2020/03/16
【静岡】「ダンプ運搬、実は透水性コンクリートのお家芸!」狭い・駐車場・ソーケンサービス・三興開発

静岡県富士市。以前透水性コンクリート施工見学会(セミナー)に参加されていた。今回排水もなく勾配もとれない提案したところ採用された。現場は狭く生コン車(10t)から2tダンプへ中継運搬して納品。
製造:三興開発、施工:ソーケンサービス(45m2、100mm、4名、3時間、ビリ砂利タイプ、庭コン登録)
ダンプで運搬できる透水性コンクリート
施工Before。
この敷地へ至る道は狭い住宅地となっていて通常の生コン車(10tや4t)が侵入できない。
特殊車両2t(立米車)も無いではないが費用が嵩んでしまう。
現場の知恵と協議の末生コン工場から10tダンプで近くまで運搬し、そこから2tダンプに積み替え納品をすることとした。
施工スタート!
2tダンプに積み替えられた透水性コンクリートをミニユンボで受ける。
さながらリレーのバトンのように、こんどは一輪車に透水性コンクリートは託される。
一度見学会で施工をみていただけでありながらも手慣れた手つきで施工は進む。
通常、
⚫︎敷設
⚫︎均し(レーキ、プラゴテ)
⚫︎転圧(プレートコンパクタ)
という手順ですすむ施工だが、今回は特殊骨材(ビリ砂利)というやや小粒径の骨材で施工していることもあり実験的に円盤・パワートロウェル(写真左)を利用しさらなる仕上げを企図した。
施工完成After。
生コン車が直接入り込めないという特殊条件でありながらも、45m2をたった3名で3時間で完成させた。
ダンプ運搬、実は透水性コンクリートのお家芸!
30年以上前に日本では流通が始まった透水性コンクリート(パーミアコン)はもともとダンプで現場に運び込まれていた。
パーミアコンの産みの親は僕たちも尊敬する佐藤渡辺社。
同社は大手道路会社。
ご存知だろうか。
アスファルトは生コンと似たような製品として一般には理解されているかもしれないが、運搬方法はまるで異なる。
アスファルトはダンプ運搬が基本。
我が国で最初に生み出された透水性コンクリートは道路会社(アスファルト工場)の手による。
つまり、道路会社は生コン車を持たない。
偶然というべきか、必然なのか、勢い透水性コンクリートはダンプで運搬されることになった。
流動性の高い生コンでは到底ダンプ運搬には不向きであるため奇跡的だったとすることができる。
そもそも単位水量が小さく、スランプも無い(流動性がアスファルトと同様無い)ため、ダンプ運搬に向いている。
今回示された実績は生コンという観点からは目を見張るものがある。
ただ、そもそも透水性コンクリートが生まれた歴史を辿れば、
「ダンプ運搬、実は透水性コンクリートのお家芸!」
だったのだ。
このように多様な現場に適応することができる透水性コンクリート。
今では日本全国300の生コン工場から0.5m3の小ロットで現場に届くようになっている。
「小能く大を兼ねる」
これは生コンに関しての本質だ。
小ロット(0.5m3=4m2)に届けられるということはその延長にある数千、数万m2だって届けられるということ。
それだけ透水性コンクリートには普及の潜在性があることになる。
今回の現場ではその一端を見ることができた。
宮本充也