2020/05/13
【注意】「白く乾いてしまった材料はくっつきません!」転圧タイミング・DIY

普及が加速する透水性コンクリートは「施工したことないけど、とりあえずやれるっしょ」とばかりに十分な準備もせずに取り掛かる施工者もある。もちろん、初心者でも施工できるくらいなんだけど、それなりの準備はしてからにしてもらいたい。よくある質問、転圧のタイミング。「白く乾いてしまった材料はくっつきません!」。
DIYできるほど簡単と言っても施工前には特性を理解しておこう
転圧中にこぼれてしまった材料(乾いてしまっている)を足で仕上がり面に載せている。
これはいけない。
生コン屋さんでは納品に先立ちこうしてきちんと性状を確認している。
空隙(水を通すための隙間)が潰れていないこと、骨材(小石)に艶があること(乾いていないこと)を確認する。
容器から材料を排出した時にペーストがまるでついてない(乾いている)のはだめ。
逆に、べったりとペーストがついている(容器の向こう側がまるで見えない)ようでは空隙が潰れる懸念があるためそれもダメ。
適切な水分量管理が鍵になる。
先ほど足で蹴って載せられた白く乾いた材料の部分(端部)。
残念ながら白く乾いた状態で指で押すと簡単に動いてしまう。
これではいくら時間が経ってもこの部分はポロポロと剥離してしまう。
転圧は骨材ツヤ(テリ)が落ち着いて、白く乾いてしまう前のタイミング
おそらく透水性コンクリートの施工で最も慎重を記すべきポイントがプレートコンパクタによる転圧(締め固め、仕上げ)。
写真のタイミングがベストだ。
骨材はまだ水分を帯びている。
ここから30分ほど経ってしまうと白く乾燥し始める。
そうなったらアンタッチャブル。
その時点で転圧(振動)を架けようものなら凝結し始めたセメントがバラバラに解かれてしまって硬化することはない。
逆に、ツヤがありすぎる(めちゃめちゃ水分を帯びている)状態での転圧も注意が必要。
空隙(水を通すための隙間)が潰れてしまうほどしっとり水分を帯びた状態で転圧をすると空隙が潰れる。
透水性が失われてしまう懸念がある。
その見極めは目視で大丈夫。
タンパなどで一部分を転圧してみて空隙が潰れてしまわないかを確認してからプレートで仕上げる。
薄ベニア(4mm)を敷いてその上にプレートを走らせるのも空隙つぶれ対策としておすすめ。
確かに一般の方でもDIY可能なほど施工は簡単。
ただ、あらかじめ動画で予習しておくなどそれなりの準備も必要。
「大丈夫だと思ってた」
そんな独りよがりは禁物。
それでも安心、補修方法もきちんと用意されている!
⚫︎参考記事: 「簡単に自分でメンテナンスや補修ができる。これは普通の土間コンにはないすごい特徴だ。」リペアマン・ナルシルバー・DIYマニュアル
不適切な施工で表面の骨材(小石)がポロポロと剥離してしまっても大丈夫。
リカバーするための方法論がきちんと用意されている。
※マニュアル動画リリース予定
剥離してしまった骨材を元どおりに表面に付着させることで見た目を戻し、その後の剥離も防止することができる。
これは普通の土間コンにはないすごい特徴だ。
だからこそ、DIYができる所以ともいえる。
いずれにしたって、こうしたトラブルは事前に処置しておいた方が無難。
DIYならまだしもお金をもらって受注する案件で「知りませんでした」はプロの仕事ではない。
「白く乾いてしまった材料はくっつきません!」
転圧のタイミングをきちんと理解し、みんなが笑顔になれる施工を!
Enjoy DIY!
宮本充也