2020/05/30
【静岡】「ご先祖様が息してるからコンクリで蓋してはダメだ」「草刈りの時にカマで手を怪我してしまった」墓地・舗装

これまでになかった理由。「ご先祖様が息してるからコンクリで蓋してはダメだ」。地元名士のお施主様から寄せられた相談は次世代の土間コン、透水性コンクリートによって叶えられることになる。
製造:長岡生コンクリート、施工:矢田工業(25m2、80mm、3名、1時間)
施工中の動画
次世代の土間コンで叶えられたご先祖様への感謝の思い
施工Before1。
施工Before2。
「こりゃあ、本当にいい材料だね」
昔は年に2回の草取りはご先祖様への感謝の気持ちを表して家族がみんな集まったもの。
特に竹などの根っこ伐開除根(ばっかいじょこん)作業はとても大変で力を入れてカマで切りつける作業は重労働。
去年はうちのばあさんがカマで手を怪我してしまってもう草むしりは諦めてしまった。
年を経るごとによる年波には勝てず裸にしていた墓地も舗装することを決意した。
舗装をしてこなかった理由は迷信めいた話だけれど、ご先祖様が息できなくなるから蓋をしたくないということ。
アスファルトやコンクリートで埋めてしまったらご先祖様もさぞ苦しがるだろう。
「こりゃあ、本当にいい材料だね」
これなら穴が空いてるから水も空気も自由に出入りすることができる。
草だって生えない。
一輪車で材料を運び込みお墓の周りを舗装していく。
お墓の工事は狭かったり段差があったりするものだからユンボのバケットで一旦受けてから上段の一輪車に移す。
施工After。
雑草が伸びたい放題だった裸の土地はこうして透水性コンクリートで舗装された。
レベルが少し下がっている(既設の土間コンよりも10mm下がり)のはこの上に化粧砂利を敷く予定。
砂利が敷いてある自然の見た目でありながら草は生えてこない。
それでいて水と空気は地面と流通するからご先祖様の呼吸に支障もない。
水勾配を気にしなくていいから溢水による納骨堂への浸水のリスクもない。
こうしてお施主さんのご希望は叶えられた。
時代は変わった。
核家族化が進んだ。
お盆や長期休暇に帰省して普段顔を合わせない親兄弟や親戚と一緒にご先祖様のお墓の草取りをする。
そんな文化も少しずつ希薄になっていく。
帰省の時くらい少しのんびりしたい。
年配の方々もよる年波には勝てず草むしりも億劫になっていく。
カマで手を怪我してしまった。
草取りをしなくてもいい方法は何かないだろうか。
ご先祖様の頭上を蓋してしまうのは嫌だ。
気持ちの問題かもしれない。
ただ、真摯にご先祖様への気持ちを寄せている人たちに寄り添いたい。
現場に伺ってお施主さんの生の声に触れることは無上の体験だ。
「ご先祖様が息してるからコンクリで蓋してはダメだ」
「草刈りの時にカマで手を怪我してしまった」
地元静岡のそんなお困りごとに寄り添うことができて地元の人間として誇らしく思えた。
問題解決策、透水性コンクリートは今やあらゆる土地で同様の悩みに応えることができるようになった。
僕も気になっていたお墓の整備に透水性コンクリートをDIYすることを決意した。
その模様は映画「透水宣言」で詳しく紹介したい。
宮本充也