有する友人の一言。
「スロープがあると腹(車体)を擦っちゃうんだよね」とこぼした。
都心に暮らす彼にとって一戸建ての駐車場はそれほど広くは確保できない。
さらに、水はけを考えた場合出口方向に向けて排水のための急な傾斜(水勾配)を設置することになる。
「ズズズズズ」
気をつけてはいてもたまに彼の愛車のお腹は擦れてしまうと言う。
これは車(スポーツカー)が好きな人たちにとってのあるあるなのだそうだ。
山中湖に集まって長閑なバーベキュータイムでの一幕。
友人のそんな一言にはたと気づく。
「透水性コンクリートならそんな悩みが解消できるんじゃない?」
「あー、そうだね!しかも車いじり(メンテナンス)でジャッキアップの時にも平らだと安心・安全だしね」
透水性コンクリートの価値とは水を通すことではなく舗装を真っ平らにできること
都心の住宅地だと駐車場を広く取ることは難しい。
狭ければ狭いほど排水は難航し、傾斜も急になっていく。
「夢のスポーツカーを買ったはいいけど出入りの際毎回車体を擦ってます」
洒落にならない。
15年前透水性コンクリートに携わり始めた頃に僕たちはその価値を「水を通すコンクリート」だと思っていた。
実際、コンクリートは水を通さないのに、このコンクリートならザルのように水を通すのだから、これが価値なのだ、とそう信じていた。
「水を通すコンクリートなんですよ、すごいでしょ」
「すごいね」
感想はもらえるけれど、売れない。
「すごい商品や高性能の商品、つまり《良い》ものは売れない」
至言としている。
すごいとか高性能とかではなく、顧客は「欲しいもの」を買う。
普及活動の過程で気づいたことだった。
だから、相手に応じて伝え方を変えて行った。
相手が施工者だったら、「30分で仕事が終わるんですよ」とか「水勾配に悩まなくなりますよ」。
施主相手には「真っ平らにできるのでバスケットコートにもなるし水たまりも出来ませんよ」。
これではちょっとした段差や傾斜でも楽勝で車体を擦ってしまうはずだ(出典:https://motorz-garage.com/topic/detail/4443)。
僕自身車に全く頓着しないから気づかなかった。
最終的にスーパー土間コンたる透水性コンクリートを購入するのは一般の人たちだ。
生コンについて詳しいわけでも、施工について熟知している人でもない。
普通の人たち。
その人たちはそれぞれに事情を持っている。
それぞれに優先順位が異なる。
僕にとってどうでもいい車を何よりも大切にしている人だっている。
そんなあらゆる人たちの目線から逆算して「透水性コンクリートが提供できる価値」。
それが、「良いものではなく、欲しいもの」。
透水性コンクリートの機能を出発点にするのではなく、顧客(一般の人たち)の嗜好をスタート地点に透水性コンクリートが提供できる価値について常に敏感でいなければならない。
山中湖の美味しい空気を存分に味わいながら考えていたことは概ねそんなところだった。
宮本充也