2020/08/30
【東京】「なんでわだち(凹凸)が《絶対に》できないの?」コンクリート舗装

東京都世田谷区。元々《排水性》アスファルトが舗装されていたが、経年劣化(アスファルト特有の現象)によりわだち(凹凸)や骨材剥離が発生し、さらには透水性能が低下した事などから、高耐久性を評価されて透水性コンクリート《ドライテック》が施工された。よくある質問「なんでわだちが絶対にできないの?」。
製造:都屋建材、施工:生コンポータル直営(33.5m2、100mm、3名、3時間)。
もともとアスファルトを透水性コンクリートでリニューアル
施工Before。
共同住宅駐車場、入り口道路部分のリニューアル工事。
もともと排水性のアスファルトが施工されていたようだが、「わだち(凹凸)」「骨材剥離」「透水性の低下」(水たまり発生)に見舞われリニューアルとなった。
選ばれたのは次世代のコンクリート舗装「大地の呼吸を止めない舗装」透水性コンクリートだ。
施工方法は至って簡単で、材料を配り(敷設)、平坦性を確保するためにトンボなどで均したら、写真にあるようなプレートコンパクタと呼ばれる仕上げ機械で転圧するだけ。
こちらの動画では施工の前工程を説明している。
なんとその簡単な施工は一般の方がDIY「自分で施工」ができるほどだ。
施工After。
施工After2。
接写。
骨材(砂利とか砕石)の輪郭がそのまま見えるゴツゴツとした味のある表面。
この隙間が「水を通す」の仕掛けとなる。
なぜ、透水性コンクリートはわだちや透水性の低下が起きないのか?
日本の舗装の95%は「アスファルト」となっている。
一般には「同じようなもん」と認知されているコンクリートの舗装はなんとたったの5%。
それなのに、コンクリートはなぜかアスファルトと一緒くたにされ、「コンクリートが大地を覆う」などのような表現で悪者にされがち。
そうした傾向に僕はかなりムカついているが、いまはその話ではない。
「なぜ、透水性コンクリートはわだちや透水性の低下が起きないのか?」
この問いに答える場合にいつも以下のような説明をしている。
「西日に30年照らされて溶けたりたわんだりした窓ガラスって見たことありますか?」
コンクリートはケイ素やカルシウムでできている。
つまり、ガラスの仲間だということができる。
一方のアスファルトは石油由来だ。
つまり、樹脂製品。
ポリバケツや輪ゴムなどの仲間ということになる。
「輪ゴムを外に30年放置しておいたらどうなる?」
この2つの例え話でわかるはずだ。
樹脂製品は変性が避けられないもの。
一方のガラス製品はたわんだり溶けたりといった変性は起きない。
つまり耐久性が高い、ということになる。
今回の現場もその「耐久性」が評価されてもともと敷設されていたアスファルトの代わりに採用された。
胸を張って言える。
「もう、2度とリニューアルをする必要はありません」
(まあ、飽きたら張り替えってことはあるかもしれないが)。
大地の呼吸を止めない舗装。
透水性コンクリートは今日もどこかで日本の大地を再生している。
宮本充也