2020/02/27
「コンクリートが蓋してるので樹勢が弱くなっている」フォレストガーデン・大地の再生

造園の勉強を機会に深まるコンクリートと自然に関する考察。「大地を削り、汚し、蓋してきた」コンクリート産業は「大地を削らない、汚さない、蓋しない」産業へのパラダイムシフトが大切だ。それを実感させてくれるフォレストガーデン「新城大地の再生」の活動について。
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コンクリートが蓋してる
いつもご指導いただくのは木こりのショータさん(写真小倉左官店)と植木のショウジさん。
ショウジさんの腰にはプロの道具が下がっている。
とても憧れてしまって来月ジョイフル本田で一揃え購入予定だ(笑)。
竹林(モウソウダケ)のラストフロンティアにはカシノキの大木。
竹木の葉が影を作ってしまうため竹木を「高切り」というテクニックを用いて間引きする。
また、竹林全体によい風を通すために枯れた竹木をその場で切断し広場に搬出して枝を払い暗渠用の材料にする。
こうした一蓮の作業で里山は色めき始める。
1級造園施工管理技士の勉強をきっかけに自然と近づいていった大地の再生の取り組み。
理論を知るのではなく自然を感じる。
自然と1つになる。
人間が本来その身内に持っているはずのなにか。
その囁きに耳を澄ませる。
その時不意にショータさんが言った。
「向こう側のコンクリートが蓋してるのでカシノキの樹勢が弱くなっている」
そちらを見ればそこにはアスファルト舗装された道路があった。
すかさず、
「アスファルトですね」
と余計なツッコミを入れてしまった(笑)。
大自然からしたらアスファルトもコンクリートもこの際どっちも一緒。
産業人としてアスファルトとコンクリート、あるいはコンクリートとセメントを混同されたりすると訂正したくなる心理はある。
ただ大切なのは人々の営み(産業)が大地に蓋をして人々と同様大自然の1つである樹木の樹勢を弱くさせている。
衰えさせている。
そのことに対しての完成を磨くことが大切なんだと思う。
なかなかブログでは表現しづらい。
ノコギリを持って竹林に入り込んでいく。
急斜面だ。
枯れた竹木をその場で切断し斜面を力一杯登っていく。
風と水を流通させる。
作業中ふと先ほどまで感じることのできなかった空気の流れに気づくことがある。
これは理屈で理解することではなく完全に感じること。
僕たち人類はこれから縄文人を見習って縄文式の生活に戻るわけにはいかない。
コンクリートやアスファルトが大地を削り、汚し、蓋してきたことで、UNIQLOやセブンイレブン、Amazonといったビジネスは人々の生活を豊かにしてきた。
もう、この道を後戻りするわけにはいかない。
そして、日本が一番最初に辿り着くだろう「マイナス成長時代」。
拡大再生産からクローズドループ、サステナビリティが求められる時代。
その時代にあって、僕たち産業は新しいパラダイムで大自然と向き合わなければならないのだと強く感じる。
自然と人が調和する世界を創造するコンクリートテック。
大地に蓋をしない透水性コンクリート。
このテクノロジーが適切に見出されるためには一体なにが必要なのだろうか。
小さな囁きを感じられるようにありたい。
宮本充也