2020/09/09
【FAQシリーズ】「施工者向けよくある質問集」《池田の素晴らしい質問》One Style #2

一口に「よくある質問」と言っても、施主・施工者・製造者それぞれによって質問の内容は全く異なる。京都の見学会で出会ったOne Style池田常務から寄せられた質問は実に今後の他の施工者の方々にとっても参考になる素晴らしい質問。#2
施工者から寄せられる《よくある質問》透水性コンクリート #2
それにしても素晴らしい勉強家・池田常務。
こうした方が役員として活躍する施工者は任せて安心、滋賀のドライテックなら是非One Styleにお願いしよう!
というわけで、今回は⑥から。
⑥クレームの事例は
「クレームが起きづらい」を標榜している透水性コンクリートとはいえ形あるもの(ひび割れが見えない、色むらが発生しない、という特徴は施工者と施主の間でのトラブルに発展しづらいということができる)。
もちろん納品上のトラブルがないってことはない。
⚫︎施工初期のドライアウト(水和・硬化のための水分が蒸発してしまう現象)による骨材飛散。
⚫︎平坦性が取れず凸凹を指摘される(出来型に関するクレーム)。
など、施工品質上の問題でクレームに発展するケースはあるが一般に懸念される「透水性能が無い」というクレームはこれまで一度たりとも受け付けたことがない。
さらに、「透水性能が時間の経過とともに低下して無くなってしまう」ということもない。
砂埃・土埃などで目が詰まってしまった場合でも水洗浄で回復が可能。
※免責事項
⑦経年変化・経年劣化は
こちらについてはアスファルトとコンクリートの違いを引用することでその答えとしたい。
⚫︎アスファルト
石油由来で熱可塑性樹脂つまりはプラスチック製品やゴム製品の中まであるため、熱など外力による変性が特徴となる。わだち、骨材剥離、目潰れはこうしたメカニズムで起きるため、透水性が失われて仕舞えば回復不可能
⚫︎コンクリート
ケイ素やカルシウムが主成分、つまりは無機質であるためアスファルトに見られるような変性は起きにくく耐久性は高い。そのため、「数年経つと水が通さなくなる」とか「わだちでボコボコになっちゃった」などということは万に1つもあり得ない。
つまり、有機質・無機質の違いがその耐久性を裏付けている。
さらに、通常の土間コンクリートと比べても経年変化は起きづらい。
なぜか?
透水性コンクリートはその名が示す通り「透水性」があるため、表面に滞水することがない。
つまり、コケ・カビの生育に必要な水分が供給されないため、時間が経っても、あるいはジメジメした環境下でも、コケ・カビが生育されず汚れない、ということができる。
⑧転圧をしすぎるとどうなるのか
「基本的にどうもならない」が答え。
透水性コンクリートとは骨材(最大骨材寸法20mmなど)とほんの少しのペースト(結合材)だけで構成されている材料だ。
いくら転圧をしても、石と石がかみ合わさって、それ以上沈まないようになる厚みがある。
(通常100mmの厚みを確保したい場合は敷設を120mmつまり余盛り20mmで設定して転圧すれば100mmとなる)。
だから、2〜3回プレートコンパクタで転圧すればそれで仕上げは終了。
⑨運搬コストは
こちらは通常の生コン同様製品代金に含まれているので別途加算されることはありません。
⑩残コンの扱いは
「余った、その材料(残コン)は?」
これは生コン工場からもよく寄せられる質問だが、透水性コンクリート《ドライテック》の場合結合材は全てセメント由来(あるいは無機質)となっているため、残コンの処理あるいは洗浄水の取り扱いは通常の生コンの場合の残コンと同様になる。
カラーも製造時の練り込みではなくトップコートを標準としているため洗浄水に色がつくようなこともない。
だから、残コンの扱いはいつも通りでOK、が答えとなる。
にしても、骨のある質問がよくもまあここまでたくさん思いつくものだ。
とことん予習してからきてくれた様子が知れる。
みんな池田さんのような施工者だったら世界はとっても美しくなると思う。
いよいよ#3では最終章11〜15に突入。
15年の歴史を数える生コンポータルにとっての透水性コンクリート。
1日1日はそれほど変化もないけれど、15年の蓄積を振り返ってみると随分分厚い経験となる。
この経験をきちんとブログやFAQとして記録しておくことは今後透水性コンクリート(ドライテックに限らず)に挑戦しようとするすべての人にとって有益であるはず。
大地は蓋されず、透水性コンクリートのような材料で舗装されていることが求められている。
1人でも多くの施工者の関心を惹きつけて、少しでも早く大地は再生されるべき。
自然と人が調和する世界を創造する「大地の呼吸を止めない舗装」透水性コンクリートはそんな施工者の人たちの手によって世界の景色を変えるだろう。
宮本充也