2020/06/04
【茨城】「午前中は別の仕事してたよ」「アスファルトや土間コンと比べて透水性コンクリートに決めた」カナザワ・大里ブロック工業

茨城県土浦市。「アスファルトや土間コンと経済性や施工性などを比較して透水性コンクリートにした」(残土、周辺工、作業人員、機材回送費、他)。「午前中は別の仕事してたよ」。
製造:大里ブロック工業、施工:カナザワ(5名、2時間、70m2、庭コン登録)。
アスファルトや土間コンと比べて透水性コンクリートに決めた
施工Before。
ワイヤーメッシュがないため、ユンボで効率よく材料の搬入(敷設)ができる。
土間コンクリートであればもっと作業員が必要となるしそれこそ1日がかり。
「午前中は別の仕事してたよ」
透水性コンクリートは少人数で短時間(70m2を2時間)で終わることを知っていた金澤さん。
もちろん、排水性舗装(アスファルト)も検討したそうだが、このギラギラと照りつける夏の太陽の元とてもアスファルトなんかやろうとも思わない。
さらには、重機回送費など周辺を考えるとやっぱり透水性コンクリートになったという。
施工スタート。
施工指導に立ち会うのは生コンポータルTシャツ姿の大里ブロック木村さん。
茨城県土浦エリアでは「ひとと大地の接点に」大里ブロックの車両を見かけることができる。
大地に蓋しない透水性コンクリートはそんな大里ブロックの手により力強く普及している。
ユンボによる敷設、その後をレーキマン2名が均し、続いてプレートコンパクタが転圧で仕上げていくおなじみの単純作業。
施工要領そのものはアスファルト舗装のそれととても似ている。
施工After。
初施工長ら5名で2時間見事な仕上がり。
通常の土間コンであれば朝1から始めても夕方までかかっていたことだろう。
「午前中は別の仕事をしてたよ」
金澤さんのコメントのその施工の効率のほどが窺い知れる。
アスファルト、土間コンと比較した結果透水性コンクリート
新しい工法や材料(透水性コンクリート)に積極的に挑戦する施工者はやっぱり腕がいい。
きっかけはお施主さんからの希望だったとしても断る施工者も少なくない。
「やったことないからできません」
「仕入れルートがわかりません」
ろくに調べもせず簡単にお施主さんの希望を断ってしまう。
今回初めて施工をされたカナザワのように「とりあえずやってみよう」しっかりと調査して土間コンクリートやアスファルトとの比較検討を行う。
実際に比較してみると、
「午前中は別の仕事をしていた」
というように、土間コンではとてもできないこと(時短)や作業員の縮減(搬入人員や仕上げ人員)がわかる。
ワイヤーメッシュがないから写真のように効率よく材料の搬入ができる。
一方、アスファルトと比べても優位性がある。
意外なことだが「施工原価」も透水性コンクリートの方が安くなるそうだ。
重機回送費を考えるとこの程度の規模だと合わないという。
さらに、いよいよ6月の梅雨入り前。
照りつける太陽の下アスファルト(110度以上の材料を用いて施工)はとても考えられない。
下地(すきとり、路盤)などに関わる周辺コストもアスファルトのほうが嵩むという。
今回急遽立ち会うことのできた現場で改めて透水性コンクリートの普及を肌で感じることができた。
急な現場施工見学会であるにもかかわらず数名の見学者の姿もあった。
みなさん同様に「問い合わせが増えてきた」と口を揃えていた。
こうして土間コンクリートやアスファルトときちんと比較してみても何も遜色のない透水性コンクリート。
土間コンと違って大地に蓋をしないから自然と人が調和する環境を創造できる。
石油製品のアスファルトと違って変性しないからガラスや石材のようにその性能は永遠だ。
今はまだ新しい舗装とされている透水性コンクリートは今年いよいよエクステリアの標準となるはずだ。
宮本充也