2015/11/24
「なぜ、アスファルトなのか」常識を疑ってみる
一般には普段あまり気にも留めないでしょうからあえてご紹介しますが、道路の95%はアスファルトでできています。別にコンクリートでもいいのでしょうが、わが国ではこんな状況になっています。
そのようになっている幾つかの理由の一つとして「アスファルトはすぐに固まって車の乗り入れがすぐ出来る」ことが挙げられます。
ほんとはこれだけの理由ではないんですが、一応そんな風になっています。
「コンクリートはすぐに固まらない」
これも事実です。
専門的な話になってしまいますが、意外と知られていないことでもありますのであえてご紹介しますと、コンクリートは乾いて固まるのではなく、水和反応という化学反応によって水とセメントが結びつき硬化します。
化学反応ですから、反応に時間がかかるのですね。さめたら固まるアスファルトと違って、結構な時間を「待たなくてはならない」。
僕もそうですが、人は待つのが嫌いです。「今欲しいんだよ」っていう、あれです。先日待ちに待ったマッサージチェアの到着が2週間伸びる、という知らせを受けてショックすぎで二の句が継げなかったことがあるくらいですから。
住 宅の駐車場に用いられる「土間コン」も実際に工事する人たちを悩ませています。完成引渡し間近まで施行されているエクステリア工事はいわば時間との勝負で すから、「雨が降ったら施行できない」「車を乗せるのに1週間もかかる」などなど、生コンクリートは数十年もそのわがままな地位を当たり前にしてきまし た。
「すぐに固まらないのが生コンクリートっすから」です。
今 GNN元気な生コンネットワークでは、この運命に果敢に挑んでいます。仲間がいると困難にも立向かえます。富山県のあづまコンクリートさんが主になって、 複数社集まって日々実験を重ねています。これまでの生コン業界では考えられなかった「オープンイノベーション」です。
実験レベルでは成功しました。つまり試験管の中では生コンの運命を変えることに成功したのです。これはすごいことです。
そして今では水を通すコンクリートにも応用できないかというステージに移っています。
「たった1日で水たまりのできない自宅の駐車場ができあがり」です。
たまたま今日は雨。
雨はなんとなく僕たち生コン屋を憂鬱にさせます。それは、雨の日には生コンが施行できないから、つまりは売り上げがないから。
当たり前だと今まで思っていたこのこともひょっとしたらひょっとするかもしれません。常識を疑うと、とたんにワクワクする思考が生まれます。
同じ志の仲間たちと手を取り合って非常識に挑戦する毎日はなんと楽しいことか。雨の日にワクワクしながら考えています。
専務取締役 宮本充也