2020/01/06
「DIYで家の犬走りをコンクリートで作りたいのですが」水セメント比

頼まれてもいないのにWEB上で展開される生コン問答に関してプロが答えるシリーズ。中にはなかなか骨のある質問を寄せる素人も。「DIYで家の犬走りをコンクリートで作りたいのですが」。
コンクリートの固さを決める唯一要因「水セメント比」
(以下原文ママ、太字が回答)
2013/11/2023:23:28
DIYで家の犬走りをコンクリートで作りたいのですが。人が歩いたり、アルミ縁側みたいな物を置く場合コンクリートの比率として(セメント:1)(砂:1)(砂利:市販で売っている袋半分ぐらい)、でも強度的には問題ないでしょうか?
>コンクリートの強度を決めるのは、水セメント比となります。「質量でセメントに対して水がどれだけ入っているか?」が強度の大小を決め、砂や砂利の割合は施工しやすい・しやすくない程度の意味しかないと言っても過言ではありません。
>犬走に用いるコンクリートであれば、水セメント比は65%以下もあれば十分だと考えます。また、砂と砂利の比率は強度的にはなんの影響もないため、ご質問の通り「問題ない」といえます。ただし、砂利が多すぎると施工がしづらいなどの別の問題もありますが、その割合であれば問題ないでしょう。
下地は赤土を締めて、砕石を50~75mmほど敷き、メッシュ3mmを浮かせコンクリートを同じく50mm~75mm程度敷き詰めようと思っているのですが、可能でしょうか?
>可能かどうかであれば、「それはあなたの腕次第」が回答になると思います。そもそも犬走にに求められる性能は高くない(アルミ縁側が置ければOK)ので、その範囲で施工を頑張ってください。
混ぜる水の量はどのくらいでしょうか?DIYの先輩方、プロの方、知恵をお貸し下さい。宜しくお願いします。
>混ぜる水の量は上記「水セメント比」をご参照。また、こうしたWEB上の無料相談掲示板には少なくともプロの方は書き込みをしない(あったとしてもなんちゃってプロ)ので、鵜呑みにしないよう注意が必要です。
(以上)
水セメント比はコンクリートの強度を決定する唯一の要因。
そもそも誤解されている。
「生コンは乾けば固まる」
という誤解。
「乾いたから乗っていい」
見た目は確かにそうかもしれない。
ただ、生コンにたずさわる人たちは一般に対して声を大にして言いたいことがある。
「コンクリートの硬化は化学反応」
ということ。
水和反応。
水とセメントが化学的な反応を起こす。
すると、結晶構造物が生成される。
して、固まる。
これが、水和反応となる。
「ぬかるみが乾いたから硬くなりました」
みたいな単純なことではない。
「単純=バカ」
みたいなところがあるから、「実は生コン複雑なんだぞ!」と言いたい気持ちは生コン関係者にはどうしても拭えない。
だから、生コンの固さを決める本質的な条件(例外もあるが)は、水セメント比。
これだけ覚えておけば間違いはないくらいだ。
砂とか砂利の割合はそもそも「均しやすさ」くらいにしか価値がないと思ってもらってOK。
もっといえば、「なくてもいい」。
「セメントだけだと非常に高価になってしまうから入れてる」
くらいの認識でDIYの場合はOKだ。
今回取り上げた素人の質問はよく事前に勉強されている。
そもそも「犬走」なんてことばよくぞ使った。
https://www.nr-mix.co.jp/niwakon/cat1/post_163.html
(※参考記事:『犬走り』って?コンクリート?コケやカビは?水たまりは?その対策はどんな方法がある? )
このところ思うことがある。
これまで生コン産業も含めた全産業は縦割り内向きで発展してきた。
SDGsやらサステナビリティやらサーキュラーエコノミーやらこのところの時代の要請に対応する1つのアプローチに「外への情報発信」があるように感じる。
そんな視点から眺めると生コンは社会一般と乖離しすぎているように思うのだ。
「どちらが正しい」
というのではない。
両者に溝がありすぎるということを主張したい。
今後こうした活動を通して社会の一部としての生コンに関する意識を高めていきたいと思う。
宮本充也