2018/09/21
「じじいの架け橋からGoodの架け橋へ|透水性コンクリート」

もうかれこれ何年に及ぶだろう。生コンポータルの活動を長きにわたって見守ってくれている人、団体、法人。そんな大切な団体の一つ、G-Bridgeの定期セミナーで透水性コンクリート講演の機会を得た。そこで感じたこと。
https://g-bridge.org/archives/17
じじいの架け橋からGoodの架け橋へ
大手商社などを引退した60歳以上がこれからの世代にその人脈を提供する。
G-bridge
という団体にはかれこれ5年以上はお世話になっている。
透水性コンクリートの普及推進に情熱を燃やしている。
けれど大海原のような市場の前で何から始めていいかわからない。
新規事業を経験したことがある人ならこの心情は理解できるはずだ。
今でこそ20年近いキャリアを経て産業構造の全体像がおぼろげながら見えてきた。
ただそこに至るまでは数え切れない、
Trial and error
を積み重ねその度傷つき痛い目に会わなければ、
産業構造つまり業界地図は体感できない。
業界地図は人に教えてもらって「わかる」ものではなく、
実際に行動に移して見て「体感」するもの。
ようやく社会における建設業の輪郭がわかってきたのも、
どこに行けば何があるか?
を仮説や可能性の段階だったとしても導いてくれる先輩の存在が必須。
40年に及ぶ職業人生を経てから眺める建設産業。
暗中模索を繰り返す若手世代にチャンスを提供する。
情熱をつなげる。
じじいの架け橋として始まったG-bridgeは今、
Goodの架け橋
としてさらに充実した製品や技術を専門家(工務店や建築家)やサプライヤー同士の交流に昇華させようとしている。
その一つのテーマとして、
透水性コンクリート
の講演のチャンスをいただけたことは非常に光栄なことだ。
国土の28%は「人の手」で植樹してきたんだ。だから、できる!
※身近にある道具で施工ができる次世代の土間コン透水性コンクリート「ドライテック」は路面温度を下げヒートアイランド現象を抑制し降雨を地下水系に還元するから水災害(ゲリラ豪雨など)の抑制にも役立つ
「国土の28%は人の手で植樹してきたんだ。だから、できる!」
仕事
商売
いろんな表現があると思うけど成人男性の大半が多くの時間を費やすそれ。
家族を養うため。
糊口をしのぐため。
いろんな動機付けがあるとは思うけれどどうせやるなら使命感に燃えた時間にしたい。
透水性コンクリートの普及に携わって15年を刻む。
最初は何も考えずひたすら可能性を求めていただけだが、
キャリアを積むとふつふつと明確な動機付けが見えてくる。
お隣韓国の舗装は5:5でコンクリート舗装が標準となっている(もう一方はアスファルト)。
一方、日本は95:5で圧倒的にアスファルトに水を開けられている。
これは日本の生コンの産業構造に問題があると思っている。
要は生コン業界の怠慢。
石油精製技術が発達しもはや道路がアスファルト舗装である必然性が希薄な現代。
再生骨材の技術や高炉スラグやフライアッシュの利活用、エコセメントや極端に普通ポルトランドセメントの使用を抑制する技術が確立されている、
生コン舗装
が「たった5%」というのは社会的に深刻な問題と言える。
透水性コンクリートはここにきて200に及ぶ生コン工場の共感を得て住宅など小規模建設現場の建築外構の分野で市民権を得つつある。
仮に年間80万棟の住宅に30m2の土間コンが整備されたとしたら、
年間2400万平方メートル
のコンクリート舗装という市場が生み出され、
その舗装の路面温度は未舗装とほぼ同等(石材由来の物性)でありなおかつその空隙は降雨を自然なかたちで近水脈に還元する。
やがては、日本の舗装の95:5の95をコンクリート(透水性を含む)舗装に逆転させる。
そのくらいの夢を持ったっていいのではないだろうか。
セミナーで講演をするうちに感極まってそんな発言をしたところ、
長年林業に携わる佐藤さん(自称「きこり」)から、
「国土の28%は人の手で植樹してきたんだ。だから、できる!」
G-bridgeには常に熱い人たちが参加している。
シロアリ退治を使命として普及活動に勤しむ人。
木製サッシが日本の住宅には必須だと信じて活動する人。
それぞれに大義があってそれぞれに真剣。
僕もそんな真剣な人たちの一人として。
恥じないようにこれからも活動を続けていきたい。
1日1日は果てしなく地味だ。
誰かに褒めてもらいたいとかももはや考えなくなる。
無呼吸でひたすらパンチを繰り出すのはこんな感じだろうか。
世にない価値の普及に勤しむ人たちはきっとみんなこんな心情。
一人じゃない。
そして、じじいたちが見守ってくれる(失礼)。
G-bridgeの代表理事中山さん。
いつも透水性コンクリートの普及促進に寄り添っていただきまことにありがとうございます。
これからも粛々と信じる道を歩み続けます。
この度は貴重な機会を与えていただき誠にありがとうございました。
透水性コンクリートが舗装の当たり前になることをもってご恩返しといたします。
宮本充也