2020/07/12
「全部は無理だけど部分的にDIYで施工したい!」【ドキュメンタリー】旧友からのLINE(その6:取り合い・合番)

いよいよ小島様邸エクステリアシリーズも施工前大詰めの協議が開かれた。一つの外構工事でプロ施工者に発注する範囲(目隠しフェンス、ウッドデッキ、芝生、他土工事)とDIY範囲(サイクルポートと透水性コンクリート)が並行して行われるため施工に先立ちプロ施工者(れんげじ創建)を交えて最終協議。プロ施工者にとっては面倒な話でも気持ちよく協議に応じてくださった!
部分的にDIYで施工したい!
こちらが示された外構図面。
小島君の高校時代の旧友が生コンポータルの主宰(僕)ということもあり、
「一部分だけでも透水性コンクリートやサイクルポート(エクスショップ提供)をDIYに挑戦したい!」
というお施主さんの希望。
⚫︎参考記事:シリーズ《旧友からのLINE》
こうした希望は外構全体を請け負うプロ施工者(今回はれんげじ創建・静岡県藤枝市)にとっては通常面倒な話。
ただでさえ梅雨でいろんな現場の工程がずれている時に、一つの現場で別の作業班・DIYが並行する作業(合番作業)は取り合いなど相互調整などが嵩み面倒や手間、時間、コストに影響する。
でも、今回は施主のたっての願いを気持ちよく受け入れてくれた(れんげじ創建瀧社長)。
常に顧客都合に根差し顧客の希望を優先するプロ施工者は多くはない。
そういう意味で、小島君のお庭作りは幸運に恵まれている。
ドライテック、サイクルポート施工に関して必要なこと
庭全体の中で施主がDIYを希望されている箇所はこちら。
透水性コンクリートとサイクルポートの施工は単独で完結するというわけではない。
「取り合い(とりあい)」
「合番(あいばん)」
施工範囲に接続する別の工種や作業との調整を図る必要が発生する。
図面でも分かる通り、サイクルポートの脇には目隠しフェンスの施工が予定されているし、ドライテックの建物と反対側の境界にはアウトレット生コンによる舗装との取り合いが発生している。
その部分をれんげじ創建さんとDIY陣営とできちんと責任範囲の区分を明確にしておく必要がある。
どちらが、いつまでに、何を行なっておくべきか。
「部分的にDIYで施工したい!」
と希望したとして好きな時に勝手にDIYすればいいということにはならない。
全体のフローを澱ませないように綿密な協議が必要となる。
今回、まずは土工事(すきとり、型枠、アウトレット生コン舗装)や目隠しフェンスの基礎、柱を先行させ、その後にDIYを実施するということになった。
当初アウトレット生コンの施工もDIYで考えてはいたが、型枠のことや現地に大型ダンプ乗り入れの可否が不明確でもあったため、れんげじ創建さんのはからいで施主(小島君)からの材料支給という形で対応していただけることになった。
お客様(施主)相手でもあるので色々ご配慮いただき心より感謝。
また、透水性コンクリート《ドライテック》にも関心を寄せていただき、通常であれば無茶振りみたいな話だけど、とても気持ちよくご協力いただき、いよいよ次は作業開始を待つばかりとなる。
インターネットの現代見渡せばいろいろな情報に触れることができる。
あるサイトで推奨していることを、また別のあるサイトでは真逆を主張していたりもする。
一生に一度の庭づくりと言っていい、決して安くない買い物に臨み、情報は錯綜する。
そんな現代、やっぱり一番大切なのは「顔と名前と素性を互いに理解して関係性をきちんと構築すること」なのだと思う。
インターネットに流布されている情報が全て嘘とは言わない。
いろんな情報は「ある時には正で、ある時には誤」である場合も多い。
情報発信者の都合で正にでも誤にでもなる。
そんな情報の正誤を知るためには、「その人がどんな立場で何をプロの領域としており、顔と名前(素性)をきちんと明らかにしているか(責任ある立場か)?」を見極めること。
もっと大切なのは、「最終的に決めるのは自分だし、責任を負うのも自分」ということ理解すること。
その時に何を優先すべきかは人だと思う。
いろんな情報を鵜呑みにせず、まずは目の前にいる人とじっくり向き合う。
得た情報についての確認をその人にしてみる。
とある情報が果たして正しいのか、それとも自分(の環境・条件)にとっては正しくないのか。
インターネットの時代だからこそ「顔と名前を晒した情報発信」の価値が高まるんだと思う。
多くの情報が錯綜するインターネット。
プロの僕からしても胡散臭い、あるいはエビデンスのない、場合によっては真っ赤な嘘が、さも真実のように発信されている。
何を信じてどうなるかは所詮その人の責任。
情報(チャンス)が溢れる今だからこそ人間力が試されるのかもしれない。
その意味で友人のDIYに寄り添いいろんな情報に触れることは僕たちにとっても有意義なことだ。
1人の等身大の施主が何に興味があり、何を懸念しているのかにじっくりと寄り添うまたとない機会。
人によって正誤が変化する一生に一度の庭づくり。
友人の立場に立ってじっくり寄り添いたいと思う。
(続く)
宮本充也