2021/01/20
【千葉】「隣の土間コンは水たまり」「とにかく《安い》からDIY」東邦レミコン

千葉県印西市。DIYといえば、「自分で作るから愛着が出る!」楽しげなイメージが先行する中、今回のお施主さんは「とにかく安くしたいから」「業者に頼むと予算オーバー」「自分でやれば安くなるから」「真っ平らにできなくても水たまりにならないから」どちらかというと消極的な理由。それでも見事完成! (二見メンバー共有)。
製造:東邦レミコン(担当:川名敏勝)、施工:DIY(44m2、3名、4時間)
隣の土間コンは水たまり
隣の土間コンは水たまり。
過酷な現実を目の当たりにしていた。
とかくDIYといえば、友達呼んで鈍った体を動かして「いい汗かこうぜ」みたいなイメージが先行する。
一方、今回のお施主さんの場合はDIYやものづくりにそもそも愛着や憧れがあったわけではない。
業者に「土間コン」「ドライテック」それぞれ見積もりを要請したところほぼ同額だったという。
「なるべく安くしたい」
DIYにすれば確かに材料代だけ(あるいは施工指導員の派遣費用)で完成する。
確かに、安い。
さらに、プロのように仕上げの平坦性が仮に確保できなかったとしても、水を吸い込む性能があるから水たまり問題は避けることができる。
これまでのDIYとは違ってやや消極的な採用理由ではあるが、これこそが普及してきた証拠なのだと実感する。
施工Before。
生コンポータルにて現場近隣の生コン製造・東邦レミコンをお手配。
日本中どこでも人がいる地域なら(あるいはいなくとも)あるのが生コン製造者。
生コンポータルの使命は、「生コンをもっと身近に」。
これまで縦割り・階層で分断されてきたあらゆるリソースを統合することで新しいもっと役に立つ生コンが創造されるはず。
「安いから」という採用理由だって立派なもの。
生コンが身近でなければ自宅の駐車場が「安い」なんてあり得なかったはずだ。
ロットの変わり目あたりで休憩を挟むために施工ジョイントを設置し一旦施工を完成させる。
多少余った材料は次のスパンの下地に回し2台目の正確な数量を計算しオーダーをかける。
ものづくりに興味関心があるわけでもなく、DIYが好きなわけでもない一般の方々の施工。
それでも、事前の予習や施工指導員の立ち合いにより粛々とフローが流れる。
施工After。
44m2(使用材料5.5m3分)は DIYerというわけではない一般の方々たった3名で4時間で完成。
半日で自宅の駐車場が完成してしまうなんてこちらからすればものすごいこと。
ものづくりとか好きとかではない。
全然、好きとかではない。
普段、趣味で何か作ったりしてるわけではない。
お手伝いのご友人の皆さんも同様だった。
業者から提出された見積もり「土間コン」「透水性コンクリート」いずれもそれほど大きな差がなかった。
「安くしたいからDIY」
ただ、それだけの希望を叶えることができるから、自分でやった。
横文字の少し浮かれたイメージのあるDIY(Do It Yourself)とは程遠い。
「とにかく安くしたいから」
「業者に頼むと予算オーバー」
「自分でやれば安くなるから」
「真っ平らにできなくても水たまりにならないから」
施主自らの手でそれらの希望は叶えられた。
「自分で施工できる」充実した予習コンテンツでより身近な透水性コンクリート。
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通常の生コンクリートで仕上げる土間コンはハードルがかなり高い。
まず、生コン産業の構造がBtoC(一般向け)とはなっていない。
だから、まず、何をしたらいいかわからないようになっている。
BtoB生コンは一般を相手するようにはなっておらず、基本的には地元の施工業者、あるいはゼネコンを相手に材料を組合、商社経由で販売している。
生コンポータルが拓いたイノベーションの1つに、生コンBtoCがある。
産業構造が縦割り・多段階で世間からの分断が甚だしくまるで身近ではなかったために、誤解されせっかくの価値が減衰していることに課題意識を持ったことによるものだ。
既存の流通構造を否定するものではない。
生コン産業側の一方的な押し付けではなく、市場と顧客に「選べる」を提供しなければあらゆる産業がそうであるように衰退の一途しかないはず。
IT(情報発信)や企業関連携(生コン工場や施工者のアライアンスと見える化)を行うことで縦割り・階層から流動的な産業構造を志向する。
施工業者一覧
市場と顧客にとって「よくわからない」ではなく、身近でよく知られている産業になることで広がるチャンス。
何も、みんなDIYすればいい、という主張ではない。
自分たちが努力して自分たちのことを知ってもらうように働きかければ、そこには思いやりや尊敬が生まれるはずだ。
僕たちプロ、生コンラストワンマイルの価値は晒されたからといって貶められるものではない。
適切に知られることでより向上するはず。
知られていないことは存在していないのと同じこと。
一昨年末あたりから急に増えてきたDIYでドライテックを施工するケース。
今回のように決して積極的ではないながらも選ばれるようになったればこそ、標準的プロダクトのポジションを獲得できるのではないだろうか。
そのためには特定の企業やグループだけではない。
もっともっとこの分野にいろんな才能が集まり市場を充実させていくべきだと思う。
透水性コンクリートなら水たまりにはならない。
隣の土間コンは水たまり。
こんなシンプルなことでも、知られていなければ届かない。
「きちんと舗装されぬかるまない」という現代の利便性。
「地球に蓋しない、降雨が地下水系に還元される」という環境調和性。
知られていないだけで、現代のテクノロジーは失われてしまった自然と人の関係性を再生する力を持っている。
テクノロジーは飽和している。
僕たちが在すべきことは産業の再定義を行うことによって流動的で選べる産業構造を確立することだ。
宮本充也