2020/02/23
「大地を削らない、汚さない、蓋しない生コン産業」

生コンポータルでは「生コンを新しい視点で捉え直すことで自然と人が調和する世界を創造する。」を宣言している。その具体的コンクリートテック「大地を削らない、汚さない、蓋しないコンクリートテック」残コン再生並びに透水性コンクリートの普及について。
大地を削らない、汚さない、蓋しない。
生コンクリートの原料。
⚫︎砂
⚫︎砂利
⚫︎セメント
いずれも、大地を削って得られる。
大地を削ったその代償は自然災害という形で人々を襲う。
その自然災害から暮らしを守るためにさらに生コンは大地を削って、大地に蓋をする。
護岸や排水設備の多くは大地に蓋をする生コンで建設される。
蓋をされた大地には本来届けられていた水、そして空気が流通しなくなる。
すると自然植生はその本来の生命力を失う。
大地は汚れていく。
未だ解決を見ていない残コンという問題も深刻だ。
140億m3と言われる世界の生コン生産量。
その実に5%の7億m3は「残コン」として現場で余って工場に持ち戻されている。
そして、その大半は生コンスラッジとして最終処分場に埋め立てられる。
削られた大地に今度はスラッジが埋められ大地は汚れる。
SDGsがこれだけ叫ばれていても。
適切な認知がなされない残コンという問題はテーマアップすらされることなく現在に至る。
大地を削り、汚し、蓋をする。
それが、これまでの生コン産業の現実だった。
残コンを再生利用(アウトレット生コン)することで大地はその分削られず汚れない
https://www.nr-mix.co.jp/econ/blog/o.html
日本でもおよそ500万m3発生している残コンの大半は再生利用されずに大地を汚している。
もしこの500万m3の残コンが適切に出口(再生利用)を見出せばそのまま500万m3の大地は削られることがなくなる。
そして、汚れなくなる。
ここに課題を設定している。
なにも最先端の再生テクノロジーでなくてもいい。
ウーバーやAirbnbのようにITさえあれば簡単に需要とマッチングさせることだってできる。
原始的なことだって構わない。
工夫さえすれば僕たち産業は500万m3の大地を削らなくても汚さなくても済むのだ。
その想像力があるならばその形はきっと実現する。
透水性コンクリートで大地に蓋しない汚さない
コンクリートテックは既にある。
こうしたテクノロジーグループは見出されず残コンソリューション同様未だに世界をかえていない。
その1つに透水性コンクリートがある。
大地に蓋をしないコンクリートテックは地中に水と空気を届けることになる。
800年前の大地には当然蓋なんかなかった。
潤沢な水と空気が得られ緑陰は実り人々の暮らしを豊かにしていた。
今や大地の大半は蓋をされ水と空気は届かず大地は消耗していく。
蓋をされた大地に降雨は行き場を失い氾濫する。
河川は決壊し多くの暮らしを濁流で飲み込む。
生コンはこれまでの文脈に沿ってこれからも「さらに大地に蓋をして人々の暮らしを守ろうとする」。
コンクリートテックはある。
なのに見出されず、生コンはさらに大地を削り、汚し、蓋をしようとしているのだ。
つまり大切なのはテクノロジーそのものではなく文脈だと知れる。
「産業としていかに社会と向き合うか」という文脈の再定義がない限り、これまでの営みを続けることになるだろう。
⚫︎クローズドループ
⚫︎サステナブル産業
現在全国に3,000を数える生コン工場の底流に流れている文脈を変える。
今年透水性コンクリートの製造に協力してくれる生コン工場の数は300を突破する見通しだ。
数の上では全工場の10%に到達する。
現在の目標はその数を3カ年で3倍の1,000工場とすることに置いている。
およそ3割の生コン工場が新しい時代の要請に応える文脈で供給インフラを形成する。
そのインフラが具現化すれば自ずとテクノロジーグループは見出され流通し始めるようになる。
新たな文脈に沿うテクノロジーはさらに多く誕生し世の中を明るくしていくことだろう。
今大切なのはテクノロジーの開発ではなく、新しい文脈で産業を再定義することだ。
その具体的な形として「大地を削らない、汚さない、蓋しない生コン産業」を創造していきたい。
それは産業に身を置く全ての人が共感を寄せるはずの理想郷であるはずだ。
宮本充也