2020/06/01
【埼玉】「面白いコンクリートだな」「まさか自分が施工するとは思わなかったよ(笑)」

埼玉県加須市。80m2。当初2日間にわたる施工を予定していた。どんどん仕上がってしまうので「1日で終わらせましょう」ということに。以前都内の現場作業時にドライテックが施工されているのを見たことがあり、「面白いコンクリートだな」と思っていた。「まさか自分が施工するとはおもわなかったよ(笑)」。
製造:渋谷建材、施工:小暮工業(午前、40m2、100mm厚、5名、1時間30分。午後、40m2、5名、1時間30分)。
まさか、自分が施工するとは思わなかったよ(笑)
施工Before。
採用理由は「元々設計書に《透水性コンクリート》と明記されていた」。
設計書にすでに指定されていることは「スペックイン」と呼ばれ、設計者がすでにその価値を知っていたことを示すもの。
住宅外構の分野においても透水性コンクリートは一般化してきていることがわかる。
施工開始。
初めての施工(小暮工業)で80m2という規模でもあったため念のため2日間施工という予定を組んでいたがどんどんどんどん仕上がっていくため、
「1日で終わらせましょう」
ということに。
そのことがどれだけ施工上の手間やコストを圧縮することかプロ施工者ならわかるはずだ。
どんどんどんどん仕上がる。
とても初めて施工した方々とは思えない見事な腕前。
施工After。
80m2が仕上げまでたった3時間で終わってしまった。
通常の土間コンクリートなら当然「2日間目一杯」のところだ。
設計スペック。「まさか自分が施工するとは」。
いつの間にか15年の年月が経っている。
カタログとサンプルを大量に積んだ乗用車でせっせと営業回りをしていた。
今考えると完全に押し売りだ。
押し売りしてはクレームを頂戴し、クレームを頂いてはいろんな人に迷惑をかけていた。
「面白いコンクリートだな」
「まさか自分が施工するとはおもわなかったよ(笑)」
小暮工業に寄ればどこかの現場で見たことがあり関心は持っていらしたそうだ。
その透水性コンクリートを今日自分が施工している。
設計書に記載されていた。
これらは僕も含めて関係者が売り込んだ結果によるものではなく、設計の段階で自然にその価値が理解され採用され、その供給ルートが認知され問い合わせが寄せられた結果。
まさに、透水性コンクリートが土間コンクリート・舗装の標準品になりつつあることを示している。
途中で諦めなくてよかった。
1,000m2の物件に押し売り・大失敗した時に出口が見えず悩んでいたあの頃。
経営が順調な訳ではない中での悲劇の連続。
もしあの時に途中で諦めていたら、今こうして透水性コンクリートが住宅外構、つまり世間一般の常識にはなっていなかった。
あの時からすれば奇跡みたいな話だ。
ただ、僕たちの奇跡はこんなもんじゃない。
もっともっとすごいことが起きると僕たち関係者全員はそう信じている。
たまにふとこうした振り返りをしながら、今日も淡々と仕事に打ち込んでいる。
宮本充也