2016/06/17
普遍的問題と解決のヒント「ひび割れ 色ムラ 水勾配」

「普遍」
時代がどうあろうと、
ルールが変わったり、
流行が変わったりしても、
変わらないもの。
当社は生コン51年目、僕自身は16年目を今走っているところ。
今日も午前中4件のお客様を訪ねて回った(当社は注文いただいた現場はすべてご訪問します)。
愚直に50年間続けているこの習慣では、変わるものや変わらないものがある。
変わらないものは、
・世代を超えての生コンのお取引
という心温まるものから、
・時間通りに到着しない
・冬場は特に時間通りに来てほしい
・単価もう少しなんとかならない?
等のご指摘までいろいろとあるが、
特に当社のように小規模で小ロットでの生コンを販売させていただく場合の「あるある」
・土間コンの色ムラ
というのごある。
本日も、武井造園さんという地元の有力造園会社さんから、
普遍のテーマ→住宅駐車場などカーポート土間の表面の色ムラ
これを解決したら神だよね、的なトーク。
これは一般に余り知られていないことだと思うので少し説明を加えると、
生コン、とは天然材料であり、
・骨材(砂とか砂利とか砕石)は河川や山を削った岩からできている
・セメントは石灰岩を焼いてできている
つまり、プラスチック製品のように完全に管理されたものでもないし、
余り知られていないことだが、
「ロットごとに完全に同じものは絶対にできない」
という事実。
完全管理された工場の中で型枠に納められ同じ温度や湿度で管理される製品なら別として、
生コンは気候をはじめとする多くの変数に影響を受けるため、
「色」をはじめとする多くの性質はロットごとに「違う」
これが、需要家と供給サイドの齟齬を呼び、場合によってはクレームなどのような不幸に発展することもある。
土間コン3大クレーム
・ひび割れ
・色ムラ
・水勾配
専門家ならわかっていただけるが、一般の人に向けてそれぞれ詳細説明を加えると、
・ひび割れ→コンクリートは実際は湿度・温度などの影響を受けて伸び縮みするため、ひび割れ(クラック)は不可避
・色ムラ→天然を利用しているため、採掘ロットや施工精度によって、抑制はほぼ難しく、「見た目」という性質は「人により評価が異なる」
・水勾配→敷地面積が限られていると水はけがうまくいかず「水たまり」が発生してしまう
以上は、専門家からしたら、当たり前すぎることなんだけど、
購入する側からすれば、
・ひび割れ→新品なのに傷物よこしやがって!
・色ムラ→僕の(私の)コンクリート打ち肌のイメージはこんなじゃない!!
・水勾配→水たまりなんて許さない!!!
となる。
少しずつ需要家と供給サイドの溝は埋まってくるのかもしれないが、
僕の知る限りこの16年間、同じような話を何度も何度も耳にしてきた。
今日の会話の中でも出たが、そのような問題に対して、
商圏(商いをする地域)が違う同業者(似たような市場セグメントに同じ付加価値を提供する存在)
が連携しソリューションを共有することは実に合理的だ。
その具体的な形としてGNN元気な生コンネットワーク
こうしたあり方は参加者全員に財をもたらす。
・造園、エクステリア業界
・左官
・塗装
や、すでにあるYDN(一般土木)やコンクリート圧送業などのアライアンスが、相互に共鳴し合えば、
「解決できないことなんかない」
かもしれない。
余り抽象度の高いぼんやりとした話ばかりでもあれなので、最後に具体的な上記解決策を簡単に述べると、
表面が粗面の透水性コンクリート(ポーラスコンクリート)は、
・ひび割れ→そもそもごつごつなので目立たないしわからない
・色ムラ→仕上げ工程がないため、発生しない
・水勾配→そもそも透水なので排水が必要ない
という風になっている。
これは、あまり注目されない部分であって、かつ施工時間が非常に短縮できるというメリットもある。
上記は多少宣伝・売り込みめいてしまって恐縮だが、
ただ上記価値も全国同業種他地区の連携から生まれた価値
であることも一方で真実だ。
これからの主体性を持った中小企業以下の連携が進むことに当事者として期待と役割を感じている。
宮本充也