2020/02/19
【東京】「公共工事での採用が再び増えてきた!」公園トイレ・犬走・水はけ

台東区石浜公園トイレ改修工。このところ再び増えてきた公共案件での採用。トイレまわりの犬走りは狭隘部となり水勾配が取れないため、透水性コンクリートの採用は有効。
製造:岡庭建材工業、施工:大三工事(20m2、100mm厚、3名)
トイレ周りの犬走には標準採用になるはずだ
施工Before。
今回は嬉しいことに公共工事に透水性コンクリートが採用。
公衆トイレのような比較的小規模な建築の周囲(犬走)はかならずと言っていいほど「水はけ」が問題となる。
透水性コンクリートを施工すれば勾配も、排水も、維持管理(草刈り)も全てが解消される。
施工スタート。
透水性コンクリートの特徴として、施工中にもかかわらず作業員の方はその上を歩行できる。
これは地味だが高度な施工性をもたらすことになる。
生コンの場合誰もが知るように長靴を履かなければずぶずぶになるし、材料も飛び跳ねて衣服は汚れる。
その点、透水性コンクリートは飛び跳ねないし、スニーカーでも施工できる。
施工After。
東京電力やJR東日本などこのところ再び公共性の高いシーンで採用が増えてきた。
公共施設こそ水はけ、勾配、維持管理などを考えれば透水性コンクリートが採用されるべきだ。
社会一般の意識を変えるためには公共工事に直接提案しても駄目
透水性コンクリート15年の歴史であらゆる方面にセールスを経験した。
15年前、その最たる営業先が公共発注機関、つまり国・県・市・町・村やURやJKK、さらにはNEXCO、JR、東京電力とそもそもが国営だったような企業。
それもそのはず、彼らが発注する案件の規模は大きく営業効率が高いと考えていたからだ。
ただし、その後こうした対象への営業はぱったりやめてしまった。
理由は大企業に有りがちな前例踏襲主義であり、担当窓口の裁量では新技術をなかなかにして採用しづらいというのがある。
中にはビジョナリーで勇気溢れる担当者(例えば東電の植松さん)みたいな方は10,000人に1人くらいの確率でいらっしゃって、ぽっとでの兄ちゃん(当時の僕)の売り込みを面白がり採用してくださることもあったが、基本は門前払い。
規模は大きいかもしれないが、成約率が0%台で有り、途中から馬鹿らしくなってやめてしまった経緯がある。
今回の発注。
なにもこちらから売り込みに行ったわけじゃない。
JR東日本だってそうだ。
その後もたらされる公共案件は全て「向こうから」やってきた問い合わせ。
これは社会一般の常識が徐々に変化していることを示している。
西日本豪雨災害や台風19号に象徴される水災害。
最大の原因はコンクリート産業が「大地を削り生コンを作り出し大地に蓋をする」から。
ますます大自然は怒り狂い、大地は蓋をされているから洪水が助長される。
そんな現代において社会の環境意識は高まり具体的なソリューションとしての透水性コンクリートというコンクリートテックに関心が高まっているのだ。
いよいよ僕たちの普及活動が時代の追い風を捉え始めたのだ。
今後も特別な誰かを対象にした営業活動はしないだろう。
引き続き透水性コンクリートの現代における有用性をひたすら情報発信し現場に向き合う毎日が続く。
独善的で前のめりな売り込みやセールスの類は報われない。
(逆に報われてはならない)。
地道な活動の連続の先にこそ理想郷は立ち現れる。
このところ増えてきた公共案件への納品には普及に携わるものとして感慨深いものがある。
宮本充也