2021/04/10
《ひび割れ》「土間コンクリートのクレームあるある」動画講座 #1

今年から力を入れているYouTubeショートムービーに加えて大好評!「16年ドライテックに心血を注ぎ続けている男宮本充也が語るドライテック講座」では一旦ドライテックから離れて「土間コンクレームあるある」について紹介している。昨日(2021/04/09)の撮影の様子。
土間コン3大クレームほか
ドライテック動画講座シリーズ収録の様子(撮影協力:SUMMERHILL)。
やってて思うが、やっぱりテキストよりも手振り身振り、絵も描ける動画の方が情報量は多い。
まず、ドライテックの前に、家を建てて駐車場を設ける、家周りを舗装する、ってなるとやっぱり土間コンクリート。
一般の方々はそもそも舗装にそれほどの期待値なんか持っていない。
車が乗れればそれでいい。
問題なんか起きそうもないように思われるのだが、実はエクステリアの世界で最もトラブルサムなのが土間コンクリート。
「土間コン3大クレーム」という言葉がある。
⚫︎ひび割れ
⚫︎水たまり
⚫︎色むら
もう、5件に1件は炎上してるんじゃないだろうか。
今年から始まったYouTube動画シリーズドライテック講座では改めて「土間コンクリートのクレームあるある」と題して、それぞれのクレームの発生原因と対策について語った。
⚫︎ひび割れ(ヘアークラック)
(出典:Yahoo!知恵袋)
役物など構造物の周囲には十中八九と言っていいほど発生するひび割れ(クラック)。
これ、見た目の影響でお施主さんは必ず指摘してくる。
一方、僕たち専門家から言わせれば、そもそもひび割れは出るもんという認識がある。
コンクリートのひび割れが嫌なら、コンクリートを採用しないでください、くらい言いたくなるほどひび割れはコンクリートの運命。
コンクリートとは水分の出入りや温度の上がり下がりで膨張したり収縮したりする物質だ。
干ばつを想像するとわかりやすい。
(出典: 東南アジア一帯、エルニーニョによる干ばつ深刻化 )
水分が抜けて乾いてしまうと表面にひび割れができる。
土壌はコンクリートのように硬くないから、すぐにひび割れてしまう。
コンクリートも水分の出入りがある物体だから収縮すると弱いところにビシッとヒビが入る。
これが理屈だ。
そして、中でもひび割れが出やすい環境というものがある。
⚫︎役物まわり
⚫︎でずみ
と呼ばれる箇所の周囲にはとりわけひび割れが発生しやすいことがわかっている。
(写真はドライテックの土間コンクリート)
なぜ、土間コンに設置される構造物周りにひび割れが出やすいのか?
土間コンクリートをA4用紙で例えるとわかりやすい。
土間コンクリートといっても、言ってみれば固い紙ペラみたいなもんだ。
収縮すると何が起きるか。
体積が収縮するということはA4用紙に緊張(ひっぱり)が作用する。
もし手元にA4用紙があったら緊張を再現するために引っ張ってみよう。
余程の怪力で引っ張らない限り紙は裂けてしまうことはないだろう。
土間コンクリートもこれと同じことでひっぱりが作用してもそうそう簡単には裂けない(ひび割れない)。
土間コンクリートに設置される役物など構造物はその場合どのように作用するかをA4用紙で再現する。
役物は土間コンクリート(紙)ではないから、そこで一旦縁が切れている。
つまり、A4用紙に穴が空いてると思ってもらったら正解だ。
ハサミでA4用紙にどこでも構わないから切り込み(あな)を開けて見て、そこでまた先程のように両側から今度はちょっと力を入れて裂けるくらいに引っ張ってみよう。
さて、どこからA4用紙は裂けてますか?
これが、土間コンの役物周りにヒビが入りやすい理屈。
土間コンにヒビが入るというのはわかったけれど対策は全くないの?
弱いところから裂ける。
生コンクリートを現場で施工する以上完全に均一な強度というわけにはいかない土間コンクリートも弱いところから裂ける。
ひび割れる。
それでは、ひび割れに関しては運を天に任せるより他に手段がないのか?
答えは、「ある」。
僕のようなプロから言わせれば冒頭の写真で紹介したようなブロック周りから発生しているひび割れは素人施工も同然。
出るべくして出る。
普通ならあんな施工はしない。
施工のプロなら必ず誘発目地という手段をあらかじめ土間コンクリートに組み込んでおく。
誘発目地とは、乾燥収縮によって発生するコンクリートの亀裂を事前に想定した位置に発生させるための目地(断面欠損部分)のことで、ひび割れ誘発目地とも呼ぶ。(出典:施工の神様)
(出典:https://hiraishoji.com/blog/etc/543/>ヒライエクステリア)
要は、「絶対出るひび割れなら、仮にひび割れても(見た目の)問題にならないよう場所に発生してもらうように仕組んでおく」というもの。
ミシン目みたいなもんだ。
弱いところがひび割れるということならあらかじめ弱い部分を作っておけば、そこにひび割れがビシッと入るという理屈。
ここまで紹介しておいてなんだが、それでも万能というわけではない。
それでも意外なところから努力をアザ笑うかのように発生するのがひび割れ。
業者さんが事前にどれだけお施主さんに説明したとしてもトラブルに発展するひび割れ。
これ、完璧に解決する方法はないのだからもう「土間コンはひび割れます」とガツンとお伝えしたほうがいいと僕は思っている。
でも、例えばAという施工業者はあまり強くアピらなかった。
Bという業者はしつこいくらい「土間コンはひび割れます」と耳タコで伝えた。
AとBを相見積もりしている。
どちらから出てきた見積書も大体条件的に同じくらい。
あなたならどちらに発注するだろうか。
それが悲しい現実。
受注しなければクレームもクソもないのだから。
結論、「土間コンはひび割れます」みたいに最初から施主にとって悪条件をきちんと説明する施工業者に発注しよう。
ということを言いたい。
お互いのことをじっくりと知り合うことなく結婚して互いに馬脚を現したカップルみたいなもんだ。
幸せになれない。
やっぱし、包み隠さず弱いところもダメなところも、相手に伝えたほうがいい。
逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。
そんな逃げない碇シンジくんみたいな施工業者に庭づくりは発注しよう(?)。
#2 ではこれまた多くのクレームが寄せられる「水たまり」について紹介していきたいと思う。
では、また、次回!
宮本充也