2020/06/24
【富山】「新しい品質確認方法について」あづまコンクリート工業

2代目まさつぐの名をほしいままにするあづまコンクリート工業のコンクリート主任技士墨田さんが開発した透水性コンクリートの性状チェック法(隅田式)は現場で完璧な材料の状態を確認できる。「この方法でチェックしてから失敗がなくなりました」。DIYでの参考にもなる。
施工現場:富山県富山市下堀、、N様邸、55m2、施工6名、2時間半、カーポート土間+物置土間
《墨田式》透水性コンクリート状態確認方法
2代目まさつぐが伝える透水性コンクリートの状態確認方法。
「初めて施工する」
「どのような状態がベストなの?」
施工を重ね経験者にとっては特に必要はないことかもしれない。
ただ、透水性コンクリートの場合材料の状態が全てを決める。
水分量が施工の成否を決める。
それでは、どの程度のコンシステンシーがベストなのか?
それを検査する方法はこれまでも多くの工夫がなされてきた。
従来の簡易な方法としては容器に試料を入れて30回シャッフルした際の材料の状態を目視で確認する。
この時点でペーストで隙間が閉塞しているようではダメ。
一方、照りがなく乾いているようでもそれは硬化不良(ドライアウト)が懸念される。
写真のように適度に隙間が確保され照りがある状態がベスト。
試料を排出した後のペーストの付着度合いを目視で確認する。
この時写真のようにまばらにペーストが付着しており容器の向こう側は見えるようでなければならない。
ペーストで向こう側が見通せなかったり、逆に全くペーストが付着していないようでは調整が必要となる。
《墨田式》透水性コンクリート状態確認方法
(動画参照)
⚫︎試料を厚みの半分くらいまで敷きて足踏み転圧を行う。
⚫︎続いて残りの材料を打ち重ねて所定の高さ(120mm、余盛含む)に鳴らす。
⚫︎スコップでタンピングを行い転圧の状態を再現する。
⚫︎ペーストで隙間が埋まっていないか、きちんと艶が確保されているかを目視する。
⚫︎続いて150ccの水で簡易透水試験(隙間が確保されているか、またはペーストの状態などの確認)を行う。
⚫︎透水の水でペーストが洗い流され骨材の肌が見えるようになる程度がベスト。この時、ペーストが洗われないと打設中ワーカビリティが低下して施工に支障を及ぼすようになる。
⚫︎施工スタート。
墨田氏によればこの方法で状態を確認するようになってから施工の失敗が完全になくなったそうだ。
施工Before。
今回はプレートコンパクタではなくハンドガイドローラ(600kg)を用いて転圧(仕上げ)を行う。
施工者によってはプレートよりもローラの方が不陸調整(平坦性確保)がやりやすいという方も。
転圧の様子。
ベニアを利用する理由はローラは長時間ひと所に置いておくと材料が沈んでしまいそれを避けるため。
施工After。
見事な平坦性。
くっきりと空隙も確保されている。
透水性は万全に発揮されることだろう。
全国のラストワンマイルが日々現場で経験したことをメッセンジャーグループで共有している。
墨田氏によれば他にも「透水性コンクリートの品質維持方法」に関して隠し球があるそうだ。
「乞うご期待」と言ってニッと笑顔を見せる(実際は電話なのでわからないが)。
墨田さんのように誰に指示されるわけでもなく主体的に現場で改善を重ねる人たちは今埋もれることなく見出される時代だ。
今はまだ生コンのラストワンマイルははっきり言って目立たない。
光も届きづらい。
そんな環境で埋もれてしまってやる気をなくしてしまう若い人たちも多い中、墨田さんのように顧客のために改善努力を続ける人も少なくない。
「生コン屋さんの透水性コンクリート」ドライテックはそんな愛すべき多くの人たちの手によって今日も成長・進化を遂げている。
生コンをアップデートすることで、市場と顧客を創造し現場に喜びを届けることができる。
墨田さんを始め多くのラストワンマイルの活躍から目が離せない。
宮本充也