2020/09/12
「ただでさえ《炎上しがち》な土間コンクリートで冒険できない!」施工者が採用を渋る《透水性コンクリート》《ドライテック》本当の理由

普及に携わり15年が経過し今では毎日オンラインや実際の現場でセミナーや見学会を開催している透水性コンクリート《ドライテック》。特に施工者にとって得られるメリットが多いこの材料はいまだに採用を渋るケースが後を絶たない。ある日のオンラインセミナーで気づかされたこと。「施工者が採用を渋る本当の理由」。そして、「絶対に失敗させない」施工立ち会いについて。
なぜ、施工者は透水性コンクリートを採用しようとしないのか?
毎日開催されているオンラインセミナー(15:00/17:00の2回)では、
「土間コンクリートに比較した透水性コンクリートの施工上のメリット」
を必ずお伝えしている。
これまでの土間コンの常識
- ブリーディングや仕上げなどで作業が1日仕事となる
- 左官屋さんと生コン屋さんの予定が合わず工期がずれる
- メッシュ配筋施工の面倒と打設中の足元の面倒
- いつも頭を悩ませる水勾配の問題
- 土間コン表面に発生する「色むら」と「ひび割れ」でお施主さんとトラブル
- そのほか面倒くさいが沢山
新しい土間コンの常識
- 夕方から打てる土間コン→完成までたったの30分(住宅外構)
- 午後なら生コン屋さんの予定も入りやすい
- 水勾配を考えなくてもいい、透水性コンクリート
- メッシュ配筋の設置不要、打設作業も楽
- ペーストがないから「色むら」がない「ひび割れ」が見えない
- その他ハッピーが盛り沢山
「これで施工しないのはおかしい!」は勝手な理屈
上述の比較は事実だ。
嘘ではないし、実際に素人でもDIYで施工できるほどの施工性。
「なのに施工しないのはプロ施工者の怠慢だ!」
「いかに施工が簡単か」を伝えるために、「初心者の女性2人だけで施工する様子を動画で撮影」。
こちらは「がちな素人(だけど舞台俳優)が実際にDIYをしながら施工を説明する動画」を通して、その施工の簡便さを訴えている。
「透水性コンクリートの施工は簡単だ。その証拠に素人だってやってるでしょ?!」
この信念のもと、徹底的に情報発信を継続してきた生コンポータル。
ある日のオンラインセミナーで神奈川県のノアガーデン(相模原市)さんの素朴な一言からはたと気付かされた。
「数あるエクステリア資材・建材の中で実際に施工者の腕が試される分野で金額が嵩む分野はそれほど多くない。アルミやデッキ材のように《ただ組み立てるだけ》と違って土間コンクリートは半製品・生コンを現場で手間をかけて施工するもの。金額も嵩むし、それだけ手間もかかる。ただでさえ炎上しがちな土間コンクリートで冒険できない。しくじったらその現場の利益全てが吹っ飛ぶことになることも・・・」
「ただでさえ炎上しがちな土間コンクリートで冒険できない」
こちとら材料に関してはプロとはいえ、施工に関しては素人。
「こんなに簡単な材料なのに施工しないのは怠慢だ!」は完全な素人の理屈。
プロには責任がついて回るのだ。
そして、上述のような背に腹変えられない事情だってある。
例えば、掘削・残土処分・路盤工・ワイヤーメッシュ・型枠工・舗装工、乱暴に1m2あたり10,000円だったとして、駐車場2台分(30m2)もやればざっと300,000円。
大変な額だ。
最近エクステリアはオープン外溝が主流になるなど、なるべく費用がかからないモデルが選ばれる。
そんな中にあって300,000円を占める土間コンクリート。
土間コンクリートのクレームあるある「色むら」は偶発的に発生し、施工者・施主の両方をさいなめる。
なお、この本当の発生原因(理由)は特定されていない。
さらには、ひび割れ。
新築戸建て住宅のエクステリアの主要部分を占める土間コンクリートはとかくトラブルがつきものな分野となっている。
「こんな汚い土間コンクリートなんて許せない!取り壊して打ち直して頂戴!」
このように、感情に火がついたお施主さんが無体なクレームを寄せがちなのもこの土間コンクリートという分野だ。
そう、「ただでさえ炎上しがちな土間コンクリートで冒険できない」
わかる。
お前たち(供給者)の言っている理屈はよくわかる。
施工は簡単かもしれないし、お施主さんも喜ぶだろう、クレームだって発生しづらい理屈もよくわかる。
ただ、挑戦(冒険)するにはリスクが高すぎる。
600,000円で受けた工事の300,000円でもし万が一しくじったら。
利益が吹っ飛ぶはおろか、大赤字のリスクを背負い込むことになりかねない。
エクステリアに携わる施工者の本音、心理はここにある。
施工とはいえ商売だ。
せっかく受注した案件の利益が0は愚か真っ赤っ赤なんて絶対無理。
生活に類が及ぶ!
である。
とはいえ「透水性コンクリート採用しなくてもOKです」てわけにはいかない
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/case/
「赤字になったら困りますもんね。じゃあ、お施主さんが希望されているかもしれませんが、やっぱりやめときましょう」
というわけにはいかない笑。
ここに対立が生じる。
「新しいものかもしれないけど、ドライテックという材料で舗装したい」お施主さん
「施主の口車に乗って施工しては見たもののまんまと失敗。しかもその責任を負わされて大赤字」施工者さん
生コンポータルではこうした対立を生じさせないために、
「絶対に失敗させない」施工立ち会い
を実施している。
(初回施工に限り無料)。
施工は素人とはいえ、15年普及に携わっている生コンポータル。
その経験を背景に実際の施工に立ち会い失敗しないポイントを都度伝授する。
これまで施工に立ち会って失敗した事例はただの1度もない。
安心して欲しい。
まあ、こう言っても(ブログを書いても)、「はいそうですか」というわけにはいかないのはわかっている。
4年と半年毎日愚直にブログを書いてりゃ、その程度のことはわかる。
それでも、続ける。
4年と半年前に比べてもずいぶん世界の様相は様変わりしたのだ。
新しい材料に手を出すのはリスキーとはいえ、以前よりもそのリスクを取る施工者も増えてきている。
物事に近道というものはないようだ。
自然と人が調和する世界を具現化するコンクリートテック。
大地の呼吸を止めない舗装。
この大いなるテーマにはそれなりの時間と手間がかかって当然だ。
今日も普及活動は続く。
宮本充也