2020/03/31
「DIY必需品は全部生コン屋さんにあるじゃん!」【ドキュメンタリー】旧友からのLINE(その4:事前準備)

1通のLINEメッセージから高校時代からの旧友と再会する。インターネットは生コンの専門家と一般・初心者・DIYerに新たな接点を作り出した。完全ドキュメンタリーでDIYの実践を追う。「DIY必需品は全部生コン屋さんにあるじゃん!」。
専門家と初心者の目線の違いを改めて感じる
生コン屋さんならどこにでもあるテストピース(強度試験を行うために用いられるサンプルピース)。
専門家の僕たちにとっては日々の情景に過ぎず目の端にも入らない。
「花壇」「テストピース」でGoogle画像検索した結果。
駐車場材料としても、あるいは花壇の縁石、その他テストピースは工夫次第でいろんなDIY材料として活躍する。
ここに専門家と初心者の目線の違いがまざまざと浮かび上がる。
構内に展示してある透水性コンクリートの驚異の透水性能に驚く小島くん。
「なんでこんなにいいものが世の中に普及してないの?」
素朴な疑問をこの僕にぶつける。
「僕がいなかったからだよ」
「言うね〜笑」
冗談ではなく僕は本気で思っています。
24時間365日ひたすら生コンのことばかりを考えている。
この僕がいなければ今後も透水性コンクリートは世の中に普及しないだろうと本気で考えていなければ逆に嘘だと思う。
いいものは勝手には売れない。
いいと信じている特定の人(たち)の努力があってこそ、価値は世の中に普及し当たり前になっていくのだ。
小島くんよ、そんな生コン一直線の僕がたまたま旧友でしかもDIY文脈で再会を果たした君は超ラッキーだ。
ドキュメンタリーを通じて小島君のような他の別の人たちにとっても参考になるはずだ。
アウトレット生コンの説明(プールの中)。
アウトレット生コンはこのままで「生コン」として用いることだって可能。
もちろん、DIYにも活躍する。
高分子や急結材を添加されて改質されたアウトレット生コン(残コン)。
こちらもDIY必需品リサイクル砕石は、アウトレット生コンが改質されこのように生まれ変わる。
アウトレット生コンの一部を用いて独立基礎のようなコンクリート製品も製造されている。
見るもの全てが目新しいようであちこちをバシャバシャ撮影する小島くん。
Re-con ZERO Evo(MAPEI)の入っていた容器は何かと道具入れに便利ということで早速2箱お持ち帰り。
すごいよ、使えるものがいろいろあるよ!
専門家と初心者の目線の違いは興味深い。
専門家である僕たちはある意味無感動になっていることを自覚しなければならない。
あまりにも当たり前でその価値に対して感動できない。
一方、一般・初心者の目からは何もかもが新鮮に見える。
その本来持っている価値をそのまま感じることができる。
このところ生コンポータルで力を入れているDIYという文脈。
僕たち専門家が自分たちの自覚していない価値を改めて認識するために非常に有効な取り組み。
僕たちには僕たちが思っている以上にいろんな価値がある。
マッチングを通して日本中の一般と生コン製造者をつなげる。
そうすることで新しい関係性が構築される。
透水性コンクリートが爆発的に普及の兆しを見せたきっかけは一般人への情報訴求だった。
インターネットで毎日飽きもせず3本記事配信を5年目。
日々多数寄せられる一般からの問い合わせ。
ともすると内向きになりがちな、
⚫︎製造者(生コン工場)
⚫︎施工者
は「施主が言うんじゃしょうがない」という刺激として一般・施主からの問い合わせに重い腰を上げる。
その連続が世界の景色を変えてきた。
もちろん、一般のお施主さん。
無知故のムチャなことも言い出すこともある。
ただ、そこは無知としてきちんと説明し対話する責任が僕たち専門家にはあるのだ。
馬鹿にしないできちんと向き合う。
専門家と初心者の間にある溝を焦らずゆっくり埋めていく作業。
そこにこそ、BtoBガチガチで硬直化した産業の構造を解きほぐしBtoCという新たな文脈の市場を拓くための鍵がある。
旧友小島君との偶然の再会はこうしてとても興味深い展開を見せ始めた。
一旦自宅に帰り奥様と今日の議論を共有した上で庭づくりの方向性を固めたいという。
次回以降はいよいよ施工に入る。
庭づくりDIYドキュメンタリーは続く。
宮本充也