2020/02/06
「生コンではちょっと無理!」透水性コンクリートの施工自由度について

あらゆる現場で施工される透水性コンクリートは供給する僕たちよりも実際に手にとって施工する人たちの手で進化する。「生コンではちょっと無理!」。透水性コンクリートの意外な性能を知ることになった。
スランプ0がもたらす透水性コンクリートの施工自由度
生コンとは流動体。
その流動性を測る方法としてスランプ試験というものがある。
柔らかい生コンであればコーンを引き抜いた後にたくさん沈む。
一方、硬ければちょっとしか下がらない。
いずれにせよ生コンは流動体であるため現場で施工している時も常にこの性質に付き纏われる。
例えば急斜面なんかで生コンを打設すると「ダレ」てしまう。
これは生コンの運命ともいえる性状だ。
(出典:https://ameblo.jp/ilu4e/entry-10419064141.html)
一方、透水性コンクリートはスランプ0
透水性コンクリート。
通常の生コンと違ってペースト(水とセメント)が極端に少ない状態となっている。
いわば小石にほんのちょっとセメントペーストが塗された状態。
その透水性コンクリートは流動体ではない。
スランプ試験をやっても0。
つまり、まったく沈まない。
小石と小石が噛み合って敷き詰められるため下がらないのだ。
だから、写真のようにプレートコンパクタでの転圧(締め固め)ができる。
生コンじゃ、こうはいかない。
そして、この性状。
意外な施工自由度をもたらす。
先週施工されたマンション入り口の透水性コンクリート。
別の角度からの写真。
この性能は超人気ブロガー山田臣次(しげつぐ)氏のブログでも紹介された(https://www.ex-shop.net/ex-blog/?p=20386)。
「生コンではちょっと無理!」
臣次も指摘しているとおり、
「これはコンクリートでやろうと思うとがっちり木枠を組んで、対応しないといけないので木枠だけでも別1日が必要な工数です」
流動体であり傾斜でダレてしまう生コンだとこんな造形は無理なのだ。
それだけ時間がかかる。
つまり、お金がかかることを意味する。
施工者らによって見出される透水性コンクリートの数ある性能。
⚫︎30分で施工完了(DIYだって可能)
⚫︎水勾配(排水)考えなくていい
⚫︎ひび割れ色むらトラブルが発生しづらい
代表的なところは上記3点だけど、掘り下げればもっともっといろんな価値が生み出される。
もしまだ躊躇している施工者がいるのなら、なるべく早く合流すべき。
土間コンの常識はもうすでに変化しようとしているのだから。
宮本充也