2020/12/13
「CO2ゼロは生コンに任せろ!」次なる透水性コンクリート《CO2固定化》CARBON CURE

もしも、地球に蓋しないコンクリートで舗装されればされるほどCO2発生がゼロに近づくとしたら。元々CO2は石(石灰岩)から発生していた。そのCO2をまた石(人口石としてのコンクリート)に戻す。次なる透水性コンクリート《ドライテック》は、「CO2の里帰り」。本来あった場所へ。
CO2ゼロは「水の次に流通する材料」生コンに任せろ
⚫︎参考記事: 《CARBON CURE》「CO2を具体的に減らすことのできる生コンクリート」RRCS・三菱商事
セメント量が減らせる、先行投資が要らない、簡単に実装できる。
理屈は非常に簡単だ。
CO2を変換して生コンクリートに科学混和材(剤)として配合する。
生コンが出荷されればされるほどCO2の排出抑制が図られる。
CO2が由来のその混和材(炭酸塩?)を配合する分、セメント量を減らすことにつながる。
単純に、その混和材(CO2由来)の費用分はセメント量の減少で賄える。
さらに、写真のようなタンク単位で購入する。
出荷単位でドラムホッパーから直接混和材を投入。
つまり、このコンクリートが出荷されればされるほど地球のCO2排出は0に近づく。
コンクリートとCO2元々の関係性。
生コン・セメント産業におけるCO2は元々石灰岩に含まれていたものを工場で燃やされて空気中に発生していた。
全産業の8%。
これが、セメントが排出しているCO2の量だ。
中性化という現象が知られている。
セメントが製造され、原料として生コンが建設現場に届けられ、ビルやダムなど構造物となる。
そのコンクリートは数年、数十年経つと表面から少しずつ表面から中性化することが知られている。
強アルカリのセメントコンクリート徐々に時間をかけて大気中のCO2を里帰りよろしく人口石(=コンクリート)の体内に戻す。
ただ、この現象には致命的な欠陥がある。
コンクリートそのものは中性化しても特に問題がないものの、現代の繁栄を支えてきたミラクル構造物鉄筋コンクリートが中性化すると内部鉄筋の不動態被膜が破壊され鉄筋が錆びる。
鉄筋が錆びると2〜3倍の体積膨張をすることでコンクリート構造物を内部から破壊する。
そのため、中性化は基本的にセメントコンクリートでは忌むべき現象として認知されている。
その点、CARBON CUREをはじめとするCCU技術のイノベーションは、鉄筋コンクリートであったとしても中性化のような懸念が起きないという点でもある。
表面だらけのポーラスコンクリート(ドライテック)の中性化進行。
透水性コンクリート《ドライテック》とCCU(Carbon Capturing & Utilization)のコラボは奇跡的と言っていい。
このところこの着想に夢中になっている。
ドライテック(ポーラスコンクリート舗装)は転圧コンクリート舗装の一種だ。
配筋の敷設をしないことが原則であるため鉄筋コンクリート構造物の致命的リスクである中性化が問題とならない。
つまりどれほど中性化してもいい。
WELCOME 中性化!
(中性化による無筋コンクリート強度や耐久性上の大きな懸念はないと考えられている)。
さらに、水を通すための連続空隙はそのまま空気の流通を許す。
通常のコンクリート構造物の場合大気に触れる面積は限定的(表面だけ)だが、ポーラスコンクリートは内側まで表面。
表面積の計算についてはこれから多方面に相談をする予定だが、水を通す面が全てCO2を固着すると考えれば従来のコンクリートに比べてそのCO2吸着度合いは高いことが容易に想像される。
JIS規格の呪縛がないというメリット。
これまで新技術がすぐに普及することが難しかったのが、規格を取得するための障壁だったと言っていい。
特に構造物などその欠陥が甚大な被害をもたらす可能性のある分野のコンクリートについては長年の技術的検証が必要となる。
そのため、どんなに素晴らしい技術であったとしても、一定期間の検証と規格化が条件となってきた。
一方、ポーラスコンクリート舗装。
ドライテックの主戦場は歩道や駐車場(あるいは今後は道路)となっている。
その分野のコンクリート舗装は構造物コンクリートに比して規格の要求が低い。
火のように普及が始まっているドライテック(JIS外品)の様子を見れば一目瞭然だ。
ドライテックのようなコンクリートであれば今から、明日から、すぐにその新しい混和材を配合することができる。
地球に蓋しないコンクリート舗装が普及すればするほど、地球のCO2は減少する。
地球に蓋して、CO2を排出するコンクリート舗装と、大地を削らない汚さない蓋しないばかりかCO2を固着するコンクリート舗装。
これは市場や顧客を超越した地球環境全体のニーズだ。
大地をこのコンクリートで舗装することが神から授かった使命のようにも感じている。
生コン産業の一員としてはこの事業をしないことは罪とすら思える。
来年から全力でこの事業に心血を注ぐ。
宮本充也