2020/07/15
【埼玉】「アスファルトや土間コンよりも《早い》《安い》《楽》」除草・水はけ・維持メンテ・工期短縮・墓地供用通路

埼玉県。墓地供用部。「供用部の除草作業で毎年苦労していた。除草手間と水はけを同時に解消できる手段を探していた」(墓地管理者)。「アスファルトだと劣化(変性)で何度も補修する必要がある。手間とコストを考えると透水性コンクリートのほうが良い。工期が大幅に短縮できた」(施工者)。
製造:渋谷建材(担当:大曽根勇太)、施工:神和建設工業(担当:神谷忠雄、215m2、100mm厚、8名、初日・20m3、2日目・2m3打設、庭コン登録)
アスファルトよりも透水性コンクリートのほうが「楽」「安い」「早い」
施工Before。
墓地供用部。
墓地管理者によれば、例年除草作業に多大なる労力が発生していたそうだ。
さらに、入り組んだ地形であるため大雨の時など水はけも悩みの種だったそうだ。
施工Before2。
供用部通路は全体で215m2と大面積。
当初8m3ずつの3日間を施工日数として計画していた。
ところが実際に施工してみると、敷設・均し・転圧の高速反復で施工が捗るため初日8m3の予定がなんと20m3まで施工してしまった。
止枠を利用して任意の場所で施工を中断できることも透水性コンクリートの良好な施工性を意味する。
休憩や段取り替えの後は止枠を直ちに撤去してその後から新しい施工スパンとして続行できる。
施工After1。
入り組んだ場所で真っ平らにしても水はけの問題は解消される。
施工After2。
長年悩まされてきた除草作業からも今後永遠に解放される。
墓地管理者にとってはとてもありがたいことだという。
施工After3。
9時半から始まり十分休憩を挟んでも16時半には20m3打設完了。
翌日残りの2m3を任意の時間帯(昼1番30分)に施工を終え、トータル215m2をほぼ1日で完成させてしまった。
アスファルトや土間コンに比べたアドバンテージ「早い」「安い」「楽」
施工者によればアスファルトの場合変性・劣化が避けられないため維持補修に費用と手間が嵩むという。
一方、透水性コンクリートは「コンクリート」と名乗っているように変性しない。
耐久性はコンクリート同等。
ガラスや石の仲間だから太陽光(紫外線)にさらされていたとしてもへっちゃら。
経年で小石がポロポロ取れてしまったり空隙(すきま)が潰れてしまって水たまりが発生することもない。
イニシャルだけでなく、ライフサイクルコストを考えれば透水性コンクリートのほうが断然いいという。
また、アスファルトや土間コンの経験から当初3日間がっつり工期を設定していたのがたった1日(と30分)で終わってしまった。
Time is money.
早く終わるというのはそれだけで施工者にとってメリットは大きい。
「楽」に仕事が終わるのだ。
施工者にとっていいというばかりではない。
施主(墓地管理者)にとっての願いだった「除草手間」「水はけ」という問題も同時に解決している。
今後、映画「透水宣言」でも墓地の舗装を取り上げたいと思う。
人が住んでいるところもそうだけど、「人が住んでいないけどたまに訪れるような場所」は草刈りなど重労働が待ち構えている場合がある。
いかに亡くなっているとはいえ、納骨堂に浸水はあまり気分の良いものじゃないだろうし、ご先祖様の頭上をコンクリートで蓋するのも息ができない感じだし失礼な気もする。
そうした迷信めいたニーズにさえも応えてしまう透水性コンクリート。
今回も墓地管理者・施工者、双方のニーズを満足させることができた。
いよいよ梅雨明け目前。
今年は透水性コンクリートの標準化に向けて大いなる前進が期待できそうだ。
宮本充也