2016/08/25
「商品を買いたい人なんかいない」生コン屋のIT戦略

近年で確実に人のライフスタイルに浸透した習慣。
「ググる」(インターネットでキーワード検索をする)
僕たちお客様である建設会社の実際に管理している現場代理人さんも、
以前であれば何か壁にぶち当たったときには、
・専門書を購入
・社内の先輩や同僚に相談
・社外のネットワーク(人脈)の活用
と相場は決まっていただろうけど、
今やまず最初に「ググる」ではないだろうか?
因みに僕は一日に何度もググっている。
回りを見渡してみても、ググっている人は多い。
これはIT戦略上とても重要なポイントとして、
踏まえるべきことなんだと思う。
その観点から当社WEBサイトを一般人になったつもりで、
(ついつい専門家は専門性に近視眼的になってしまうので注意が必要)
「透水性コンクリート」
とググってみた。
人によってトップに出てくる会社や材料は異なるだろうけれど、
僕たちの「ドライテック」は最初のページに表示されている。
これは、まず、IT戦略の一定の成功、だと思う。
が、今回はたと大きな過ちに気づいた。
表示されるリンクは、ページタイトルのテキストとなるのだが、
「透水性コンクリートドライテック|長岡生コンクリート」
が、表示されている。
そしてこれ、残念ながら超埋もれている。
他の透水性コンクリートも、同じく、
「透水性コンクリート・製品名・会社名」
という並びで概ねリンクが表示されているのだけれど、
僕は大切なことに今回気づかされた。
「検索している人が見つけたいのは商品名や会社名じゃない」
って事実。
おなかがすいている人は、料理を買いたいのではない。
「おなかを満たしたい」
のだ。
髪を切りに行く人は、髪を切るという行為にお金を払うのではなく、
「さっぱりしたい」
「イケメンになりたい」
から、髪を切りにいくのだ。
常々考えていることだが、足元が見えていなかった。
僕たちは間違いなく、
「透水性コンクリートを売りたい人」
なのだが、世の中には、
「透水性コンクリートを買いたい人」
なんて存在しないということに、改めて気づかされた。
彼らは何がほしくて透水性コンクリートという商品を購入するのか?
製品名だろうか?
企業名だろうか?
はたまた、製品のカテゴリーだろうか?
すべて、ちがう。
彼らは、
「水たまりの困ったを解消したい」
「建築外構工事で水勾配の問題を解決したい」
「涼しい庭でくつろぐ一時を楽しみたい」
「雨の直後でも、すぐに車いじりを再開したい」
のだ。
この点が全く見えていなかったことを改めて反省している。
僕たちが供給するドライテックは、
他の多くの企業が供給する透水性コンクリートと同じく、
「ドライテックだけのかけがえのない価値」
を持っている
それは、
・全国どこでも購入できる
・小規模でも工事ができる
・材料として買い求めることができる
という特別な価値。
とても優れたオンリーワンの価値を持っているのに、
発信すべき僕自身がそれを怠っていたのだから、たまらない。
生コン屋のIT戦略、6か月目に突入している。
毎日毎日たくさんの気づきがあり、とても楽しく仕事をしている。
「ググるの時代」
でも、情報発信やビジネスの普遍的原則は変わらない。
「相手の目線に立って、相手の要求するものをお届けする」
に尽きる。
当たり前だけど、なかなかできないこと。
一歩一歩だけど、確実にIT戦略は奏功している。
多くのお問い合わせを頂戴するまでになった。
売上も順調。
やればやるだけ新しい気づきが発生し、
それらがもしかしたらほんの少しでも社会全体に貢献できていると考えると、
ますますやる気も出てくるってもんだ。
宮本充也