2016/06/21
「透水性コンクリート、韓国へ」建設業のLocalization

先週韓国ビジネスパートナーの趙さんからLINE電話をもらって、
今朝、伊豆の国市でミーティングをした。
10年前の海外旅行と今のそれは俄然性質が違う。
個人的にも、手ぶらで行けてしまうくらい、世界が身近になった。
グローバルは新聞やテレビ(この表現ももはや古い)の中だけのものではない。
地球の裏側が身近になったことは、ITのもたらした多くの財産の中でも大きい一つだと思う。
韓国のYang Sangというまち(釜山近郊)で透水性コンクリートドライテックの物件が決まった。
その準備をすることが今回の来日の目的だが、
・人
がいて、
・街
・自然
・インフラ
など、構成するものは韓国も日本もイタリアもどこでも同じだが、
「文化(商習慣を含めて)は微妙に違う」
建設業界にあってはIT革命はまだ入り口にも入っていないため、
Localization
「特定の地域の商売を別のまだ市場ができていない地域に当てはめる」
には、まだまだ未知の可能性を感じる。
韓国はコンクリート舗装の割合が50%と、コンクリート舗装大国として知られている。
(日本のコンクリート舗装シェアは全舗装における「たった5%」)
それだけあって、韓国国内での水を通すコンクリート舗装もかなり以前から普及していたそうだ。
通常であれば、
「輸入させてください」
となるところだが、趙さんによると、
韓国国内の透水性コンクリートは余りにも昔に普及が進みすぎ
たせいで、技術が追い付いてなく、国内では、
「透水性コンクリート≒よくない舗装」
というイメージが一人歩きしてしまっているのだそうだ。
逆に日本では透水性コンクリート舗装はあまりにもマニアックな技術であり、
(たった5%のコンクリート舗装のうちのたった5%しか普及していない)
じっくりと時間をかけて成長してきたため、韓国に比べると、
「透水性コンクリート≒結構ちゃんとした舗装」
になるような彫琢を経ているため、
韓国国内で僕らの透水性コンクリート「ドライテック」は、
「逆に輸入したい」
らしい。
とても面白いこともあるもんだと感心をしたが、
建設業のように非常に保守的で流動性が薄い産業(またはそれにまつわる製品)こそ、
Localization
に向いていると感じる。
それを裏付けるように、韓国国内でのドライテックに対する反響には趙さんも手ごたえを感じているようで、
多くの法人・個人からパートナーシップを要請する声が上がっているそうだ。
そうはいってもドライテックの国際戦略は始まったばかりで、
これから想定外の多くのことが当然起きてくると思う。
趙さんを始め韓国の多くの方の協力を得ながら進めていくことになると思うが、
ある意味異様な成長を遂げた日本の透水性コンクリートの技術が、
世界に通用するのかこれから新たな取り組みが始まることになり、
これを契機に、日本の建設産業が培った多くの製品や技術が、
IT戦略を通じて世界に発信できる可能性を感じている。
内需が冷え込み「外へ外へ」の動きは総論としてあるが、
ただ漫然と外にでるのではなく、日本という国できちんと評価され彫琢された技術こそ、
世界に発信されるべきであって、なんでもいいから海外へ輸出しちゃえ、なんてのは、
ショートランでは通用するかもしれないが、本来の日本文化の在り方ではないと信じる。
否定的な面ばかりが強調される日本だが、この局面を乗り越えたら、
「世界一の価値」
を創造することになる、と僕は前向きにとらえるようにしている。
宮本充也