2020/07/30
【千葉】「お隣が土間コンにしたら急に家の中の温度が高くなった」モノタロウ・ヒートアイランド現象・ゲリラ豪雨・冠水

千葉県勝浦市。モノタロウ案件。施主が事前工(掘削から階段、見切り、路盤工、型枠迄)はDIYで行った。駐車場乗入れ部分に車止めを使う発想などプロ顔負けのナイスアイディア。採用理由は「水勾配を避けて平らに」というのもあるが、「お隣りが土間コンにしたら急に家の中の温度が高くなった」、環境温度の調整機能を持つ透水性コンクリートを希望された。
製造:匿名希望(鴨川市内の生コン事業者)、施工:モノタロウ(41m2、100mm、4名、3時間)。
ヒートアイランド抑制効果のある透水性コンクリート
施工Before。
なんと、これ、モノタロウで注文する前に施主ご自身で作られた路盤と型枠(カーストップを流用)。
なるほどカーストップ(車止め)をこのように型枠にすることで解体・撤去の必要もないし、舗装に乗り入れる際の傾斜(段差解消)となるため毎日の出入りが円滑になる。
これはプロ顔負けのナイスアイディア。
僕たちも今後参考にしたい工法だ。
施工Before。
「水勾配を避けて平らに」というのもあるが、一番は「お隣が土間コンにしたら急に家の中の温度が高くなった」というのが理由だった。
アスファルトよりはマシだとしても土間コンも地面に蓋をする。
一方、透水性コンクリートのヒートアイランド抑制効果は広く学会で知られている。
打ち水をすることで路面温度は土の地面と同程度にまで温度低下することで環境温度は真夏でも低減される。
ロハスな生活を志向した結果透水性コンクリートの採用とあいなった。
仕上げはモノタロウさんということで、路盤や型枠など事前工はDIYだったが、透水性コンクリートはモノタロウで「ポチ」で購入。
生コンポータル直営班が現地に赴き施工が始まる。
敷設した後に写真のようにレーキ(トンボ)で平坦性を整え、プレートコンパクタで追いかけるように転圧。
単純作業の繰り返し。
施工 After1。
透水性コンクリートは地面に蓋をしない流通を阻害しない舗装。
だから、空気も水も自由に出入りできる。
施工After2。
この階段をDIYで作ったというのだから最近の一般の方々恐るべし。
なんならドライテックもDIYできたんじゃなかろうか。
ヒートアイランド、ゲリラ豪雨、冠水対策はネットで「ポチ」で手に入る時代?
学会、建設業界、生コンの分野では透水性コンクリートが路面温度を低減することでヒートアイランド現象の抑制、ひいてはゲリラ豪雨による冠水被害を対策できることが分かっている。
つまり、「テクノロジーはある」。
なのに、どうして世界の景色は変わらないのだろう。
20年の生コン人生でようやく最近わかりかけてきたこと。
拡大再生産を前提・文脈とした現行の産業構造に新しい文脈「サステナビリティ」「クローズドループ」の実践は期待できない。
だから僕たち生コンポータルは新しい時代の流通「ネット小売」との協業などインターネット・企業間連携で駆動する新しい産業構造を志向した。
今やBtoBゴリゴリ製品の生コンはネットで「ポチ」で購入できるようになったのだ。
そしてようやくテクノロジーは埋もれることなく社会の共感を得て具体的に景色を変え始めているのだと思う。
あらゆる産業で実証されたように、インターネットの威力は凄まじい。
現在はインターネット×生コンの本の黎明期。
ただ、このフィールドの広大さは僕たち当事者でもまだまだ正確には把握できていない。
きっと馬車から自動車にシフトした頃の人々が来るべき時代を正確に予測できなかったのに近いのではないか。
総論で、世間がそういうから、「ヒートアイランド抑制」「ゲリラ豪雨」「冠水被害」を話題にするのではない。
そうした問題は具体的に個別に身近に扱われることによってのみ意味がある。
「お隣が土間コンにしたら急に家の中の温度が高くなった」
ヒートアイランド抑制とはつまり具体的に言えばこうした身近なことになるのだと思う。
言葉よりも行動。
インターネットの時代、それがますます実現しやすくなったのだと思う。
宮本充也